2月に納車された218dグランクーペ。
想像していたのと違ってどうも「何か違うな・・・」というモヤモヤ感を抱えたままでした。
一番の不満はエンジンのフィーリング。
回転のフィーリングが雑な印象がある。特に1,700回転付近でエンジン回転でのエンジン音と振動に濁りのようなモノを感じる。そして、ちょこんとアクセルを踏み込んだ瞬間のトルクの立ち上がりに力強さが無い。
次の不満はシャシの剛性が不足しているよな頼りない印象。
「この車、失敗したかな。」正直そんな残念な気持ち。
気を取り直して、今日はもう少しエンジン回してみるか。ちょうど素行距離も1,000㎞超えたし、少しくらいは高回転まで回してやらなきゃ。なんて気持ちでわが家から熊野まで往復300㎞超のドライブ。
実はこのコース。1,000メートル級の山々を橋やトンネルで貫くというなかなかのハードなコース。以前はホントに曲がりくねった難路だったけれども、今では多くの部分がトンネルと橋で改修され案外走りやすい。
さて、ガソリンスタンドで軽油を満タンにして走り出すと、なんだか車の感覚がこれまでと違う。1,000㎞を超えて、明らかにエンジンの回転がスムーズになっている。1,700回転付近で気になっていた濁りが無くなっている。
1,400回転から1,700回転までの間でトルクがモリモリ立ち上がってきて、そのままエンジン回転がスムーズに上昇していく。
以前感じた濁りが本当に無くなっている。それに、力強さが増している。
そして、足回りも変化が出てきた。サスの動きがすごくスムーズになって来た。シャシの剛性が低いとか感じる前にうまくサスが動いている感じがする。
あれ、どうしちゃったんだ。グランクーペ。
「あたりが付いてくる」そんな表現がピッタリ。
ああ、これこれ、こういう感覚がBMW何だよな。
思わず笑みがこぼれる。
そして、今日はまた新たな発見。
BMWいわく、この車のウリはARBというアンダーステアを抑制するシステム。
ホイールスリップを以前よりも3倍速く制御することでトラクションを著しく増大できる仕組みだそうだ。制御速度が従来の3倍となり、体感では10倍近く速くなったように感じるんだとか。さらにARBはDSCと緊密に連携することで、DSCを介入させることなくFF特有のトルクステアを大幅に抑制できる。加えて、レーキ制御によるヨーモーメント制御との組み合わせで、さらにニュートラルなハンドリング特性が得られる。という能書き。
「へーそうなのか。」くらいにしか思っていなかったけれど、ウェット路面を走っていて、その効果を実感。橋のつなぎ目の金属部分を通過するときの挙動が明らかに違う。
勿論、ある程度は滑るんですよ、でも瞬時にグリップが回復する。
ARBの装備が無かったF20だとこういう場面では結構気を使ったけれども、むしろ全然気にしなくとも大丈夫。
今日は意図的にスポーツモードやマニュアルモードを使ってエンジンを回すようにしたんだけれど、そうしているうちに明らかにエンジンの回転がスムーズになって来た。
ディーゼルエンジンの力強さとスムーズさ、緻密さが加わった。そんな表現が相応しい。
そして、ARBの特性が理解できると、次第にこの車を楽しく走らせるコツのようなモノがわかってきた。
普通のFFのようにフロントタイヤのグリップで曲がろうとしちゃいけない。
丁寧にコーナーに侵入してジワリとアクセルを踏み込んでいくとまるでFRのような挙動を示す。じわーっとノーズがコーナーの内側に向かっていく。この車はFRを運転するときと同じ感覚で運転しなきゃいけないんだ。
そんなことを考えながらワインディングを駆け抜けると、思わず笑みがこぼれる。
「これ、まったくFRと同じ感覚やん!」
ところで、今日の燃費。
リッター24.1㎞ですよ。
これだけ走って、この燃費。良い車です。
Posted at 2021/03/06 21:36:26 | |
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