これも先月末の話。偶然にも部品待ちのために休日ができたことから、会社の同僚から鍵を取り上げて一人でドライブに行くことにしました。車はトヨタ、ランドクルーザー・プラド です。元はランクルから派生して三菱のパジェロに対抗して開発されたという、日本が世界に誇る名車のひとつ。
重量感のある車体に、内装もしっかりとしておりなかなか良い感じです。仕様は当然”マイン仕様”ですが、スペアタイヤ等は1本の軽装版。
走り出して、まずは安全確認のテストをしてみます。40km くらいから、タイヤがロックする程度の強めのブレーキをかけてみます。これで、車の制動性能や、当日の路面コンディション、車の特性が見えてくるのです。そして、しっかりとマージンを取って走ることができるようになるのです。ちょっと変わった車に乗るときは、いつもやってみます。
最初に感じたのは、車体の圧倒的な剛性感。そしてサスペンションが良いせいか、あまりショックの沈み込みが気になりません。学生時代に乗ったパジェロのリアが板バネだったものと比べると、ほとんど乗用車に近い乗り味です。ブレーキ自体の制動力は余っており、逆にオフロードタイヤの低いグリップがアスファルトの上では重い車体に負けている感じです。
車体やハンドリングの高印象とは反対に、エンジンのパワーやレスポンスが極端に悪い気がしました。後で判明したのは、この ディーゼル 3.0リットルの仕様は旧世代のエンジンを搭載した、日本では売られていない廉価版だったようです。
まずは、1時間程走った隣町まで走ります。そして、さらに40分程走った国立公園まで。ここから、延々と続くオフロード走行になります。ここを走ることが目的でした。この地方では 日本とは違い、起伏の少ないオフロードが延々と100km、200km と続いていることが珍しくありません。そして、これらが立派な幹線道路のひとつなのです。
砂利道のわだちに車を揺さぶられながら、最初は直線を 80km で走ることさえ怖いと感じるのです。緩やかなコーナーでは地面の起伏により車が突き上げられ、カウンターを当てて修正操作をすることはごく普通となります。コーナーの手前では、70km などの看板が出ていたりして減速を促します。つまり、100kmくらいで走っていることが前提なのです。その70kmで指定されたコーナーを、70kmで抜けることさえ最初は怖いのです。
だんだん慣れてきます。2トンに迫る重量級の車体、これが横滑りをすると、ともかく止まらない。舗装路を滑るのとは違う、慣性にまかせた荒々しいドライビングが楽しい。とにかく不安定。なぜならば4輪駆動車なのに敢えて2駆の選択のまま走っている(笑)。
人里から100km以上離れた場所。他の車もめったに通りません。従って、万が一のクラッシュは即遭難につながります。また、燃料切れも致命的です。燃料計は絶えずチェックしています。燃料計の針はは真ん中あたりを示しています。最低まだ200kmは走れるでしょう。
と、突然今まで中ほどを指していた燃料計の針が Fullまで跳ね上がりました。何が起きたのか全く判らず狼狽します。そういえば、先ほどから走っても走ってもゲージの針がなかなか下がらなかった気がします。よりによって、燃料計が壊れていた!そして、燃料がどれくらい残っているのか判らない!
危険を感じ、即座にUターンします。万が一、止まってしまったときに夜間の寒さをしのぐことができるのでしょうか。手持ちのペットボトルで何とか生き延びることができるのでしょうか。ともかく、ガス欠になる前に人が多く通る道まで戻らねば!
そんな心配をよそに、車は何の異常も示めさずに 悠々と150km を走ってホームタウンに帰還します。結局、このオーストラリア仕様のプラドは燃料のサブタンクを持っていて、メインの燃料タンクで走り始めて燃料計の半分まで下がったところで、サブタンクに切り替わり、そこで一旦針が FULLに戻るという仕掛けだったようです。(緑色で SOLとかいう表示が出ていました)
状況が未だにわからないまま給油をする私。給油量のデジタル表示の数値はガンガン上昇してゆきます。100リットルを超え、さらに20リットルくらい入ったところで、ようやく満タンです。どうやら、150リットルくらいは入る容量をもっているようです1給油で1000km以上は走れる換算です。さすが大陸仕様だと思いました。
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2012/07/21 12:18:03