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2025年09月23日 イイね!

吸気温度近似テーブルは車両諸元から導ける?車両諸元から理論式を考えてみた

吸気温度近似テーブルは車両諸元から導ける?車両諸元から理論式を考えてみたちょっと小難しいおはなし。
LINK G4Xで適合を進める中で頭を悩ませているのが「吸気温度近似テーブル」。
特別な試験設備がない限り“基準となる運転点”を作り出すのは事実上不可能。

ネット徘徊しても、説明書に書いてある事を嚙み砕く記事ばかりで、あまり核心に触れるような記事が見つからない。
じゃあどうするか。こういう時こそ基礎に立ち返り、物理や化学の式から整理してみれば、ある程度の目安が立てられるんじゃないか。(会社の上司に口酸っぱく言われた言葉)
そんな発想から、車両諸元をベースに吸気温度補正の理論式を考えてみました。

基本の考え方
LINK G4Xの吸気温度補正は、エンジン水温(CHT)と吸気温度(IAT)のブレンド比率を適合値として設定する仕様になっています。
つまり「どのくらいCHT寄りにするか」「どのくらいIAT寄りにするか」を決める形です。
ただし、これはあくまで“経験的に合わせ込む”ための仕組みであり、物理的にどのように温度が決まるかまでは示していません。
そこで今回は、基礎に立ち返り、工学で一般的に使われる公式を組み合わせて「吸気温度補正の理論式」を整理してみます。

式1.ニュートンの冷却則
 Q = h × A × (T_wall − T_gas)
 → 壁と気体の温度差に比例して熱が移動する
式2.連続の式
 ṁ = ρ × A × v
 → 流体の質量流量は密度・断面積・流速の積で表される
式3. 熱収支式
 ΔT = Q ÷ (ṁ × cp)
 → 供給された熱量を流体の熱容量で割ると温度上昇が求まる

これらの式を組み合わせることで、吸気ポート壁から供給される熱量と、通過する空気の質量流量のバランスから、吸気温度補正を理論的に導くことができます。たぶん(笑)

EXCELでの実装
理論式をそのまま眺めていても実用にはならないので、実際にExcelに落とし込みました。
MAP(吸気圧)とRPM(回転数)を軸にした表を作り、各運転点での充填温度を自動計算できるようにしています。


計算フロー
1.排気量・VE・RPMから体積流量を算出
2.ランナー断面積で割って流速 U を求める
3.熱伝達係数をh = h0 × (U ÷ U0)^nでスケーリング
4.MAP と IAT から空気密度 ρ を計算
5.質量流量 ṁ = ρ × 体積流量
6.供給熱量 Q = h × A × (T_wall − T_gas)
7.温度上昇 ΔT = Q ÷ (ṁ × cp)
8.充填温度 = IAT + ΔT


適合要素(調整ノブ)
理論式だけでは実機にピタリとは合わないので、いくつか調整要素を持たせています。
指数 n:流速依存性を調整し、低負荷〜高負荷での熱の乗り方を合わせる
同時吸気本数 Ns_eff:吸気位相やマニホールド構造を反映
基準熱伝達係数 h0:壁からの熱の伝わりやすさを調整
基準流速 U0:基準点を定義し、以降の運転点を相対的にスケーリング
これらを調整することで、理論式に対して柔軟性を持たせる事としました。

さいごに
色々考えてみましたが、これはまだ実車で試験していない段階のモデルです。
机上の理論としては筋が通っていると思いますが、果たしてうまく行くのやら。
まずはこの理論式をベースにセッティングを試してみて、実走ログと突き合わせながら検証していこうと思います。
EXCELファイル

参考文献
特許2013-194000 吸入空気量演算方法 by いすゞ自動車
Posted at 2025/09/23 21:20:16 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2025年08月23日 イイね!

ITB+ターボの制御、Dジェトロじゃキツそうなんでα-Nでやってみようかなって話

備忘録。

ITB+ターボの制御、Dジェトロでやってたんですけど、どうにも上手くいかない。
MAPが安定しないし、なんかもう「これほんとに合ってんの?」って感じになってきて。
で、いろいろ調べてみたんですよ。海外のフォーラムとか、Link ECUのマニュアルとか、Motecの資料とか。

そしたら「α-NでVEテーブル作って、そこにMAP補正(四次元補正)を掛けて空気量を調整して、さらにLambda TableでMAPごとのAFRターゲットを設定する」っていうやり方があるみたいで。

まだ実際に走行は出来てないですが、こんな方針で再適合しようかなと。
自分に向けた雑記帳です。

① α-NでVEテーブル作る(TPS×RPM)
まずチャージパイプ外して、NA状態にしてVEテーブルを作る。
MAP補正もLambda補正もOFFにして、TPSとRPMだけで空気量を見積もる。
これならMAPの不安定さに引っ張られずに、ちゃんとしたVE値が拾えるはず。
② MAP補正テーブルで空気量を乗せる
次にMAP×RPMの補正テーブルを作って、MAP=200kPaなら補正率=200%みたいに設定。
VE × MAP補正 ÷ 100 = 実際の燃料量って感じで、ブースト領域の空気量増加に対応する。
③ Lambda TableでAFRターゲットをMAPごとに設定
Open Loop Lambda Tableを使って、MAPごとにLambdaターゲットを設定。
MAP=200kPaならLambda=0.78(AFR=11.45くらい)とか。
これでLambda補正がターゲットに向かって動いてくれるから、燃焼状態も安定するはず。

参考にしたところ
以下のリンク先を参考にしました。海外勢の事例がめちゃくちゃ参考になります:
HPA Forum: BMW S54 Turbo Alpha-N Tuning 
HPA Technical Article: Alpha-N tuning with turbo and ITB 
Link ECU Forum: Hilborn IR + Turbo Alpha-N 
HPA Webinar: Tuning Open Loop Boost Control - Link G4+ 
Posted at 2025/08/23 18:02:45 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記
2025年08月12日 イイね!

CAN I/Oエキスパンダー・モジュールの製作 その5

 CAN I/Oエキスパンダー・モジュールの製作 その5死に物狂いで基板データ修正しました。
基板外形サイズは変更したくないので、間違えた場所を中心にレイアウトを見直し。
トライ&エラーを繰り替えした事で、修正前より綺麗なレイアウトにする事が出来ました。すでに製造業者には発注済み。指摘ない事を祈りながら、今日はこれで就寝します。

<おもて面>
おもて面の変更は特になし。
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<うら面>
赤枠部のレイアウトを中心に見直しました。電源配線等、色々修正を加えてます。
alt


<編集生データ>
作っている本人が言うのも何ですが、こんな細かいデータよく作ったな(笑)
それでも本職の方が見たら鼻で笑われそうですがね。
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<関連記事>

Posted at 2025/08/12 01:22:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年08月12日 イイね!

TPSがノイズまみれ。その2 @ 治ったよ!

 TPSがノイズまみれ。その2 @ 治ったよ!折角頑張って取り付けたTPS(スロットルポジションセンサ)。
現行量産二輪車にも使用される、どこかのメーカーのTPSセンサー。
エンジンが始動すると、車体振動等のノイズを拾ってしまい、とても使い物になる状態ではありませんでした。
<修正前のログ>
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お盆の連休で、中学生以来の友人が愛知に帰省。
中学生以来、かつ広島で一番大きな会社に勤務する同業??の友人に本問題を打ち明けて、一緒にトラブルシューティングしました。

「そもそも%/100msっていう単位(算出ロジック)がおかしい」とか、色々意見が飛び交いましたが、結果無事にブリッピングに応じて加速燃料を使用する事ができるようになりました。
ホール型のTPSセンサーを購入しようか悩んでいたいので、本当に助かりました。
帰り道には気を付けて!

<取得ログ>
~1:37:アイドル中。TPSデルタの変化は僅かで、加速燃料の誤作動なし。
1:38手前~:ブリッピング開始。TPS実電圧の変化に対して、加速燃料が効いている。良き~。
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Posted at 2025/08/12 00:54:32 | コメント(1) | トラックバック(0) | バイク | 日記
2025年08月11日 イイね!

CAN I/Oエキスパンダー・モジュールの製作 その4

CAN I/Oエキスパンダー・モジュールの製作 その4基板の作り直しが決まりました、オワタw (涙)

少しでも基板サイズを小さくするため、0201サイズを積極的に採用したのですが、追加料金払わないと実装ができないみたい。
ちなみに、0201とは縦横寸法が「0.25mm×0.125mm」の部品の事で、抵抗やコンデンサに採用してました。本当に小さな部品。

注文後に発注先(JLCPCB)から連絡があり、0201の実装は有料だよ~って。
調べると、1部品につき最大3$コストアップ。20か所以上あるので、さすがに無理。
alt

っという事で、注文はキャンセル。今晩から作り直しまーす(涙)
うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。
Posted at 2025/08/11 18:40:40 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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かにゅある といいます。 色々な車両を乗り継いで、現在はエボⅦ GT-Aと、 ターボ付のプロトバイク(YAMAHA TURBO1)に乗っています。 学...
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