雪道でトラブル発生! さてどうする?

2019年1月25日

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雪道は普段では考えられないようなトラブルが起きることがあります。そこで今回はそうしたトラブルが発生したときの対処方法を伝授します。乾いた路面では起きないような事象が雪道では非常に低い速度で発生します。もし乾いた路面で起きたら重大な事故になるような事でも、雪道ではそこまでには至らないこともあります。しかしながら、発生する可能性は何倍も高いものです。

止まらない 曲がらない さてどうする?

あなたは雪道の下り坂を走っています。前方に右コーナーが見えました。ブレーキを踏んで減速しようとしましたが意外なほどにブレーキは効きません。さてどうしたらいいでしょう? これは非常に残念なことですがコースアウトするか、ガードレールにクルマをぶつけるかという状況です。唯一できそうなことはハンドルを右に切って、タイヤが反応するのを待って、サイドブレーキを引いて(最近は踏むものや電子式も多いのですが)横向きにぶつけることでしょう。真っ直ぐぶつけるよりはダメージを少なくできる可能性はあります。しかし、現実的にそれができる人はコースアウトする速度でコーナーへは進入しません。

雪道では速度のマネージメントがとても大切です。コーナーを曲がれる速度、交差点の手前で止まれる速度で走ることがもっとも大切なことです。そのためには安全な場所でブレーキを踏むなどしてどれくらいの減速感が得られるか? をチェックしましょう。それでも避けられないことがあります。それは交差点の手前などみんながブレーキをかける場所は磨かれてツルツルになっていることが多い路面で起きます。北海道の都市部などではスタッドレスタイヤで磨かれた路面が黒光りする鏡面のようになり「ブラックアイスバーン」と呼ばれる非常に滑りやすい状況となります。こうした場所ではさらに長い制動距離が必要なので、速度を落とす必要があります。

路面状況が悪くなるところがどんなところなのか? を知っておくのも大切です。山道などでは北斜面や木陰などの太陽の光が当たらない部分の路面状況が悪いものです。路面は地熱が伝わるかどうかによって状況が変わります。一般的に橋や陸橋の上では路面状況が悪いことが多いものです。雪が降っているときはまだいいのですが、雪の降った翌朝などはカチンカチンに凍り付いていることも多くあります。交差点やカーブも気をつけたい場所です。交差点の手前ではブレーキをかけるクルマが多く、カーブでは当然ハンドルを切っています。こうした場所では雪が解けてふたたび凍るということが繰り返されるので、路面状況が悪くなります。

タイヤは前輪から滑る

クルマは前に進んでいますから前輪から次の路面に入っていきます。ブラックアイスバーンに入る際もまずは前輪から入っていくことになります。ですのでまずは前輪から状況が変わります。コーナーの途中で路面が変化する際も前輪から変化しますので、コーナリング中に突然滑りやすい路面になればクルマは外側に膨らみますし、突然グリップのいい路面になれば(まずありません)クルマは内側に巻き込むような動きになります。このことを意識しておくだけでも、かなりインテリジェンスのある走りができるようになります。

スタートできない さてどうする?

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スタッドレスタイヤであっても路面状況が極端に悪かったり、タイヤが減っていたり古かったりすると坂道などで発進できなくなることがあります。そうしたときに取れる手段は、いくつかあります。ひとつはいったん坂道の下まで下がって平坦な場所でスタートし、そのままの勢いで坂を登り切ってしまうことです。発進さえしてしまえばどうにかクリアできることが多いのです。またタイヤチェーンを持っていればチェーンを巻いてやり直す方法あります。チェーンは坂道で巻くのは難しいですし、ジャッキアップする場合はさらに危険を増します。ですので、この場合も一度平坦な場所までバックするほうが懸命です。脱出用のスロープや毛布などを挟んでスタートする方法もあります。金属チェーンならば駆動輪の前方にチェーンを置くとスタートできることもあります。いずれも、ゆっくりスタートすることが大切で、アクセルをバンバン踏んでタイヤを空転させてしまうとうまくいきません。

深い雪にはまってしまったときは、ステアリングを切らずに少しずつ前後にクルマを動かしながら脱出します。1cmずつでもいいのです前後にクルマを動かしていると、いずれはどちらかに抜けられることが多くあります。このときに欲張って動かさないこと。早く脱出したいからといってステアリングを切るとうまくいきません。


(諸星陽一)

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