社外マフラー装着時の要注意点(ボルト締結部,APEXi N1エボ)
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APEXi N1エボリューションマフラーの装着・その3(
http://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/392528/705111/note.aspx)からの続き。
ここでは APEXi N1エボを例に取って説明するが、APEXi以外であっても、「純正センターパイプに社外マフラーを組み合わせる(=テールピースのみマフラー交換する)」場合の作業上の要注意点があるので、本章(その1~その3)から独立させたページとして追記説明する。
要注意点とは、ズバリ、「ボルト~ナットの締め方(締結部の寸法と面圧)」である。
まずは画像に示すように、純正センターパイプ(車体側)の接続フランジ部のボルト穴径φ[mm]をデジタルノギスを用いて実測してみる。結果は10.59[mm]。測定誤差を加味して小数点以下2ケタめを四捨五入すると、約φ10.6[mm]である・・・(☆1)
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次に、取り外した純正マフラー側の接続フランジ部のボルト穴径φ[mm]も同様に実測する。
結果は10.61[mm]。測定誤差を加味して小数点以下2ケタめを四捨五入すると、約φ10.6[mm]である・・・(☆2)
とすると、純正品ではセンターパイプ側もマフラー側も、どちらも接続フランジ部のボルト穴径は約φ10.6[mm]で同じということになる。
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今度は社外マフラー(ここではN1エボ)の接続フランジ部のボルト穴径を測ってみよう。
結果は13.17[mm]。小数点以下2ケタめを四捨五入すると、約φ13.2[mm]である・・・(☆3)
前述の(☆2)より、純正マフラーのボルト穴径は約φ10.6[mm]であったから、社外マフラーの締結ボルト穴は直径で約2.6[mm]、半径で約1.3[mm]も広がっていることになる。
とすると、穴径が広がって懸念されるのは「ボルトがしっかりと噛み合うか?」である。
要するに、ボルトが広がった穴(の縁)に対してナメたり傾いたりしないか?ということだ。
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そこで純正のフランジ締結ボルトの首下(=有効ネジ部分)の直径を実測してみる。
純正ボルトの直径は9.80[mm]→約φ9.8[mm]・・・(☆4)
前述の(☆1)~(☆2)より、純正のセンターパイプとマフラーはどちらもボルト穴径が約φ10.6[mm]であったから、純正ボルトの直径との差は10.6-9.8=0.8[mm]、すなわち半径で0.4[mm]のスキマとなる。
これなら、ボルトが軸に対して倒れたり傾いたりして締まることはまず無いと考えられる。
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今度は純正ボルトの首部分(フランジに接し、面で押さえつける部分)の対面長さを実測する。
向かい合う二面幅の長さは13.83[mm]→小数点以下2ケタめを四捨五入して約13.8[mm]・・・(☆5)
(ノ゚ο゚)ノ オオオ!!
おいおいちょっと待て、社外マフラーのボルト穴径は(☆3)より約φ13.2[mm]であるのに対し、純正ボルトの首部分の長さは上記(☆5)より約13.8[mm]。径では13.8-13.2=0.6[mm]、片側(半径)ではその半分の0.3[mm]しか、掛かり代がないことになる!マジかよ!? ≡≡≒(>.<)ノ
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上記の実測データを元にして、純正状態と社外マフラー装着時のフランジ締結構造を模式図にすると、左のようになる(※簡素化のためガスケットは省略しています)。
「純正センターパイプ+純正マフラー」に純正ボルトを使用した場合の各部品の相互関係(クリアランス)には大きな懸念点は認められないのに対し、「純正センターパイプ+社外マフラー」に純正ボルトを使用した場合は、軸方向に対するボルトの傾き・倒れ、あるいはボルトの首下やフランジ面の穴縁の座屈(接触面積極小による面圧過大)が懸念されると当方は考える。
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対策としてまず考えられる手法は、フランジに対してボルトとナットの位置を入れ替えることである。
左画像は、YA5AエクシーガGT(左右2本出し)の右マフラー接続部であるが、ボルトをフランジの下から上方向に差して、上方向でナット締めした場合を示す。
つまりボルト穴径が小さな純正センターパイプ側にボルトの首を持ってきて、フランジとの接触半径が大きなナットを、ボルト穴径の大きな社外マフラー側に持ってくる、という案である。
(ナット座面の外径は実測φ18.89[mm]→約φ18.9[mm]であった。)
しかしながら、この手法はあまり好ましいと言えないかもしれない。理由は、危険予知の観点からすると、もしもボルトが緩んでしまった場合の安全性確保まで考慮するものとすれば、下から上方向に差し込んだボルトは容易に車輌から脱落してしまう懸念があるからである。
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