あおり運転に遭いたくない!最も有効な対策と、遭遇した時に絶対してはいけない行為とは?

2021年7月26日

あおり運転は犯罪です

テレビのワイドショーやネットのニュースで頻繁に取り上げられる「あおり運転」ですが、あおり運転とはどういう行為を指すものなのでしょうか? あおり運転に遭遇しない方法や、あおりを受けたときの対処法はあるのでしょうか? また、あおり運転対する罰則はどうなっているのでしょうか? 今回はあおり運転を考えます。

この記事のPOINT
あおり運転に遭遇しないためには「きっかけを作らないこと」
主なきっかけは「追い抜き・割り込み・クラクション」が該当する
防止策としてドライブレコーダーの搭載を分かりやすくする
遭遇したら絶対に車から降りてはいけない

あおり運転とはどういう行為を指すのか?

令和2年に改正された道路交通法によって、妨害運転(あおり運転)に対する罰則が創設されました。これにより、他の車両等の通行を妨害する目的で一定の違反を行うと、取締りの対象となり最大で懲役3年の刑に処せられることになりました。 また、妨害運転により著しい交通の危険を生じさせた場合は、最大で懲役5年の刑に処せられます。また、怪我をさせた場合などは傷害罪となる場合もあり、傷害罪は15年以下の懲役または50万円以下の罰金となります。

違反となる10パターンとは下記のようなもの。

1.対向車の前に飛び出すなど(通行区分違反)
2.不要な急ブレーキの使用など
3.危険な接近など(車間距離の不保持)
4.無理矢理進路を変更しての進路妨害など
5.無理矢理追い越しての進路妨害など
6.不要なハイビームやパッシングライトによる威嚇など
7.ホーンによる威嚇など
8.幅寄せなど(安全運転義務違反)
9.高速道路でのノロノロ運転など
10.高速道路での駐停車など

※6、9、10以外は自転車による行為も該当

最も有効な対策はあおり運転のきっかけを作らないこと

多くのあおり運転には“きっかけ”のようなものが存在します。具体的には、抜かれた、割り込まれた、クラクションを鳴らされた、車間距離を詰められた…などが挙げられていて、このうち「クラクションを鳴らさない」ことは意識すれば可能です。

相手に割り込まれたと思われないためには、車線変更はしっかりとウインカーで意思を示してから行いましょう。法規でもウインカーでの合図は3秒以上前からとなっています。自分が3秒前に出していても、相手が見ていなければ、急に車線変更してきたと勘違いされます。大切なのは、相手がこちらの意思を確認したかを読み取ること。ウインカーを点滅させたら、入ろうとした車線のクルマが加速してきた…というような状況は、そのドライバーは自分の前にあなたのクルマを入れたくないという意思表示だと思っていいでしょう。そんなときは車線変更をあきらめることが賢明です。

2017年6月5日に発生した「東名高速夫婦死亡事故」では、被害者がパーキングエリアで駐車枠以外の場所に停めていた加害者を注意したところ、逆上した加害者があおり運転の末、被害者のクルマを高速道路上で停車させ、そこへ後続車が追突したことにより被害者夫婦が死亡しました。もちろん被害者は正義感から注意を行ったのであり、落ち度はまったくありません。しかし、残念ながら相手が理性的な人間である確証もありません。なにか間違っていることが起きても、自ら注意するのではなく、施設の管理者や警察に連絡するほうが安全です。

余談ですが、車線変更後にハザードランプを点滅させる「サンキューハザード」は、ハザードランプの正しい使い方と大きく乖離しています。お礼をするなら窓を開けて手を挙げたほうがずっとていねいです。最近は軽くウインカーレバーを操作すると3秒程度点滅するワンタッチウインカーが装備されるクルマも増えて来ましたが、あおり運転を受けないためにもワンタッチウインカーは使わないことをおすすめします。

あおり運転を受けた時、絶対にしてはいけないこととは?
あおり運転を回避するためには?

前述したように、あおり運転は受けないようにすることが大切。きっかけを作らないように気をつけるのはもちろんですが、ドライブレコーダーの装着も有効な防止策でしょう。あおり運転は後方から受けることが多いので、後方に向けたカメラのほうが効果は大きいでしょう。目立つタイプのカメラを装着し、「ドライブレコーダー録画中」などのステッカーを貼るのも効果的かもしれません。



もし、あおり運転を受けてしまったら、絶対にやってはいけないことがあります。それは「クルマから降りる」ということです。あおり運転で大きな被害を受けている事案の多くは、クルマを停車させて車外に出たときに発生しています。無理矢理停車させられた場合は、ドアをロックして車内に留まり、携帯電話で110番通報するのが基本です。

運転中に携帯電話の使用は禁止されていますが、例外として「傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く」となっていますので、あおり運転の被害を受けている際は携帯電話で110番通報しても問題はないでしょう。もちろんハンズフリー通話ができる、同乗者が通報できるなどの場合は、それらを選ぶことは言うまでもありません。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

乗るに戻る

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

注目タグ

最近見た車

最近見たクルマはありません。

ニュース