身に染みついたもの

3年近くぶりに東京に帰った。ほんの数日。
東京で生まれ育ったし、東京という街はやはり世界の最先端、自慢の我が郷。が、アメリカの地方都市の生活は人間味があるし、楽だし、捨てられない。東京になんか戻れない。満員電車に乗ったり、常時渋滞にはまってみたり、何をするにも人の後ろに並ぶ生活、こんなのはもうできない。
・・・などと思いながら東京に帰って驚くのはそんな常軌を逸した混沌に何事もなかったかのように溶け込んでいってしまう自分。朝のラッシュの電車にも普通に乗るし、前から何両目の何番目のドアに乗ると階段が近いとか、急行を待たなくても今来た各停に乗った方が目的地に早く着く、とかとっさに勘が働いたり。もうそういうのは捨てたはずだったのに当たり前のようにできてしまう。
そんな自分が嫌になる。
東京は異常。もっとそれを身体も異常、と反応して欲しい。が、そうならない。身に深く染みついたものがある。どうもぬぐえそうにない。

東京人として会得した貧乏くさい技として、切符を買うときにポケットに入っている小銭をとにかく全部販売機に流し込んでおいて、切符を買う。すると最小限の小銭でお釣りが出てくるので小銭を整理できる・・・なんてことをやっちゃう。こういう技は今の時代スイカとか電子決済なんちゃらで知ってて得意がる人なんていないだろうなぁ、などと思う。

急に帰ることになったので、翌日のフライトを急遽ネットで買って飛んだが、チケットを買うとき羽田便も探してみた。羽田便は買わなかったが、思ったのは、京成スカイライナーが今や成田、日暮里間を36分で結んでいるので、電車で移動する場合、自宅からだと成田の方が時間的に近かったりしちゃう、ということが判明。ただ、羽田便はアメリカを夜中に出て早朝着、というスケジュールなので、今までにない面白いスケジュールが組めそう。