ホンダ N-BOX

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2023年式N-BOX感想文 - N-BOX

レンタカー

2023年式N-BOX感想文

おすすめ度: 3

満足している点
1.NAでも何とか高速道路を走れる動力性能
2.アクセルオフ時のドライバビリティ
3.普通車級の居住性と抜群の機動性
4.「ちょっと上質」というブランディング
5.センタータンクレイアウトの優位性崩れず
不満な点
1.ブレーキのコントロール性
2.量販車種の割にバリエーションが少ない
3.タコと燃費計が共存できない液晶メーター
4.不満が残る運転姿勢、先代より悪化した後席着座姿勢
5.値上げの割に未だ非防眩+固定アンカー
総評
●もはや国産乗用車の一つのベンチマーク
「F1のホンダ」「クリエイティブムーバーのホンダ」・・・色んなホンダのイメージがあるが、ここ10年は「N-BOX頼みのホンダ」という印象が私にはある。

初代N-BOXは2011年、軽自動車事業立て直しの中心的車種として世に出た。スライドドアを持ったスーパーハイトワゴンというパッケージはタントやパレットの市場に真っ向から殴り込みをかけた形だが、独自のセンタータンクレイアウトや衝突時のEAストロークを効果的に産みだしたE/Gレイアウトを組み合わせて革命的な使い勝手を実現し、それを上手に宣伝したことがヒットに繋がった。

福祉仕様車のボディ構造をユーティリティに振ったN-BOX+はフィット相当の後席スペースとゆとりあるラゲージを持っていた。妹夫妻からN-BOXを検討していると相談されたので+のターボを強力にお勧めして購入に至った。(買わせた)

そして2017年、ホンダのジンクス「保守的な2世代目でコケる」を避けるために僅か6年でP/Fを一新した2代目N-BOXはNAモデルへのVTECエンジン搭載やレーザー溶接、助手席ロングスライド、後席スライド機構(先代途中で追加)など、キープコンセプトながら攻めた開発を行うことでホンダのジンクスを見事に乗り切った記念すべきモデルとなった。コロナ禍など、時代の波もあったものの販売トップの座を守り続けた。

例えば、いま最も新しい統計結果である2023年1月-12月累計を調べると、N-BOXは23万1385台売れていた。軽自動車全体の販売台数は174万4919台、登録車も含めると477万9086台であるから、軽自動車の13.2%・全国産車の4.8%がN-BOXと言うことだ。ちなみに2位のタント(15万9392台)、3位のスペーシア(12万2275台)、7位のルークス(7万536台)を含めると、スーパーハイト軽は58.3万台もの市場規模があり、日本で売られている乗用車の12.2%を占めている。

そんなスライドドア付き車両の中で最も選ばれているN-BOXは2代目のデビューから6年の歳月が経ち、競争力が衰えていないにもかかわらず、3代目がデビューした。



3代連続P/F維新は無理だったのだろう。今回はP/F流用のキープコンセプトである。モデル末期でも強力な販売競争の中で選ばれ続けてきたのだからキープコンセプトでも充分な勝算があるということだ。

HAPPY Rhythm BOXとテーマに、初代で子育てママ、2代目でその家族に焦点を当ててきたので新型では幸せの輪を拡げてみんなに愛される総合力の高いクルマにすることを目指したという。

デザインは誰が見てもシンプルかつN-BOXだと分かるもので、水平でベルトラインと繋がったフード、少し高めのベルトラインと切れ上がったQTRウィンドウは維持されている。新型は瞳の様なLEDヘッドランプ、面発光リアコンビランプなど新しい要素も加わった。コックピットは最近のホンダらしいノイズレスなスッキリデザイン。新型は一転して薄く、低くという傾向に変えてきた。

全体的なインパクトはビッグマイナーチェンジ的なレベルであり、例えば駆け込みで先代末期モデルを買った人が「やられた!」と地団駄を踏むレベルでは無い。

走らせた印象は目新しい機能の採用は無いが、先代と同じVTEC搭載のNA仕様でも何とか高速道路を走れるし、Hondaセンシングに任せておけば100km/h巡行もこなせるレベルだ。

下記の写真は2023年春に偶然出張先からの戻りの高速道路で遭遇したテスト車だ。見た瞬間「コレは次期N-BOX」と直ぐ分かった。



バリエーションは売れ筋に絞る形で標準仕様とカスタムそれぞれにそのドレスアップ版というシンプルな構成で先代にあった電動スライドドアなしのエントリーグレードや助手席ロングスライド仕様や標準系ターボの設定がカタログ落ちした。

ベストセラーの余裕を感じさせるワイドバリエーションは売れ筋に絞った仕様見直しがなされ、ドレスアップ版は実質的にはかなり投資を抑えて原価を見ながら販価を取りに行った格好だ。

今のホンダはN-BOXだけが強烈に売れていて、それ以外にヒットが見られないのがツライ。N-BOXに頼り切ったモデルミックスは収益悪化を引き起こしているのではないか。私が試乗した限りはFITもシビックもステップWGNも力作だ。しかし、販売に結びついていないのは仕様設定の詰めの甘さや継続的な需要喚起策(特別仕様車など)が置き去りになっている事も一つの理由では無いだろうか。供給難も落ち着きつつある昨今、N-BOXの絶大な支持を上位モデルの拡販に結びつけられないと苦しい。

こんな状況の中で企画された新型N-BOXはホンダ国内販売のリーダー的存在でありながら、先代P/Fを流用することで投資を削減し、不採算仕様を整理し、売れ筋の仕様に絞ることで収益性が改善された。

先代N-BOXは新P/FやVTEC搭載など敢えて攻めることで2代目のジレンマを断ち切ったが、3代目となる新型は心配になるほど地味で保守的・収益性改善を狙ったFMCだ。

まぁ、フツーの(売れ筋で満足できる)お客さん目線だと、N-BOXの良さはそのままに熟成されたメリットが享受できるはずだ。

実際に税込み価格はエントリーグレード比較で2代目デビュー直後と較べて33.4万円も上がっている。新型の最廉価は助手席パワースライドドアが装備された過去の最量販グレード相当であることを考慮しても先代の22万円アップである。モデルチェンジ時期が近いスズキスペーシア(133.4万円→153.1万円)が19.7万円アップだから、較べればホンダの値上げ幅はたかが3万円程度でもその差は大きい。

仮にエントリーモデルを買う人が5%だったとしても、年間23万台売れている車の規模では1.15万台×33.4万円販価アップだから38億4100万円も儲かるのだ。(価格アップについて来られない顧客の減少分は未考慮)



ホンダにとって新型N-BOXは守りと言うより耐えるFMCである様に感じる。競合するダイハツは自滅したとしても、スズキは軽自動車らしい価格帯と豊富なアクセサリーでN-BOXを追撃している。かねてからクラスレスな軽を目指すN-BOXだが、仕様の先進性・高級感よりも意地悪く言えばお金を使わず工夫した事が果たして消費者に響くだろうか。冷たく突き放すと、国内販売の収益性の苦しさを対策するための収益アップのための口実としてFMCされたに過ぎないのでは無いかとも思えてくる。室内灯が豆電球に戻ったり、ワイパーの間欠調整の設定縮小など、しれっと目立たない部分で仕様は落とされている。

細部をチェックしていくと軽自動車で充分以上の満足感が得られる少し高くても満足できるN-BOXという感じではなくなってしまった感がある。N-BOXが過去12年間で蓄積した信頼の実績(=貯金)を切り崩した感があるとさえ私には感じられた。

乗ってみても、一般家庭のセカンドカーのささやかな贅沢をNAが支え、普通車から乗り換えても耐えうるファーストカー需要をカスタムターボが担うのであれば必要充分な車だと思った。一方で独身の方が何も考えずにN-BOXと言うのはちょっと過剰というか合わないかなと思う。

ホンダはこのN-BOXで収益性を改善して国内市場で稼ぎたいのだと思うが、このままN-BOXを値上げして300万円で買って貰える日は恐らく来ない。収益を考えるなら日本市場でも普通車も選んで貰える様なテコ入れを図らないことにはホンダは大人気のN-BOXで自分の首を絞めることになるだろう。(W-RVなど一部でN-BOX一極集中に抗おうとする動きもある)

総合的なお薦め度を3★としたのは、P/F維新を含めて攻めた技術革新が織り込まれていた先代モデルと比べると、操縦安定性や細かい制御ロジックの見直しなど改良点はあるものの、トータルでは少々後ろ向き・縮小傾向、収益性改善のためのFMCであることと、その割に先代から指摘している部分の改善が未だに見られない点もあるため。

デザイン
4
●エクステリア
N BOXのデザインのキモは高めのベルトラインが立派で守られている感覚だ。個人的にはベルトラインが低い開放感のあるキャビンが明るくて健康的に見えるが、軽自動車の様にコンパクトで心理的に不安になるクルマの場合はある程度の守られ感が欲しいという心理を突いている。



タイヤを四隅に配置しているのはあらゆる軽自動車と同じだが、タダの箱ではなく特に前輪が前に出てホイールを起点にした曲面がハッキリと分かるのがN-BOXの特徴だ。

正面から見たときにもこのホイール起点の曲面が繋がっていてホンダのMM思想を感じさせる。瞳をイメージしたLEDヘッドライトや家電をイメージした丸穴モチーフはデザインとか加飾というよりも、シンプルで身近なセンスの良い日用品的立ち位置を狙っている様だ。穴径が小さいので冷却には殆ど寄与しないだろう。

サイドに回ると、自信と安心感につながる高めのベルトラインはフードと繋がって水平基調。視覚的バランスを取るためのプレスラインもフード見切りと一致させて構成要素を減らしてスッキリさせている。ドアハンドル付近もプレスラインを極力切らない様にしているのも3代目特有だ。



面発光のリアコンビランプは先代より相当スッキリしている。初代は球切れ→高額ASSY交換で有名になり、2代目は車幅灯の工夫で全幅を使い切った発光によって夜間に見ると軽自動車には見えないほど立派な印象だったが、3代目はそれと較べれば大きさを競わず大人しい見栄えになった。

斜め後ろから見たときに角の稜線がスッキリ見えてRrに微妙な丸みをつけることで豊かなボリューム感が感じられる。光り方は新しいが形状的にシンプルなのはこの稜線を活かすためだろう。



また、先代のワイドで押し出しの強いライセンスガーニッシュはボディ同色で小さくなった。新型のエクステリアデザインはFITやシビックと同系統のスッキリデザインだ。個人的には見る人を驚かせる様な顔つきばかり見ることに食傷気味でホンダのデザインを最近肯定的に見ている。

特にカスタムは初代以来の威圧的なギラ顔(迷惑系情報サイト的表現)ではなく、特別感・上質感を感じさせながらメッキやパーツの迫力に頼らないシックな印象になった事は非常に好ましいと感じている。




標準顔にターボが無くなってしまったとは言え、これならカスタムでも良いなと思わせるテイストチェンジだった。(上品すぎて不評だと一気に揺り戻しが起こることを恐れているが)

●インテリア
インテリアは家族や友人が自然に集う「囲炉裏」の様な一体感を作り出すためにインテリアの角を丸め、ごちゃごちゃとした要素を減らし、乗る人を優しく包み込む様なイメージの内装デザインとなっている。



助手席前のインパネ壁面とドアトリムが繋がっていたり、ディスプレイ以外の張り出しが極力抑えられることで要素を減らすなどの工夫によって実寸法以上の広さを手に入れている。



運転席回りではメーターがバイザーレスの全面液晶になりステアリングの向こう側に表示部がある。デジパネなので表示のステアリング掛かりが無くなり実用上困ることは無い点も素晴らしい。
目のピントを合わせる機能が衰えつつある中高年にとっては、実際のピント合わせのデメリットと
今まで乗ってきた車と同じ位置を見れば良い安心感のメリットが半々で相殺するだろう。さらに、タブレット端末などの普及で価格が安くなったフル液晶は、金型を作って指針を作り、目盛りを印刷し、それらを組立てなければならない様なアナログメーターと比べると圧倒的に安い。



助手席側一等地のトレイはモノを置きやすく、コルク調の質感を再現した温かみのあるデザインだ。ここは見せる収納とし、グローブボックスは助手席ロングスライド仕様を廃止したことで要件緩和が出来て容量アップを果たした。面白いのはグローブボックスの蓋を一部切り欠くことでケーブル類が通せる様にしてあり、隠す収納にも配慮が行き届いている。

嫌らしい目線で見れば、引き出し式のカップホルダーが無くなったり、日差し対策のティンテッドガラス(ウインドシールドガラス上部の青い色つき部)が廃止されるなど、コストダウンを徹底しているが、それが寂しさに繋がらず、ミニマルな感じに繋げているのはデザインやブランディングの培ってきた価値だろう。



目に付くトレイは車幅を少し余らせて優しい角Rがつけられて、トレイ直下の黒樹脂部分にエアコンの吹出し口を配置して目立たない様に配慮されている。ノブを触ってフィンを動かしてみると、左右方向は良好だが、上下方向に操作すると、感覚的に心許ない印象なのがちょっと気になった。上下に操作するモードではノブの角が少し痛く、もう少し丸みが付くと嬉しいのだが、なるべくノブも目立たせたくなかったのだろうなとは思う。たかがノブだが、毎日触るかも知れない部品なので
こういうところで安物感が露呈することは慎みたい。(使用頻度の低いRr吹出し口でこういう剛性感の事例はあった)

N-BOXのデザインはちゃんとユーザーが期待するMUSTを守りつつ、時代進化分の要素は入っている。歴代モデルへのリスペクトも感じられ評価したい。

インテリアは可動ポケットや加飾塗装廃止などコストダウンしたが、工夫でチープに見せておらずセンスで克服している点が良い。

またカスタムモデルも、ギラつかず威圧感の無い事も個人的に好感を持てる。
走行性能
3
●市街地
試乗車のドラポジを合わせてスタートボタンを押した。軽快なクランキングの後、NA仕様の3気筒E/Gが起動した。街ゆく軽自動車はNAが多いが、N-BOXも例外でなく今回試乗した標準グレードはターボが選べなくなった。カタログを貰いに行った際のホンダディーラーの営業マン曰く、「ホンダのNAはパワフルなのでお客様から不満が出たことは無く、他社が標準系にターボを追加したり、PWRスイッチ(スロットル特性が変わる)を設ける必要もない」とのこと。



確かにE/Gは先代キャリーオーバーだが、他社と違いバルブリフト量も変更できるVTECが備わり、吸排気バルブを鏡面化することでノッキング防止を狙うなど他社とは一線を画すハイメカニズムが既に盛り込まれている。

43kW(58ps)/7300rpm 65Nm/4800rpmというスペック競合車を見渡しても最強スペックであるが、初代デビュー時からこのスペックは変わっておらず、進化は基本的に燃費性能に割り振られている。



一般的な乗用車よりピラーが1本多いが、ピラーが細いので死角は小さく、運転は楽だ。ベルトラインが高い事がエクステリアデザイン上の特徴ながら、見晴らしは良い。後の高速道路走行でも「開放感ありすぎてスースーする」感じが無かった。一切弱点が無いわけでは無く、斜め後ろの視界は太いピラーと切れ上がったQTRウィンドウのせいで良くないが、ドアミラーで補うことは出来る。



走り出して幹線道路に出る前の生活道路をゆっくりと走るだけで分かる進化はマンホールやパッチワーク舗装を超えたときのソフトな感触である。乗り心地がよく、揺れた後も収束が早い。また、一時停止が連続する場所でもアイドルストップし、そこからの復帰がスムースでショックを感じにくい。

数多くのアイドルストップ装置を経験してきたが、どれもセルモーターの音がけたたましく、起動時のショックがあり、走り始めではガクンと動力が急に繋がる様なショックがあるのが一般的だった。ところがN-BOXは上手にそれをいなしている。

交換用バッテリーが高価だという致命的な欠点はさておき、石油資源浪費を防ぐという真っ向から反対しにくい効能の前に口を閉ざすしかかなかったアイドルストップの振る舞いにメスが入ったことは喜ばしい。

片側一車線の比較的舗装の新しい道路で40km/hでのんびり走ると1500rpmになるが、途端にこもり音が聞こえた。

4ストローク直列3気筒E/Gの場合、1気筒のクランク2回転に1回燃焼が起こる。これが3気筒分あるのでクランクシャフト2回転当り3回の燃焼が起こる。いま、1分間にクランクシャフトは1500回転しているので、1秒間に37.5回(=2秒で75回)も燃焼している。

きっとボディシェルの大きな部位(ルーフ、テールゲートなど)の共振周波数が37.5Hzに近いはずだ。これが駆動系こもり音の一つであるロックアップこもり音という現象である。(他に各気筒のトルク変動も原因の一つだ)



色々書いたのだが、N-BOXは軽自動車としてはうまく共振コントロールされていて頭を抑えたくなる程のこもり音にはならない。実家のN-WGNと比べても、より面積の広いボディパネルを持っている割にN-WGNよりレベルアップしているのは共振分散がうまく行っている。

交通量の多い幹線道路に出るが、アクセルを踏み込むとそれなりにE/Gノイズは聞こえる。660ccしかないので交通の流れに乗るにはそれなりにアクセルは踏み込んでやらねばならない。

一般的な市街地の加速シーンでは3000rpm付近で回転を維持したまま加速度が伸びる。絶対的なダッシュ力はアクセルを気持ち強めに踏むことで充分得られる。E/Gを始動すると自然とECONモードで走ることになるが、市街地を走っている限りその動力性能は足りていた。

私は新型N-BOXの更なる進化を更に確かめるべく名古屋市の基幹バスレーンへ向かった。名古屋市の基幹バスレーン(特定時間以外は一般車の走行が可能)は独特の走り方が求められる。



市電の停留所の様にバス停が道路中央にある。レーンは道路中央を走り、交差点付近では右折レーンよりも右を通り、定期的にクランク形状にコーナリングする必要がある。車速もそれなりに出ているので、バスレーンを綺麗にトレースするためには素早いステアリングの操作が必要で操舵量も多くなる。ここが新型N-BOXの進化が最も享受できる場面だ。

切り始めてからロールし、舵が効いて向きが変わり、すかさず反対方向にステアリングを切るという動作が連続的に行える。急にグラッと傾いたり向きを変えにくいなんて事が無い。先代に試乗した際は交差点を曲がった際の挙動が気になったと書き残したが、新型ではむしろ自然に走れることに感心した。ステアリングはスローだし、ロール量自体は大きく、速度を出してコーナーを早く駆け抜ける様な車ではない。しかし、普通の場面の普通の運転で普通の挙動を見せてくれるのは、もはや普通じゃなく、非凡な才能である。

バスの運行の邪魔にならない限り、所見殺しと揶揄される難易度の高いコースを軽やかに走りきった。



また、アイドルストップから再始動時の制御が良くなったことには既に触れたが、車庫入れの際などPレンジに入れただけでE/Gがかかってしまう現象は、Rレンジに入った際の機動性を重視したセッティングだったそうだ。新型では反応時間の適正化によって機能を両立させたことはオーナーにとっては小さくないメリットだと思われる。(親のN-WGNに乗る度にイライラした部分だ)

<乗り心地項へ続く>
乗り心地
3
<走行性能続き>

●高速道路
高速道路のETCゲートを通過し、勢いよく加速して合流する。全開加速を試みたが4000rpm以上はさすがにE/Gノイズが目立ち始める。レットゾーンは7500rpmと私の4A-GEに近い許容回転域だが、5500rpm付近で一旦回転上昇が止まり、そこから7000rpm付近まで速度と一緒に回転が上がる。CVTの制御を改良して変速比を高くし過ぎて加速度が落ちてしまう「引き込み現象」が起こらない様にしたという。さすがにこういう場面ではE/Gがけたたましく唸る。音質的にも決して気持ちよくないので単なる騒音である。

本線で走行車線を100km/hで走らせると3000rpm付近で走行することになる。かつて乗っていたヴィヴィオ時代は100km/hで4000rpmで走っていた。遙かに巨大なスーパーハイト軽が当時の普通車の様な回転数で苦も無く走っているのは技術の勝利である。

100km/hであれば、上り坂もアクセルを踏み足すことで充分駆動力が確保されて頼もしいが、明らかに前方投影面積が大きく空気抵抗が大きいシルエットなので油断すると直ぐに車速が落ちてしまう。80km/h位までならリラックスして走れるが、市街地の流れの速い大きなバイパスではこれくらい出ることもある。やはり市街地メインの人のための自然吸気だなと感じた。



ただ、アクセルを操作を意識すれば100km/hで連続走行する実力は持っている。騒がしかったE/Gも定常走行に入ってしまえば耳も慣れてくる。

以前のフレアワゴン試乗時もレーダークルコンを活用すると速度管理が楽であることはN-BOXも同じだ。

ただ、あちらはクルコンをSETした瞬間にE/G回転が跳ね上がりいつでも急加速できる様に備えていたが、N-BOXは特にそんなことはないのでE/G回転数が1000rpm位違う。これはN-BOXのE/Gのパワフルさだけでなくレーダークルコンの制御を見直して早めに遅い前方車の離脱(車線変更)を検知してゆっくり加速させるため、E/G回転を必要以上に高めておく必要が無いのだろう。従来は前方が空いたらセット速度まで全開加速するため、不慣れなドライバーには「怖さ」に繋がっていた。N-BOXの制御は一枚上手だ。



JCTのコーナリングは車速を敢えて高めに維持してクリアしたが、ロールさせつつ、ステアリング操作よりも車が曲がりたがらないアンダー傾向であり安心感がある。この手の軽自動車では転覆が怖いので特に安定志向に躾ることは理にかなっている。(市街地では気持ちよくライントレースできるので問題ない)

橋の継ぎ目や路面の凹凸も市街地で感じた良い印象を引き継いでまろやかな印象だが、横風だけは投影面積の大きさゆえに進路を乱されがちだった。

せっかくなのでこの道路で許される最高速度までチャレンジした。100km/hから120km/hまでの加速タイムは約9.5秒である。(80km/h→100km加速が約6.5秒なので明らかに勢いが鈍っている)

さすがに自然吸気の軽ハイトワゴンにはツライシチュエーションであった。参考までにE/G回転数は4000rpm。相当アクセルを踏み込み続けないと速度の維持も難しく、自分の感覚では巡航は難しいと感じた。

せっかくの超高速走行が可能な区間だったが、早々にICを降りて帰路についた。



帰りは走行車線の流れに乗って走らせた。ホンダセンシングをフル活用したがLKAの制御が非常に良くなっていることに驚いた。父のN-WGNとは雲泥の差で明らかに改良されている。未だ、ステアリングは小刻みに制御が入っているがこれは横風で進路がズレたのを修正しようとした為だろう。人間の運転(手動運転?)だと流されながら一定の舵を入れながら走るので小刻みな操舵にならない。この辺りはまだまだ改善の余地があるかも知れない。

高速道路が主戦場では無い自然吸気モデルだが、確かに短距離メインだったり高速道路の利用頻度が年に一回だけならこれで耐えられないことも無い。

高速道路の使用頻度が高い我が家には明確にマッチしないだろう。動力性能やアクセルを踏めば事足りるが、回転が上がり気味で燃費が悪い。一時期借りて乗っていた父のN-WGNターボくらいの動力性能を持っていれば何とかファーストカー的使い方もこなせるとは思われる。

一つ指摘しておきたいのはPAに入る際に法定速度から40km/h、更に駐車場内に入って減速した際に急にググッと減速度が強まる妙な感覚があった。他の試乗記でもこのことを指摘したジャーナリストがおり、メーカーの回答としては原則後の再加速に備えてCVTをローギア側に変速したため減速度が急に強くなる、とのことだ。これをやらないと減速から再加速するシーンでもたつきが発生するようだ。

一度気になると高速を降りた後の市街地走行でも何回かカックン感が出ることがあった。フィーリング面での改善に力を入れた新型N-BOXだが、再加速時のフィーリングと停止時のフィーリングを
同時に解決することは難しかったようだ。

●まとめ
新型N-BOXの走りをまとめると、自然吸気モデルは市街地までならほほとんどの場面で納得できる走りを見せる。特にスッキリとした操縦安定性とソフトな乗り心地は生活のお供としては最適だろう。

軽自動車でここまでできるのか!という感動は日常走行まで。高速道路でさすがに余裕がなく、時としてE/G回転をかなり上げなくてはならず、速度の維持もそれなりの注意が必要だ。クルコンを100km/hにセットして走行車線を無理せず走った方がいい。

軽自動車としてみれば動力性能は市街地で★3で軽自動車としてなら★4でもいい。しかし、普通車含めた絶対的評価だとスーパーハイトの辛さが出て2.5~3だ。



静粛性能や乗り心地は軽としては3.5、絶対評価だと3だ。E/Gは回さなければ気になるレベルの減少は無い。
防音材もターボと較べると減らされているが、軽自動車としては普通だ。またソフトな乗り心地は市街地から高速までリラックスした走りが可能。軽として3.5絶対評価で3だ。
積載性
3
運転姿勢を取った。ハイトアジャスターは標準位置似合わせ、ペダルで座面位置を調整したが、シートバックを立て気味にしてもステアリング上部を持つと背中が離れてしまうのでシートスライドを前寄りに再調整した。アップライトなクルマなので基本的にはこれで良いが、N-WGNにはあるテレスコが欲しい。(すべて本によると、衝突安全上のホンダ内規に抵触するのだとか)

この状態で運転席頭上は標準位置でこぶし3.5個のヘッドクリアランスが残る。



シートが意外とたっぷりしたサイズで座高が高い私の背中もしっかり包んでくれる。特にクッションは辺りが柔らかく試乗中は背中形状にぴったりフィットして印象が良かった。

この位置に合わせて後席を確認するとFrモーストでこぶし5個分、Rrモーストではなんとこぶし8個分のレッグスペースがある。脚が余裕で組めるリムジン感覚には恐れ入ってしまう。天井の高さは小学校低学年の子供が車内で立てる高さを確保しているのでヘッドクリアランスがこぶし4個分も入る。



N-BOXの誇る後席だが、ヒップポイントは低めで脚を投げ出す様に座るとしっくりくる。この座り方はシート位置を後方に下げダラーンとリラックスした姿勢に近い。ただし、後輪の直上に座ると乗り心地的に不利だし、スライドドアを開けて乗り込み、そこからスッと乗り込むのでは無く、シート座面を探しに後に寄らないといけないのが少々めんどくさい。シート座面の角が丸い形状もだらーんと座るとサポートが良くて良いのだけれど踵の収まりが悪くて背伸びするときの様な不自然な角度になってしまうのでオットマンが欲しい。

リビングと違い、自動車には靴を履いて乗車するのでヒールが角張った一般的な靴だと足首がグラグラと落ち着かないし、走行中のGに耐えなければならないので足は踏ん張らないといけない為、足はしっかりフロアに着地させておくことが真のリラックスに寄与するのだ。初代N-BOXや初代ステップWGNはフロア前端がキックアップしていて快適だったのだが、こういう心配りのノウハウは社内ではもう忘れ去られてしまったのだろうか。

敢えて書くが、宣伝のためにあくまでもリムジン感覚が楽しめる様にすることは良いとして、前にシートをスライドさせた状態で綺麗に着座出来る様にして欲しいというのが私の正直な感想だ。N-BOX+はそれが出来ていたのに・・・・。



せっかくの広大な空間だからヒップポイントも上げてアップライトに座らせれば4人乗車時の荷室スペースも確保できる。更に立派で分厚いシートを奢ってやれば本当にリムジンが作れるんじゃ無いかと思う。N-BOXプレステージ。まぁ売れませんわな。せめてショーモデルにでも・・・。

今思うと、初代タントにあったタントEXEはそういうニーズを模索したのだろう。結果、2代目タントにEXEは無かったのだからそういうことだ。

現状のシートでも、近距離主体の使い方や子供をCRS(Child Restaint System)に乗せるのであれば別段問題にならないという読みがあり、実績があると言うことだ。



N-BOXの元々の企画はセンタータンクレイアウトとエンジンレイアウトの極小化による「こんなモノが積めるの!」というサプライズがあった。初代から27インチの自転車が搭載できるというところをウリにしていたが、これは急な雨の日に子供の塾のお迎えで自転車を積んで帰宅できるという
生活でありがちで便利さが実感できるシーンを考えた特徴である。新型では搭載性や搭載後の安定性確保のためにフロア形状を局所的に凹ませている。

N-BOXは生まれながらの宿命だからシートアレンジを切り捨てることが出来ない。他のスーパーハイト軽よりも荷物を積むことに注力しなければならないがゆえに、リンク機構でRrデッキと面一でフラットな荷台にならなければならない。だからシートは薄っぺらくて平板なのだ。



人を乗せる意味では残念だが、例えば子育て世代がN-BOXを使うならCRSを取付けるのでシートが平板でも子供に直接的な影響が無いのが不幸中の幸いか。

しかし、ここでもISOFIXの金具をシート表皮のスリットで隠しているので、CRSを長期間に亘ってつけていると表皮に癖が付いて元に戻らなくなる様な形状をしている。この辺りは軽自動車と言えどももう少し配慮が欲しい部分だ。



正直、シートバックテーブルが付いているのは便利だし、デッキサイドの中身が見える収納は、自分の経験からも有り難い。トミカのトレッドと合わせ込んだスピーカーグリルは正直ビミョーだが、目くじら立てて否定することも無い。

ラゲージスペースは初代の前期モデルはシートスライドが無く、軽自動車にありがちな全然積めないラゲージスペースだった。

代わりにスライドドアを開けてシート座面をチップアップしてベビーカーや大きなペット用ケージがそのまま積める。まるで大昔のくろがねベビーやスバルサンバーを彷彿とさせる低床荷室が得られるのはN-BOXならではだ。



N-BOX特有のセンタータンクレイアウトを活かしたパッケージングやユーティリティは初代からユーザーに支持されてきた要素の一つである事は確かだが、競合モデルの悪癖に毒されてきている部分がある事は注意したい。

他社に出来ないことが出来るという意味で★4つだが、後席の着座姿勢の改善がそろそろ求められる。
燃費
3
初代以来、N-BOXの弱点は燃費と言われてきた。パワフルなE/Gを積んだ代償とも言えるのだが競合他社がマイルドハイブリッドを与えるなど燃費競争を仕掛けてもホンダ陣営は見向きもせず純ガソリンE/Gを貫いている。

歴代モデルのFF車の燃費最良値を調べた。(NA/ターボ)

初代 (JC08モード):22.2km/L / 18.8km/L
2代目(JC08モード):27.0km/L / 25.6km/L
3代目(JC08モード):26.1km/L / 24.5km/L

現行型でカタログ値が下がったのはWLTCモードに移行し、実走行での燃費を改善したからだろう。

WLTCモードで2代目と比較すると、
2代目(WLTCモード):21.2km/L / 20.2km/L
3代目(WLTCモード):21.6km/L / 20.3km/L

・・・とビミョーに向上している。



今回の試乗では燃費計が17.8km/Lを指しており、メーター表示が正確とすると達成率は83.9%である。カタログ燃費8割を超えていると、そこそこ正直な車だ。元々スーパーハイト軽は前方投影面積が大きく車重も重いので燃費性能で他クラスを凌駕することは無い。元々アンダーパワー気味で交通の流れに伍して走るためにはアクセルを深く踏み込まねばならない。

燃料タンクは27L。残り4Lで警告灯が点灯するので満タンから警告灯が点灯するまでの航続距離は
23L×17.8km/L=409.4kmなので遠出をしないセカンドカー的使い方をする軽自動車としては問題ないのだろう。ファーストカー的使い方をするときに遠出が出来ないのは辛い。

先代で助手席ロングスライドシートを入れるために削った燃料タンク容量が徒になっており、バリエーション縮小で廃止したのなら30Lタンクを復活させて欲しい。

燃費自体はクラス水準で負けているが、致命的とは言えないので★3つ。
価格
2
新型N-BOXの価格は下記の通り。



デザイン的には標準仕様とカスタムという2本立て。カスタムのみ自然吸気に加えてターボが選べるという従来からの基本3バリエーションは踏襲されている。

まず標準仕様を見ていく。
先代ではG・Lと呼ばれるLH側電動スライドドアが標準装備される量販グレードに相当する。

プロジェクターLEDヘッドランプ、運転席アームレスト、ロールシェード、ホンダセンシング、EPB、スマートキー、7インチTFTメータ、サイドエアバッグ+カーテンエアバッグ、オートエアコン電格ミラーなど現代のフツーの装備はフツーに備わっている。4SPオーディオレスなのでカーナビかディスプレイオーディオの後付けが必要だが、ナビ装着PKGが標準装備なのでRrカメラやステアリングスイッチ、地デジアンテナなどが最初から装備されている。

ボディカラーは7色から選べるが、黒以外は全て有料色扱いで2.2万円~5.5万円の追加料金が必要だ。

標準仕様には「ファッションスタイル」というセットオプションがある。専用装備として、専用ボディカラーとその色にコーディネートされた専用ホイールキャップ、白のドアハンドルとドアミラーが選べる。



標準仕様+9.9万円という価格は内容を考えれば明らかに割高と言わざるを得ない。3色ある専用ボディカラーは5.5万円相当の有料色と推定されるので、専用ホイールキャップとオフホワイトのパーツ(コストアップは0円だろう)だけで4.4万円という程の価値がある様には思えなかった。

そこから快適装備を一気にグレードアップできる「コンフォートPKG」はFr席シートヒータ(推定1.7万円)、RH側電動スライドドア(5.5万円)、Rr席アームレスト(推定1.1万円)、シートバックテーブル(1.1万円)、自動格納ミラー(1.1万円)が追加されるセットオプション(10.0万円)だ。お得感はないが納得は出来る妥当なラインだ。

164.9万円から買えるベースグレードが良いなと思っても、うっかりファッションスタイルを選び、RH電動スライドドアが欲しくなると、一気に19.9万円も高くなってしまう。個人的には標準仕様で充分なのだが、コンフォートPKGはリセールも良いはずなので選んでおいて損は無い。

それでも174.9万円という数字を見ると昨今の物価高やホンダの収益性の悪化を感じざるを得ない。

人気のカスタム仕様は威圧感を減らしつつ特別感も演出されているので標準仕様を検討していた人の内の一定数はこちらに流れるであろうと予測する。

自然吸気のカスタムはDRL、シーケンシャルターンつきLEDヘッドライト、Rrスポイラー(3.7万円)外装クロームメッキ加飾、内装イルミ+表皮巻きドアアームレスト、6SP(推定1.1万円)、Fr席シートヒータ(推定1.7万円)、自動格納ミラー(1.1万円)、14インチアルミホイール(推定4.4万円)、カタログ未記載だがNV性能向上アイテムが追加される。

標準仕様と20万円の価格差のうち、価格が推定できるのは12万円分。残り8万円分は内外装の表面処理などの加飾と言うことになる。カスタムという意匠に魅力を感じないとコスパが良いとは言い切れない装備内容だと感じる。

また、カスタムにはRH電動スライドドアとシートバックテーブルがセットOP設定がある。(6.6万円)

また上記にマルチビューカメラ(上記+7.3万円)を追加することも出来る。個人的に重要なことはカスタムは余裕のあるターボエンジンが選べる点も強調したい。

本革巻きステアリング(推定2.6万円)、ドアトリムアームレスト表皮上級化、シートバックテーブル+RH側電動スライドドア(6.6万円)、Rrアームレスト(推定1.1万円)、合皮シート(5.5万円相当)、アルミホイール15インチ化(推定3.3万円)、パドルシフト(推定1.1万円)が備わる。

価格が推定できる装備追加分だけでも20.2万円。走りの良さに加え、追加装備品目がもたらすお買い得感はN-BOXの中で最も感じられるはずだ。

このカスタム仕様にも「コーディネートスタイル」というセットオプションがある。

自然吸気の場合、本革巻きステアリング(推定2.6万円)、RH電動スライドドアとシートバックテーブル(6.6万円)、Rrアームレスト(推定1.1万円)合皮シート(推定5.5万円)、ダークメッキ、内装加飾変更、アルミホイール色換え(推定1.1万円)、プレミアムカラー(3.3万円)が備わるので、装備品価格差20.2万円であるから、21万円という価格差はほぼ妥当なラインだ。

ターボの場合は、既に装備が充実しているので、装備の差はシート表皮変更、ダークメッキ、内装加飾変更、アルミホイール色替え(推定1.1万円)、プレミアムカラー(3.3万円)に留まる。価格差は11.9万円。自然吸気と較べると余りお買い得感が無い。

このコーディネートスタイルには2トーンカラーが+6.1万円で選べる。こちらは自力で2トーンに塗装することは困難を極めるのでどうしても欲しい場合はこれを選ぶほか無いだろう。

以上、グレード構成を俯瞰してきたが、個人的に最もお薦めしたいグレードは素のカスタムターボだ。次に標準仕様(コンフォートPKGはお好みで)を薦める。逆に、じっくり考えて本当に欲しいかどうか検討した方が良いのがファッションスタイルとターボのコーディネートスタイルだ。良い道具としての存在するN-BOXの精神は私のお薦めグレードの方にある。

一般家庭のセカンドカー的使い方なら標準仕様に
ETCとドラレコとディスプレイオーディオをつけておけば充分だろう。年に数回レベルの高速道路ならNAでも走行車線をトコトコ走れる。

逆にN-BOXの持つ余裕をファーストカー的に使いたい人にはカスタムターボを推す。威圧では無くセンスの良さを見せるカスタム意匠は先代より良くなった。装備水準も上がる上に、動力性能も高速道路の追い越し車線も走れ、登録車のスライドドア付きハイトワゴンとも競合できると感じた。

と言うわけでファーストカー的な仕様を作ってみた。




我が家が2018年当時、デミオ(1.5Lディーゼルターボ)を新車で買った総額に近くて笑うしかなかった。まぁ、リセールバリューはデミオよりも随分良いと予想されるが。

セカンドカー的使い方で乗り潰す覚悟なら、先代の程度の良い中古でも買った方が満足できそう。逆に標準モデルのターボや失敗?した助手席ロングスライドシートを(今更)堪能できるかも。

新型N-BOXは先代から多くのコンポーネントを流用し、仕様に制約を加えた新型N-BOXだが価格を見る限りはお買い得感を感じない価格、セットオプションで不要なものまで付いてしまう不便さが目立つ。極限まで仕様を減らし、きっちり粗利を乗せた価格なのだろう。

リセールバリューが良いのは救いだが、「軽なのに200万円もする」時代は終わり、「軽だから300万円でおつりが来た」とか言い出しかねないと言うのは、賃金が伸び悩む我が国のベストセラーとしてはちょっと遠くへ行ってしまったなと思う。

私ならスライドドアがMUSTではないので迷わずN-WGNを選ぶ。

結論、購入段階ではお買い得とは言えない。
故障経験
新車を借りて乗ったので、故障など有るわけが無い!と言いたいところだが、乗り始めて直ぐにインパネが「ピチピチ」と異音を出していることが気になった。これはオーナーだったら絶対に気になるだろう音量だった。

更にRrから「カタカタ」という異音が聞こえて止まらない。耐えかねてコンビニエンスストアで発生源を探したところ、犯人はシートベルトバックルであった。正しいと思われる位置に置いてみたが異音が収まらないので後席乗員はいないがRrシートベルトのタングをバックルに差し込んでから試乗した。



また、走り始めてしばらく経つとメーターに「路外逸脱抑制機能異常」と表示された。警告が大きく表示されることはフル液晶メーターの魅力の一つだと気づかされたが、しばらく走ると警告灯は消えた。

現代の車は複雑なシステムが密接に絡み合って構成されているので、勝手に異常を検知して勝手に異常が消えたのだろう。

大きな表示は誰にでも分かり易く異常を知らせてくれるが、どんな警告が出たとしても「販売店にご相談ください」とか「機能を停止します。解除は販売店へ」「走行を中止してください」みたいなアドバイスでは非常に不便で使いにくいので
大きな液晶画面を活かして「カメラが曇っているので、拭いてください」など「こうすれば消えます」的な情報を追加してくれると有り難い。

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