2019年10月16日
この度の台風19号にて被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。
さて、表題の件、ここ2-3日の間にマスコミやネットで批判されているダムの緊急放流ですが、私の居住地域でも城山ダムの緊急放流が行われました。
当初17時に行われる筈だった緊急放流が一旦中止。その後21時の再度緊急放流通知後20時30分頃にほぼ告知と同時に早期放流が開始されました。
この件で色々と批判めいた報道が目立つように思います。
・何故緊急放流するのか?
・事前に水位減らしておけ。
・中止したので安全だと思った。
・放流を予定より早めたら非難できない。
等々が主だったところに思います。
これらの批判に対して、あくまで主観ですが反論させて貰いたいと思います。
この反論には私が長年川の側に住んでいる経験も含まれておりますし想像も多分にふくんでいますので事実と異なるかも知れないことは先に申し上げて起きます。
まずは当日の経緯。
台風到来12日は早朝から川の様子が気になりました。11日に既に放流が始まっていたので当然増水していることが予想できたからです。幸い自宅2Fからは限定的ですが水面が確認出来ましたので双眼鏡で覗いてみると想定より水量が多いことに驚かされます。只、この時点では過去に経験している水量ではあったのでさほどの危険は感じませんでした。
その後、定期的に水量の増加を確認。多くは無いが雨も降り続いていたので不安が募ります。そこで嫁と相談し何時でも非難できるように非難準備を開始しました。そして遂に城山ダムが17時に緊急放流するとの通知と市内放送が入ります。
この時心に浮かんだのは「今の水量で放流が重なればどこかしら決壊または越水する!」でした。
ここで、在宅介護中の母も居ることから早めに非難する決断をしました。
ここだけの話、少し震えました。
朝の時点では開設避難所が少なくまた少々遠方だったのですが近くの小中学校も避難所として開設されたので、そちらに向かうことにしました。
余談ですがペットはNGと言われたので泣く泣く猫を自宅に残しました。この点は今後の課題です。
避難は体育館ではなく3階になり、16時頃ようやく一段落、早めの避難で余裕がありましたが徐々に人が増え始めました。
ここで、川のライブ画像と国交省の水位計測のウオッチを開始しました。
徐々に水位が上がってゆくのが10分程の遅れで確認できます。
遂に放流が始まるかと思っていた矢先に緊急放流一旦中止の報が入ります。
理由はダムへの流入量が想定より少なくまだ貯水量に余裕があるからとのことでした。だが神奈川への影響が強くなるのは18時ごろから21時と予想されていたので油断は出来ません。
しかし、予報に反して雨量も風もさほど強くはなりませんでした。
少し安堵した処で緊急放流が21時に行われるとの報が再度通知されました。
再び生じた不安の中で時間が過ぎてゆきます。
20時30分頃に緊急速報。既に放流を開始したとの事でした。
水が到達するのが1時間から1時間半程度と想定し水位計測のウオッチを継続しました。
10分おきに更新される情報。わずかながら上昇する水位に諦めの気持ちが涌いてきます。
1時間程たち水位が急に40cmほど上昇、いよいよかと思いつつ更に10分経過、20cmほど上昇し、遂に決壊危険水位を超えます。
遂に時間の問題かと思いかけたところ、僅かながら水位が下がり始め危険水位を僅かに下回った辺りでほぼ安定し始めます。
その後2時間ほどウオッチ続けたのですが不覚にも寝落ちして夜明けを迎えます。
3時ごろ浅い眠りから覚めて再度確認するとまだ水量は多いものの1mほど下がっていました。雨風も殆ど止んでいましたので自宅に戻ることにしました。
結果5時ごろ帰宅。
これが私が体験した初めての避難と城山ダム緊急放流の経緯です。(時間等に多少の誤差はあると思います)
以上の経験から批判に反論します。
・緊急放流はダムの決壊を防ぐ為に必要な行為であり、その際の水量は流入量と同一となるため自然増水と同等なのです。ダムに貯水することで増水の時間をずらし避難の時間を稼ぐことが出来るのです。貯水量を超えてダムが決壊すれば放流より危険な状況になることは愚かな民でも想像すれば判るのでは?
・ダムは平常時でも水量調整で放流しています。増水に備えて事前放流も行っています。私自身も11日時点での事前放流は確認しています。但しタイミングはもう少し早くても良かったかもしれません。このあたりは検証し今後に生かして貰えれば良いでしょう。
・17時緊急放流通知の時点で既に危険なのです。この時点で避難するべきです。中止はあくまで先送りであることは台風の位置からも簡単に想像できることでしょう。
避難所に同席した某大手新聞記者からも避難の時間稼ぎの為ギリギリまで緊急放流を回避しているとの話が聞けましたのでこの点は間違いないと思われます。
・放流を早めたのは若干水位が下がった事が確認できた為、放流量の調整幅を稼ぐ為だと思われます。ギリギリになると調整幅が狭まりコントロールがし難くなるのでは? 一気に放流すれば水位も急激に上がり決壊の危険が高まるのでは?
この点では河川各地点の水位を確認しながら絶妙に水量を調整し放流されたと思います。
水位をほぼリアルタイムでウオッチした一市民の感想ですが、批判するよりも
自らの家族を置いて職務に全力を尽くしたダムの職員皆さんに感謝の意を表します。そして「ありがとう!」と言いたい。
他力本願で思考停止し安易に他人を非難することはいい加減に止めては如何?
自分だってその場に居れば全力を出して最良を求めるでしょう。
以上が取り急ぎ若干怒りに任せて批判の多いダムの緊急放流についての反論でした。
長々とお付き合い頂きありがとうございました。
Posted at 2019/10/16 22:42:54 | |
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