マツダ デミオ

ユーザー評価: 4.15

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快活なスポーティーコンパクト - デミオ

マイカー

快活なスポーティーコンパクト

  • ひび

  • マツダ / デミオ
    15S(AT_1.5) (2018年)
    • レビュー日:2023年5月11日
    • 乗車人数:4人
    • 使用目的:通勤通学

おすすめ度: 5

満足している点
情緒的かつちょっと古典的で一目でマツダ車と分かる美しさのあるデザイン。ドライビングポジションの自由度の高さ。排気量に余裕があり、ドライバビリティに優れ素直にパワーを紡ぐ快活な自然吸気エンジン。ダイレクト感とレスポンス、ダウンシフトの自由度に優れたSKYACTIVE6A/T。素直で気持ち良く曲がるハンドリング。小回り性能。
不満な点
内外装の素材感やドア開閉音の安っぽさ、足回りの振動から感じられる全体的な上質感の不足。荒れた路面や高速道路走行時の乗り心地の悪さ。座り心地があまり良くなく乗り心地の悪さを助長するシート。やや過敏な反応を返す事のあるATのセッティング。後席空間の狭さ。
総評
今の日本車のBセグメントコンパクトカーに於いてユーティリティ性能よりも走りの性能を重視した選択をしようとすると、挙げられることが多いのがこのデミオとスイフトの2車ではないでしょうか。私もそのようなイメージでいたのですが、実際に乗って個別に満足点と不満点をピックアップしてみると、出来不出来の部分が非常に対照的でした。

魂動というキーワードで構築された情緒的で美しいスタイリングを持ち、クラス唯一の6ATと素直で活発な1.5リッターエンジンにより良好なドライバビリティを楽しめるデミオ。機能的で健康的かつオリジナリティのあるスタイリングで、スポーティなハンドリング特性と上質な乗り心地のバランスの高い乗り味を持つスイフト。

それぞれ一長一短があり、どちらが良いとは簡単に言い切れない2台を比較しながら印象を記したいと思います。

DJ系デミオ1.5ガソリン車の最大の美点は、やはりパワートレイン全体が織りなす活発かつ良好なドライバビリティだと感じます。車重に対して排気量に余裕のある自然吸気ガソリンエンジンは、ディーゼル車ほどの過剰なトルクの余裕はないものの、低回転域から相応に余裕があり、尚且つ遅閉じミラーサイクル&ロングストロークとは思えない程、レッドゾーンまで素直に回転数でパワーを紡いでくれる。

クラス唯一の6A/Tはロックアップ率も高くパワーをダイレクトに伝え、街中ではマナー良く(たまにギクシャクする領域もありますが…)、ワインディングでは変速スピードの速さとダウンシフトの許容度の高さで活発に走らせと、運転する愉しみを感じさせてくれます。

また操縦性の面でもディーゼル車より明らかに軽い鼻先がもたらす回頭性と、サイズアップしたスポーツタイヤのグリップにも負けない旋回性能でワインディングではノーマル状態でもかなり楽しめます。このパワートレインと足回りが生み出す走りのキャラクターは、効率を追ったCVTがデファクトスタンダードとなってしまった国産コンパクトカーにおいて、なかなか貴重なキャラクターだと思います。

走りにおいての不満点は、スイフトとは逆で乗り心地や剛性感といった部分。正直、荒れた路面や高速道路での振動の伝え方や乗り心地はスイフトに比べて劣ると言わざるを得ない印象で、安っぽいドアの開閉音といったちょっとした欠点や、シートサイズの小ささや、クッションの薄さといった部分がネガティブな印象を助長してしまい、クルマ全体の品質感を下げてしまっていることは残念なところです。

デミオのスタイリング、パワートレイン、ドライビングポジション、小回り性能、
スイフトのシート、足回り及びステアリングユニット
以上が備わったBセグ車があれば完璧なんですが。。

デザイン
5
Aピラーをやや後ろに寄せ、FF車ながらノーズを長く見せるデザイン。SKYACTIVE-Dの補機類やGの排気系のレイアウト上必要だったとも言われたスタイリングですが、結果的にキャビン全体を後ろに寄せた、ちょっと古典的なプロポーションになっています。但しキツイ表情の灯火類や大きなグリルデザイン等、スタイリングトレンドを取り入れているので、きちんと今時のクルマに見えます。

全長4mそこそこのボディでサイドに3本ものキャラクターラインを入れ、そのいずれもが途中で消えるなんていう荒業をやってるのに煩雑さを感じさせないのは凄いと思います。面構成を含め、このクラスにしては珍しく愛でて楽しめるタイプのスタイリングなのですが、洗車時にベコベコ凹む感触(勿論すぐに元に戻る)は品質感的にマイナスです。

内装もシンプルにセンス良くデザインされていると思います。ただし余り手に触れない部分のプラの素材感はびっくりするほど薄っぺらかったりします。デザインや表面処理で安っぽく見えなくするための工夫が上手いのですが、触感的にはあまり上質感はありません。

走行性能
5
【エンジン・トランスミッション】
直噴遅閉じミラーサイクルというと薄味なエコエンジンを想像しますが、ロングストロークが功を奏してか低回転域からトルクに余裕があり、またパワー感を伴いながらレッドゾーンまできちんと吹けてパワーを紡いでくれます。よく観察してみると、極低回転域でのトルク感に比べて3,000rpm前後での力感はちょっと薄めになる感じなんですが、そこからはトルク感が大きく衰える事もなく6,500rpmのレブリミットまで直線的に吹け切る印象。そのちょっとしたトルクの谷みたいなものが元気の良い吹け切り感を演出しているのかも知れません。

6A/Tに関して。ガソリン車用のSMALL-SKYACTIVE-DRIVE (許容トルク165Nm)は、同ディーゼル車用(許容トルク270Nm)に対して低抵抗かつロックアップ率が高く、ディーゼル車用の82%に対して更に高い86%ものロックアップ率となっているらしいです。
そのお陰かは分かりませんが、発進時及び低速時のスロットル操作に対しての駆動力の立ち上がりが非常に自然な感覚で、足裏の力の入れようでコントロールする感覚があって街乗りでも楽しい。そこからの力感はもちろん排気量相応のものなのですが、素直なエンジンの特性とA/Tの直結感が相まって走りに爽快感があります。

反面、場面によってはA/Tのダウンシフトがちょっと敏感すぎるシーンもあり、余裕のあるトルク感を活かして、変速させずじわじわと加速させたいような場面で足裏に少し力を入れた瞬間に意に反しキックダウンをしてギクシャク感につながる事があります。もう少し鈍くしてもとも思いますが、鈍くし過ぎると鈍重になり。匙加減は難しいのかも知れません。

ワインディングロードは、このパワートレインの良さを一番味わえる場面で、素直な操縦性、挙動の軽さ、適度に活発なエンジン、自由度と直結感の高いATをパドルシフトで操作しながら走ると本当に気持ち良い。唯一の不満は、レブリミットにタッチした瞬間自動的にシフトアップしてしまうことくらいでしょうか。

【操縦性】
足の固さ自体は、スイフトより多少固い印象。ただ硬い柔らかい以前にストロークが少々渋いような気がします。特に路面が荒れているとかなり足がバタ付き、路面の荒れたコーナーでは神経を使います。足回りの支持剛性感もスイフトに比べると多少心もとない感じ。曲がり方はタイヤを変更したこともありターンインでのフロントの入りはかなり良い印象。舵を入れてからフロントのグリップが立ち上がるまでの感触は、結構クイックな印象。リヤにスリップアングルが付く感じはスイフトより多少コーナー奥目の印象。クリップ付近からリヤが付いてきて曲がるような印象で、分かりやすくスポーティーだけど過敏過ぎる印象もない素直な特性。絶対的なコーナリング性能や限界性能に関してはスイフトと同じようなレベルだと思いますが結構ワインディングは楽しめます。
ただステアリングに関しては、多少フリクション感があり、切ったハンドルを自分で戻す事を意識させられる点、進路管理のラクチンさという点ではスイフトに劣っているような気がします。

乗り心地
2
まずはシート。前席のクッションの厚さ、座面長共にやや薄め&小振りでスイフトに比べると快適性はやや劣る印象。長距離走行ではやや疲労が溜まるタイプかもと思いましたが意外と3時間くらいなら大丈夫な感じ。上体のホールド性は市街地では不満はないけど、ワインディングではやや心もとない。

ドライビングポジションは希望の位置にピタリと決まります。50mmあるテレスコの調整幅が功を奏しているだけではなく、シートポジションを決めた後の下肢とペダルの位置関係も自然で気持ち良く座れます。但しややAピラーが寝ていて視界に入りやすい事、そのAピラーが手前方向に太くするなどの死角を減らす工夫があまりされていない事から、左斜め方向の死角がやや大きく感じます。

後席はクッション厚さ、シートサイズ共にかなり薄め&小振り。スイフトよりもはっきりと前席を優先した結果、リヤシートの空間が割を食い、最低限の居住空間を稼ぐためにシートサイズを小さくした感じ。後席膝回りの余裕自体はスイフトと同程度ですが、この寸法でリヤシートサイズを大きくすると膝回りの余裕が足りなくなったと思います。キャビンを後ろ下がり&絞りの効いた立体的な造形にした影響から後席頭回りの閉塞感も強いです。身長160cmくらいまでの女性が乗る分には実用に耐えますが、私が一度2時間程度のドライブでリヤシートに乗った印象からすると170cm以上の大人が長時間乗車するには少々厳しい印象があります。この部分に関しては割り切りが必要だと思います。

良路では比較的フラットで乗り心地も良いのですが、荒れた路面を通過した時にはかなり印象が変わり、鋭いショックを大き目に伝えます。純正よりサイズアップしたスポーツ志向のタイヤに変えたことも勿論影響してるとは思うのですが、特にストロークスピードの速い領域に於いて足が綺麗に動いていない感じ。操縦性でも述べた通り、硬い柔らかい以前に動きが渋く、足回りの支持剛性があまり高くない振動感を伝えてくる感じというか。。。また高速道路を4名フル乗車で走らせると減衰自体も足りず煽られる上に揺すられ感の強い不快な印象を受けます。正直この部分はスイフトに及ばない印象。一応、カヤバ、オートエグゼ、テイン、テネコからリプレイス品のショックアブソーバーのラインナップがあるようなので、一度試してみようかとも思ってはいるのですが、この足の動きは果たしてダンパー交換だけで改善できるのかどうか。。

積載性
3
容量280ℓ。210ℓしかなかった前車スイフトよりはかなり広くなりました。個人的にはコンパクトカーであればこの程度の容量があればまぁ不満はありません。
燃費
4
ちょい乗りの多い妻の街乗りで13km/ℓ台。遠出をすると15km/ℓ~18km/ℓくらい。こちらも前車スイフトと同じくらい。今となっては然程低燃費ともいえませんが、走りに余裕があり1.2ℓのスイフトと同程度の燃費なら不満はありません。
故障経験
まだ買ったばかりなので当然なし。前オーナーの整備手帳を見ると、テールランプへの水侵入で交換の記録と、納車整備で左右ドアミラー格納ユニットの交換の記録がされていました。どちらもDJデミオあるあるのようですね。

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