
サイエンスライターの森山和道氏がブログ(とメールマガジン)で、約1000年前に宮城県沖で起こった貞観地震とその前後について簡単に書かれていたので、その内容をかいつまんで紹介しておきたい。
貞観三陸地震のあとに起きた仁和地震は再来するか
http://moriyama.com/archives/1451
氏は日経サイエンスなどに連載をもち、サイエンスライターにとって厳しい日本の環境の中で奮闘されている。
今回の地震は貞観地震の再来とも考えられているが、この地震については氏のブログをそのまま引用する。
平安時代、西暦869年に起こったと「日本三代実録」に書かれていた貞観三陸地震。M8.6以上と言われていたそれが、広範囲にわたる津波の痕跡から見てM9規模かもしれないと日本応用地質学会で発表されたとの報道があったのは、2007年10月11日。自分のウェブ日記にも読売新聞で「平安期地震の新痕跡、国内最大M9規模か」と題して報じられたURLのメモがあった。大阪市立大准教授の原口強氏らを中心とした東北大、東京大地震研究所などのチームによる2004年からの研究成果によるもので、岩手県宮古市から宮城県気仙沼市にかけて津波堆積物を調べたところ、岩手県三陸海岸の大槌湾で津波跡が見つかったというもの。
▼なお原口准教授らはこのあとに気仙沼・大島でも津波の痕跡を発見したことが2009年12月3日付けの河北新報でも報じられている。このときの痕跡は室町時代のものと考えられているそうだ。大島に伝わる津波の話は「みちびき地蔵」として「まんが日本昔ばなし」にもなっている。
この地震の前後、さまざまな地震や火山の噴火が起きている。ざっとまとめると次のようになる。
864 富士山噴火
869 貞観地震(宮城県沖 M8.6? M9?)
871 鳥海山噴火
874 開聞岳噴火
878 相模・武蔵で大地震
880 出雲で大地震
885 開聞岳噴火
886 房総で地震
887 仁和地震(南海・東南海の連動型)
この時期に大地震や噴火が相次いだことが分かる。
今回の地震の前に富士山の噴火は起きていないが、
今回の地震では富士山はじめ幾つもの火山で群発地震が起きている。
似たような経過をたどるならば、今後20年単位で噴火や地震が相次ぐことになる。
特に、
887年の仁和地震は南海・東南海地震の連動型地震とも言われている。よく知られているように東海・南海・東南海は周期的に地震が起きていることがよく知られている。長く地震の空白域になっていて、ストレスをためている状態と考えられている。いつ地震が起きてもおかしくはない。
災害への備えはしっかりとしておきたいが、日本中が地震や噴火の影響を受ければ、経済活動へのダメージも計り知れない。東北に続き、関東、東海がいずれも大災害に見舞われたとき、一体どうなるのだろうか。個人の備えだけでは限界がある。国内の支援といっても人口集中域が被災してしまうとどれだけ頼れるか分からない。海外からの支援に頼るしかない状態になってしまうのかも知れない。
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地震関連 | 日記
Posted at
2011/04/05 14:19:17