2012年01月05日
年末年始の挨拶、まとめ、抱負等も特に無く通常運行しております(笑)
さて、突発的に電気自動車(EV)はんたーい、と言ってみる。
大体の人の反対理由は多分
「音がしょぼーい」
「違和感つよーい」
「乗り味が…」
とかなんとかそんな所なんじゃないかなーと思うわけなんだけど、個人的には別にそんなもん慣れであってどっちゃでも良い。
さて、デメリットはあまり言われないがそれは後述するとして、とりあえずEVのメリットについて考えてみる。
よく言われるのが
「CO2を出さない」
「出力特性、アイドリング等の無駄がない」
「走行料(電気代)が安い」
とかこんなもんだろうか?
「CO2を出さない」
言うまでもなくもちろん大ウソである。
確かに「走行する段階」においてはCO2は発生しないと見做せるが、バッテリーを充電するための発電施設では絶えずCO2を垂れ流してるのは言うまでもない。
現状あるいわゆる「自然エネルギー」では日本の電力を賄う事は無理だし、だとするとCO2を出したくなければみんなの大嫌いな原発を推進せざる得ない。
というわけで、CO2嫌いの人は原発を推進していただきたい(笑)
100万円のモノを買う時に1000円ぐらい増えても気にならない、と同じ理屈で、火力発電所でバンバンCO2出してるところに、バッテリー充電分の電力を作るために発生したCO2が混ざって大した事ないさ、ってな感覚が現状。
ところが、実際問題これからEVが大量に普及したとき、その電力量は無視出来ない大きさになるハズだ。
つまり火力発電所が更にもくもくするわけで、原発を作りまくらない限りCO2が劇的に減る事はないのだ。
エネルギー効率の点から考えてみよう。
つまりガソリンエンジンなりディーゼルエンジンなりで直接動力として使う場合の効率と、発電所で発電して、送電して、充電して、モーターで動力にする場合の効率を比較すれば良い。
ガソリンエンジン車の効率がてきとーに見積もって、15%ぐらいとしよう。資料がよく見つからないので不明。エンジン単体の効率は恐らく25%もあれば素晴らしいエンジンかと。
次、EVの場合、発電所(40%)、送配電効率(70%)、充電(85%)、EV(70%)とする。
てきとーにネットで調べたり、現実的に製品として出た場合の装置として考えるとこのぐらい。
0.4*0.7*0.85*0.7=0.167=16.7%
である。
というわけで、単純な計算では劇的に優れているといえるほどでもないのだ。
EV自体の効率は十分に高くてもインフラ側(送電、充電器)の効率がよろしく無いので全体としてはさほどではないのだ。
「出力特性、アイドリング等無駄がない」
これは確か。
特に市街地走行でのストップアンドゴーを繰り返したところでエネルギーを回生出来るので内燃機関に対して圧倒的に有利。
しかし田舎に多い長距離移動においては利点は薄くなる。
「走行料が安い」
さくさくっと計算してみよう。
リーフが24kwのバッテリーで、充電効率が85%とするなら、電力量は約28kwh。
電気代が23円/kwhであるなら、約644円。
満充電644円である。実際電気代が23円/kwh超えるような気もするけど、放置。
で、航続距離が公称200kmらしいけれど、まぁ恐らく8割ぐらいの160km。
644円/160kmで大雑把に4円/km。
1kmあたり4円で走れるらしい。
ガソリン車。
まぁ現代的にはリーフサイズの車で15km/lぐらいは当たり前なのでそのぐらいで計算。
レギュラーガソリンを140円/lと仮定して
140円/15kmで9.3円ぐらい。
おお、確かに2倍ぐらいだ。
しかし待て。
ガソリンのうち53.8円が税金である。もしこいつを撤廃するか、もしくは同程度の割合でEVに加算したらどうなるだろう?
電気代に加算して計算するのは面倒なのでガソリン税を抜いてみる。
86.2円/15kmで、大体5.8円/kmになる。
まだ確かに多い。
しかしSKYACTIVEなデミオやらミライースに代表される第三勢力、そしてハイブリッド等の車であれば20km/lを超えて走るのは特別な事ではない。
もし20km/lで計算するなら4.3円/kmまで下がる。
となれば、大きな差をもってEVが安くなるというわけでもないのだ。
これでも少なめに見積もって計算しているわけで、リーフ同様8割で計算するなら30*0.8の24km/lあたりで計算すべきだし、その計算だとガソリン税込みでも5.8円、抜けば3.6円まで下がる。
もし大幅にEVが普及する事になれば、ガソリン税による税収が減る事は明白だ。だとするなら、その減った分を違うところから取ろうとするのも自明だろう。
税金が減ろうとも道路の整備はしないといけないわけだし、税収はある程度確保しないといけない。
ガソリン税を増やす事も考えられるが、充電インフラに課税をしかけてくると考えた方が自然。
とりあえず、現状の電気代で言えば安くなるのは大体正しい。
深夜電力料金?
利用したいなら原発推進してください(笑)
デメリットについて。
走行する事へのデメリットっていうのは確かにガソリン車等に比べると明らかに少ない。
だがしかし、走行外のデメリットっていうのはどうだろう。
例えば充電。
言うまでもなく、時間がかかり面倒。
その他細かい問題はあるだろうが、実は大きな問題は他にある。
それが、「暖房」
ガソリン車の場合は暖房はエンジン排熱を使ってやっているので、暖房をガンガンかけたところで水温下がってサーモが閉じてラジエターが使われないぐらいで特にデメリットは無い。
が、EVの場合はエネルギー源であるバッテリーをバンバン使ってヒーターで暖房をかける。
つまり、寒い日に寒いからとヒーターをガンガン付けるとバッテリーもガンガン減るのだ。
ここで電気ストーブを思い出してほしい。あんなもんじゃ寒くて冬過ごすのは辛いだろう(笑)
でもあんなストーブでも1kwほどの消費電力がある。車内を暖めるにはせめてその倍はいるだろうし、ガソリン車バリに温めるにはもっともっと必要だろう。仮に2kwのヒーターだとしてそれはリーフの24kwhのバッテリーを12時間で使い果たす能力がある。
例えば平均時速30km/hで120km走ると4時間。4時間の間ヒーターをMAXにしていればそれだけで8kwh、つまりバッテリー(24kwh)の1/3を消費してしまうのだ。
つまり普段なら仮に満充電で180km走れたとしても、冬だと120kmしか走れないのだ。しかも寒い。
長距離移動が多い&寒い北海道には完全に不向きである(笑)
そのほかにも車が走る上では電力を消費する場所がいくつもある。
例えばライト類。
ヘッドライト、テールランプetcを総合すれば、恐らく0.1kw程度。ハロゲンライトなんかだともっと多いが、さすがに使わないだろう。
大した量ではないが、夜間は確実にバッテリーを消耗させることになる。
というわけで、現実的に考えるとEVは局所的には良いが、メインの移動車両として使うのはとても現実的ではない。
温かい地方、充電インフラが潤沢、短距離移動が多い、本当の都市部のような場所でしか実用性は低い。
充電インフラの代わりに、個人で所有せずに共有車両ステーションのようなところで車両を自由に使えるようなシステム
(借りる場所も戻す場所も自由、置いてある間に充電。
つまり家の近所のステーションから借りて乗って、会社の近くのステーションに置いて出勤。
長時間使用などで電池がきれそうになったらステーションに行き充電済み車両に乗り換え等々な使い方が可能なシステム)
にしないとまともに実用可能とは思えない。
要するに、田舎に住む俺には何のメリットもない。
というわけで、EVはんたーい(笑)
年明け早々、とても長文で駄文失礼いたしました(笑)
Posted at 2012/01/05 16:20:32 | |
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