クルマの塗装を侵す可能性も…スギ花粉の対処法は?

2021年3月24日

花粉とボディ

春になると多くの人を悩ませるのがスギ花粉です。日本人の2人に1人がアレルギー症状に悩まされるといわれるスギ花粉ですが、じつはクルマのボディにも少なからぬ悪影響を及ぼす場合があります。今回は花粉がクルマに与える影響と、その対処について考えてみましょう。

クルマに悪さをするのは花粉に含まれるベタベタした成分

花粉

スギ花粉は2月前後の1カ月ほどのピーク期間を挟んで前後1カ月、合わせて3カ月ぐらいが最も多く飛散している期間ですが、調べてみると1年のうち8カ月程度は飛散しているのだとか。花粉にはさまざまな成分が含まれていますが、クルマにとってやっかいなのはベタベタした成分です。乾燥した状態の花粉はサラサラとしていますが、水分を含むと花粉の外皮が破けてなかから粘り気のある成分が出てきて、クルマのボディに細かいシミを作り出す元となるわけです。ひとつひとつの花粉は非常に小さくても無数の花粉がつながればそれなりに大きなシミになります。

乾いた状態でボディに付着しているなら、毛ばたき等でそっと落とすという方法もあるでしょうが、花粉症の人はアレルギー症状が心配でしょうし、本人が花粉症でなくとも、周囲に花粉症の人がいるとなると、花粉が飛散するような作業は控えたほうが賢明です。……となると花粉がボディに付着しているだけの状態でも、水で流すのが基本ということになります。

すでにベタベタ成分が出てきている場合の対処法は?

ベタベタ成分は早い時期ならばカーシャンプーなどで落とすことができます。花粉だけではなく、樹液も同じような成分なので、やはりカーシャンプーで除去が可能です。しかし、やっかいなのはだんだんと硬化してくること。硬化してしまうと樹脂となり、シャンプーだけでは落とし切れない場合があります。硬化した樹脂は塗装面に食い込んだ状態となっていることもあり、無理矢理落とそうとすると塗装面を痛める可能性もあります。

効果的なのは汚れを柔らかくして落とす方法で、熱めのお湯で洗うといいと言われています。落ちにくい部分に80度程度のお湯をかけて汚れを柔らかくしてから、カーシャンプーで洗って、さらにぬるま湯ですすぐという方法です。すすぎで水を使うとふたたび硬化してしまうので注意が必要です。

花粉の付着をどう防ぐか?

花粉の付着を少しでも減らすためにはボディの表面にコーティングを施して花粉などの付着を防ぐのもいいでしょう。とくにガラス系コーティングは表面が硬くツルツルに平滑なので花粉の付着を防ぐ効果が高いといえます。コーティングは水を掛けるだけである程度汚れが落ちるものが多く、花粉も洗い落としやすい傾向にあります。



花粉のような微細な汚れは静電気によって吸い寄せられ、そのまま付着し続けることも多いので、静電気除去タイプのコーティングなども効果があるでしょう。ただ、一般的なコーティングの上にさらに静電気除去タイプのコーティングが施工できるかどうかは施工業者に確認する必要があります。

また、国産タイヤの多くはタイヤに導電性をもたせているので、走行時に発生した静電気を大地に逃がしていますが、アジアンタイヤなどではタイヤの導電性を確認できていません。もし、タイヤを交換したあとボディにホコリが付着しやすくなっていたら、タイヤを疑う必要があるかも知れません。ホコリが付着しやすいということは花粉も付着しやすくなっています。

諸星陽一
  • 諸星陽一
  • 日本自動車ジャーナリスト協会(外部リンク)
  • 自動車ジャーナリストとして専門誌やライフ誌での執筆活動をはじめ、安全運転のインストラクターも務める。1992年~99年まで富士スピードウェイにてRX-7のレースに参戦。セルフメンテナンス記事も得意分野。福祉車両の数少ない専門家の一人でもある。

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