ミラーアップ状態で、シャッターも押せないし、巻き上げもできない。TTL測光用の乱数表が見える、電池がなくなったときのモードになっている。
電池がないと何もできない機種なので、取りあえず、電池を入れてみるが、電池チェックのLEDが付かない!
こりゃ基板がダメかも、と思いながら分解開始。
付属レンズの状態はカビもなく落ちるくもりだけで、本体と比べて驚くほどよかったので十分元が取れているのだが。
***
この機種は巻き上げレバーを固定しているカニ目ねじが、レバーを覆う部品と接着剤で固定されていて非常にかたく、ネジをカニ目の爪で傷つけてしまうし、プラスチック部品が割れてしまったりする。
おそらく、溶剤を流し込んで接着剤を緩めておけばいいのだろうけれど、40年以上経った接着剤はカチカチである。緩みもしない感じだ。
結局無理矢理回したが、プラスチック部品は割れずに済んだがネジに傷が付いてしまった。前のOM-2Nではプラスチック部品が割れたので、そちらに部品を回すつもり(何しろ部品取り)。
開けてみると、内部は思ったより綺麗。
スイッチの接点の接触不良かと思い調べてみた。
テスターを当てると、電池を入れても電圧が来ていない。
そもそも電池の一つが液漏れしていた。電池を入れ替えてみたがやはりダメ。
電池ケースからスイッチまでの導通や電圧を調べてみたが、どうも電池ボックスの接触不良があるらしい。少し改善を図ってみた。
されにスイッチの接点を動かしているうちに、LEDが点滅。電圧が不十分ならしく、接点での電気抵抗が大きくなっている可能性がある。
接点復活剤代わりにパーツクリーナーをかけて動かしているうちになんとかLEDが綺麗に点灯するようになった。
こうなれば次はシャッターのチェックだ。
この機種はシャッタースピードをバルブ位置にしてリセットボタンを押すと、リセットされる。
押してみるとガシャッとミラーが降りてきた。
露出計は光に反応して動いている(正確かどうかは分からない)。
オートモードでは明るさに応じてシャッタースピードが変わるし、マニュアルではダイヤルに応じてシャッタースピードが変わる。
この動作はほぼ完調である。
ただ一点、底外装を取り付けるとシャッターが上がらなくなる。
これは底板が微妙に変形していて、シャッターのリンクに当たっていたためだった。
修正して正常動作。
ただ、よくわからない非常に弱いバネが一つ落ちて来たのだけれど、どこから出てきたものだか。困った。
WEB上にあった先達のこの写真を見て、バネの場所が分かった。早速取り付けておいた。本当に役に立っているか分からないほどの弱いバネ、だが、リンクを抑えていた。なくても正常動作する。
よくシャッターが押せなくなる不具合を起こす小さなダンパーゴムの潰れがあったが、動かしたら崩れてしまった。ゴムチューブか何かでつくってやる必要があるが、なくても正常動作している。そのうち付けてやる。
とりあえず軽く清掃して、見た目はやや悪いが、ほぼ完調のOM-2が仕上がった。
外装の錆などを落として塗装し、モルト交換してやればかなりいい状態。
あまり気にならないが定番プリズム腐蝕があるので何とかしたい。
先日入手した綺麗なOM-2Nはマニュアルモードにならない(オートになってしまう)状態だが、こちらはきちんと機能している。
あちらもおそらくスイッチ関連の問題なので、分解して修理しよう。
しかし、部品取りのつもりで手に入れたものを直していたのでは、いつまで経っても部品取りができない(苦笑)