2012年07月26日
昔のディーラーの新車販売なんてものはやりたい放題でした。というか、そうだったようです。
結局当時の状況の中では力のあるセールスががんばっていっぱい売っている、なんてもてはやし方をしていたわけなんですが、今になって思えば「売れる状況と時代と場のタイミングが本人の努力云々以前に出揃っていた」という事が結局は大きかったのかなあ、と思います。
例えば酷い話には枚挙に暇が無いわけですが、当時は下取車に関しては非常におおらかな、というよりは社内としては無規制であった為、営業所の裏の駐車場には中古車が溢れていた、なんて話はよくあることだったようです。
つまり、今のようにマイカーセンターへの入庫率などという観念すらなかったので、基本「これは右から左に売れそうだ」と新車セールスが思えば、その車は裏の駐車場がいっぱいになるほど置かれることとなるワケです。売れていたセールスであればあるほど下取車の販売にも忙しく飛び回るのが当たり前であった時代だったんですね。
もっとも、そういうセールスであればあるほど「自分で勝手に販売条件が設定できる」事にもなりますから、そういう意味ではお客さんにもメリットは有ったとも言えます。
つまり中古車を売った利益は個人の懐に入るばかりではなく新車値引きの原資にもなっていた筈だよねえ、という事です。馬鹿を見るのは併設された中古車センターの人間ばかりという状況で。
もっとも長年の慣例として中古車部門にはあまりうるさい規制が永くかけられていませんでしたから、それはそれで甘い汁を吸い続けてこられた方も少なくは無いわけですが。
まあそんな話はともかく、昔は新車を売ることが正義と見做されていた時代でしたから、新車を何とかして売る方法として、ちょっと台数が足りないからと言って自社名義で新車登録をし、メーカーからのバックマージンで損を補填しつつ所謂新古車が大量に発生していた、何てことも珍しくなかったわけです。
もっとも、冷静に考えればびっくりしてしまうほどの、感覚が麻痺しているとしか言い様の無い馬鹿げた値引き合戦が横行するようになると途端に新車販売による利益は減少し始めます。
こうなるとメーカーからのバックマージンを原資として値引き販売をするなどという芸当は成立しなくなりますから、どうするか?と聞かれれば、一気に利益確保の方向に舵を切るのもわからんでもないんですが。
そんなワケで、手始めにディーラーが手をつけたのが中古車の自社入庫率の確保です。もっともその音頭取りをした連中が当時個人での中古車販売にどっぷりと手を染めた方々が中心でしたから、現場の課長・係長辺りなどは「昔自分たちが真っ先にやっていた事を今になってやめろと言うのか?」とさんざん愚痴っていました。
まあ、結局そういう人たちは今も昔もやることは変わらず「会社を食い物にし続けた」というわけです。ちなみに何度かそういう方々の自宅に遭遇したことがありますが、みんな一様に随分立派な自宅を構えていらっしゃいましたねえ。随分と儲けたんだろうなあ。
そうした時期に次第に頭角を表してきたのがガリバーなどに代表される中古車買取店です。
それに対して地場のモータース店の店主はディーラーの中古車の店長や新車セールスなどと個人的な関係を持とうとし、その人間関係で中古車の仕入れを確保しようとしていたりしていたわけです。
長い経歴の中古車セールスなどはこうした方面へのコネクションも同時に確保していることが珍しく無かったですから、それこそそんなに傍目には忙しそうに見えないセールスが年間表彰を受けていたのも実はそうしたモータースへの大量販売がその内訳だったり。まあ、後から聞いた話ですが。
ただ、こうも売れない状況ともなってくると、今度は中古車の販売先にも目を向けられざるを得なくなってきたわけです。つまり業者に売って、その業者はその業者のお客さんに売るなり、店頭で展示車として展示され、それに引かれたお客さんがふらりと買っていくわけですから、その流れを止めれば「業者が得ていた分の利益までウチのものに」というソロバンを弾いた訳ですね。
かくしてディーラーはモータースへの「業販」を全面的にしなくなります。これは全国的な傾向で、私などはある程度地域問わずで仕入れに出かけていくわけですが、近頃はさっぱりディーラーから仕入れることがありません。以前は業販をしたお店(カーロッツとか)も業販をしなくなってきています。
もっともディーラーとはいえ、随分と台頭してきた買取店にかなりの数の下取車を持っていかれているのも事実ですので、私がトヨペットを辞めた頃にはかなり大掛かりに中古車オークションで買い入れをしたり売却をしたりしています。つまりいくらディーラーで売っている中古車だからといって「自社取りのワンオーナー物である筈」という思い込みは幻影に過ぎません。
結局今までの営業スタイルを崩さないのは素晴らしいことなんですが、同時に違う方面での利益確保スタイルを探るという事もしていないのでジリ貧である事は事実なんですよね。
てことで自分の営業力の低下をシステム面で補う事も重要だとは思うんですが、もう少し反感を買わないやり方ってもんも考えた方が良いと思うんですけどね。まあ余計話ではあるんですが。
Posted at 2012/07/26 19:28:24 | |
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2012年07月23日
えー、ご無沙汰しております。
あれから色々すったもんだはあったにせよ、何とか先週の水曜日に退院してきました。ただ退院はしたものの、その当日メールで「エアコンが....」と言われたり、翌日そのエアコン修理のお客さんのところに行こうと思っていたら「事故した」と別の方から電話があったり。
もちろん、今年になって半分くらいは入院している身の上ですからお電話をいただけるだけありがたいというものです。行きましたよ事故処理にも。
ただ、ここ1ヶ月ばかりはただ寝ていただけなので体力の蓄積がありません。結局体重も前回以上に減り、現在73キロ程度なんで継続労働が利かないんですね。体力的に。
で、その体重の減った理由なんですが。
やっぱりというか正直やる前はたかを括っていたんですけど、心臓手術ってのは苦しかったです。もちろん手術が終わった後の話ではありますが。
もちろん個人差はあるという話ではありましたが、今回は「心臓を止めていた=人工心肺を作動させていた時間」が少々長かったようで、ごく一般的な日常感覚に戻った(とはいえ、もちろんあくまでも病棟内の中限定での話)と思えるまでに10日間ほどかかりました。
最初の4日ほどはICUのベッド(非常に高価な7~800万はする代物だったらしい)でジッとしているだけでほとんど身動きも取れないままでした。
その後病棟に戻り個室に入れてもらったのですが、今度は不整脈が治まらず体力だけが削られる、という状況で、またもやぐったり状態が続きました。しかも個室というところは当たり前ながらナースステーションのすぐ前という事もあり、自分の分も含めてアラーム音やら警告音やらが室内にも容赦なく聞こえてくる場所でもあるんですね。この為ほとんど眠れぬ夜を毎日過ごすはめとなり、良かったのか悪かったのかよくわからない感じでした。
今回受けた手術は諸々の理由もあり、半永久的に耐久性のある手術方式ではなく、いずれは再手術を受けなくてはならない手術方式です。
ただ、今回これだけ苦しい思いをし、さらに肋骨を縦に切っているので、その骨の再生期間を考えれば9月いっぱいくらいまではおとなしくしていなければならない事を思うと、何年後かは分かりませんが少なくとも1度くらいはこれをもう一度経験しなくてはならないのか、という事を思うと憂鬱だなあ、と。
何はともあれ、今はただ傷の回復を待たなければ致し方ないので、そうしているしかないんですけどね。
Posted at 2012/07/23 10:16:52 | |
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