ハイビームを自動で切り替えるオートハイビームは必要なのか?

2019年11月28日

ハイービーム

最近増えている装備が「オートハイビーム」です。多くの人がハイビームは特殊なときに使用して、通常はロービームを使うものだと思っているのではないでしょうか。実はそれは違うのです。今回は、なぜオートハイビームの装備が増えて来ているか?果たしてそれは必要なものなのか?その謎について考えていきましょう。

デフォルトはハイビームを使うのが法的には正しい

ヘッドライトにはハイビーム(上向き)とロービーム(下向き)があります。ハイビームの正式な名称は「走行用前照灯」、ロービームの正式な名称は「すれ違い用前照灯」と言います。道路交通法には「車両等が、夜間、他の車両等と行き違う場合又は他の車両等の直後を進行する場合において、他の車両等の交通を妨げるおそれがあるときは、車両等の運転者は、政令で定めるところにより、灯火を消し、灯火の光度を減ずる等灯火を操作しなければならない」とあります。

つまり走行するときはハイビームで走るのが基本であり、他の車両等と行き違う場合や他の車両等の直後を進行する場合、他の車両等の交通を妨げるおそれがある場合はロービームにする必要があり、それ以外はハイビームで走行しなければならないという訳です。

ロービームの照射範囲は約40m

車のライト

ロービームの照射範囲は約40mです。一方、時速60kmは秒速16.7mですので、ロービームで見えている範囲に達するまでには3秒かからないということになります。一方時速60kmでの停止距離は36m程度とも言われます。つまりロービームで見えている範囲に障害物が突然現れた場合、ブレーキが間に合わない可能性もあるというわけです。先行車がいれば、その先行車の動きで障害物を予測できますが先行車がいない場合はそれも難しいことになります。一方ハイビームは100m程度先まで照射するので、障害物を早く発見することができます。

オートハイビームは意味があるのか?

ドライバーが確実にハイビームとロービームを切り替えられるならオートにする意味はありません。ですが、実情は違います。照明のない道路をロービームのまま走っているクルマもいれば、通行量の多い高速道路でハイビームのまま走っているクルマも多数見受けます。

しかし、オートハイビームは眩しいという意見もあります。それはクルマの検知速度が悪かったり、反応が悪かったりという原因もありますが、そもそも光軸が上を向きすぎているなども原因となります。この場合ハイビームでなくても眩しい状態ですから、オートハイビームでライトが下向きになっても、まぶしい状態が続きます。車検時は問題なく合格しても、いつも荷物を積んでいるとか、いつも後席に人が乗っているなどの場合は光軸がずれることがあります。

最新のシステムとしては配光までを調整するハイビームがあります。これは先行車や対向車がいれば、その位置を避けて照射するシステムです。多くの場合、じつによくできていて、キレイに配光してくれるものが多いです。ただ、先行車や対向車がいない場合は、マニュアルでハイビームとした方が、より遠くまで照射できることがあります。


(諸星陽一)

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