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調布市のKAZの"エクシーガGT (年改区分:Aタイプ)" [スバル エクシーガ]

整備手帳

作業日:2009年2月15日

社外マフラー装着時の要注意点(ボルト締結部,APEXi N1エボ)

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APEXi N1エボリューションマフラーの装着・その3(http://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/392528/705111/note.aspx)からの続き。

ここでは APEXi N1エボを例に取って説明するが、APEXi以外であっても、「純正センターパイプに社外マフラーを組み合わせる(=テールピースのみマフラー交換する)」場合の作業上の要注意点があるので、本章(その1~その3)から独立させたページとして追記説明する。

要注意点とは、ズバリ、「ボルト~ナットの締め方(締結部の寸法と面圧)」である。

まずは画像に示すように、純正センターパイプ(車体側)の接続フランジ部のボルト穴径φ[mm]をデジタルノギスを用いて実測してみる。結果は10.59[mm]。測定誤差を加味して小数点以下2ケタめを四捨五入すると、約φ10.6[mm]である・・・(☆1)
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次に、取り外した純正マフラー側の接続フランジ部のボルト穴径φ[mm]も同様に実測する。

結果は10.61[mm]。測定誤差を加味して小数点以下2ケタめを四捨五入すると、約φ10.6[mm]である・・・(☆2)

とすると、純正品ではセンターパイプ側もマフラー側も、どちらも接続フランジ部のボルト穴径は約φ10.6[mm]で同じということになる。
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今度は社外マフラー(ここではN1エボ)の接続フランジ部のボルト穴径を測ってみよう。

結果は13.17[mm]。小数点以下2ケタめを四捨五入すると、約φ13.2[mm]である・・・(☆3)

前述の(☆2)より、純正マフラーのボルト穴径は約φ10.6[mm]であったから、社外マフラーの締結ボルト穴は直径で約2.6[mm]、半径で約1.3[mm]も広がっていることになる。
とすると、穴径が広がって懸念されるのは「ボルトがしっかりと噛み合うか?」である。
要するに、ボルトが広がった穴(の縁)に対してナメたり傾いたりしないか?ということだ。
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そこで純正のフランジ締結ボルトの首下(=有効ネジ部分)の直径を実測してみる。

純正ボルトの直径は9.80[mm]→約φ9.8[mm]・・・(☆4)

前述の(☆1)~(☆2)より、純正のセンターパイプとマフラーはどちらもボルト穴径が約φ10.6[mm]であったから、純正ボルトの直径との差は10.6-9.8=0.8[mm]、すなわち半径で0.4[mm]のスキマとなる。
これなら、ボルトが軸に対して倒れたり傾いたりして締まることはまず無いと考えられる。
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今度は純正ボルトの首部分(フランジに接し、面で押さえつける部分)の対面長さを実測する。

向かい合う二面幅の長さは13.83[mm]→小数点以下2ケタめを四捨五入して約13.8[mm]・・・(☆5)
(ノ゚ο゚)ノ オオオ!!

おいおいちょっと待て、社外マフラーのボルト穴径は(☆3)より約φ13.2[mm]であるのに対し、純正ボルトの首部分の長さは上記(☆5)より約13.8[mm]。径では13.8-13.2=0.6[mm]、片側(半径)ではその半分の0.3[mm]しか、掛かり代がないことになる!マジかよ!? ≡≡≒(>.<)ノ
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上記の実測データを元にして、純正状態と社外マフラー装着時のフランジ締結構造を模式図にすると、左のようになる(※簡素化のためガスケットは省略しています)。

「純正センターパイプ+純正マフラー」に純正ボルトを使用した場合の各部品の相互関係(クリアランス)には大きな懸念点は認められないのに対し、「純正センターパイプ+社外マフラー」に純正ボルトを使用した場合は、軸方向に対するボルトの傾き・倒れ、あるいはボルトの首下やフランジ面の穴縁の座屈(接触面積極小による面圧過大)が懸念されると当方は考える。
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対策としてまず考えられる手法は、フランジに対してボルトとナットの位置を入れ替えることである。

左画像は、YA5AエクシーガGT(左右2本出し)の右マフラー接続部であるが、ボルトをフランジの下から上方向に差して、上方向でナット締めした場合を示す。

つまりボルト穴径が小さな純正センターパイプ側にボルトの首を持ってきて、フランジとの接触半径が大きなナットを、ボルト穴径の大きな社外マフラー側に持ってくる、という案である。
(ナット座面の外径は実測φ18.89[mm]→約φ18.9[mm]であった。)

しかしながら、この手法はあまり好ましいと言えないかもしれない。理由は、危険予知の観点からすると、もしもボルトが緩んでしまった場合の安全性確保まで考慮するものとすれば、下から上方向に差し込んだボルトは容易に車輌から脱落してしまう懸念があるからである。
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他の対策手法としては、ボルトの首下と社外マフラーのフランジとの間にワッシャーを挿入する、という手である。

この場合、ワッシャは耐熱性・耐候性に優れるステンレス製とし、サイズはボルト首下との接触面積が純正同等を確保できるようなものが望ましいと考える。

この手法に従えば、ボルトをノーマル状態と同様、上から下方向に差し込んで固定することが可能となるから、万が一にもボルトナットが緩んでしまった場合であっても、ナットだけの脱落のみで済み、ボルトはマフラーおよびセンターパイプのフランジ部に留まらせることができる可能性がある。

実際には、ボルトとナットを指定締付トルクで締めている限り、緩むことはまず無いと考えられる。しかしながらDIYによる作業の場合、「万が一の非常時」まで考慮ておいた方がリスクを減らせる可能性も高まるので、技術的には等価であっても判断に迷うような選択肢が2つ以上ある場合には、より安全な方・より危険回避可能な方で判断すれば良いと思う。

今回紹介した APEXi 以外のマフラーの中には、上記考察が該当しないものもあるかもしれないが、少なくとも「走る凶器」となり得るクルマを自らいじるのであれば、心得として「まったく何も考えずにただ部品を交換、装着するだけ」・・・なんてコトは無いようにしたいものである。


<本件の関連記事>
■整備手帳
APEXi N1エボリューションマフラーの装着(その1)
 → http://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/392528/703106/note.aspx
APEXi N1エボリューションマフラーの装着(その2)
 → http://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/392528/703731/note.aspx
APEXi N1エボリューションマフラーの装着(その3)
 → http://minkara.carview.co.jp/userid/132018/car/392528/705111/note.aspx

■ブログ
APEXi N1エボリューションマフラーの装着(その後)
 → http://minkara.carview.co.jp/userid/132018/blog/12402639/

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この記事へのコメント

2009年3月1日 16:31
普段何気に作業している事柄も改めて見てみると落とし穴的な部分が結構ありますね。マフラーのリアピースのみ交換であればジャッキUP無しでもいけちゃうのでDIYを行う人が結構いますからね。

社外のマフラーはこの辺りに気を使ってフランジタイプのナット、ボルトやワッシャーを同包しているメーカーもありますね。それでも最近は付属部品もコストダウンか?(汗
コメントへの返答
2009年3月2日 19:11
コメントどうもです。

そうなんですよ。
「他の多くの人々がやっている作業だから」とか「自分でも同様な作業を他機種でやったことがあるから」と思い込むと、思わぬ落とし穴が潜んでいることがありそうです・・・おいらも気をつけないと。

おっしゃる通り、フランジタイプのボルトに交換するのがスマートですね。エクシーガ用のN1エボでは、販売促進キャンペーンの特典(APEXiのネーム入りタオル)は同梱されていましたが、ボルト&ナットは同梱されていませんでした。(^_^;
BG5の時は同梱されていたと思いましたが・・・。
2009年3月1日 20:49
こんばんは。

マフラーDIYを予定していたので、とても参考になりました。

ガナドールのマフラーはボルト・ナットとワッシャーが付いていたので安心しました。

トルクレンチも購入済みですので、がんばってみようかと思います。
コメントへの返答
2009年3月2日 19:12
こんにちは。(^^)
ご覧いただき、ありがとうございます。

部品と工具がそろっていれば、まずは一安心ですね。当方のページも多少の参考になれば幸いです。あとは当日のお天気・・・でしょうか。

細かいことですが、DIY作業の際には工具を「押すのが良いか、引くのが良いか」など、作業姿勢にムリが生じてケガに至らないよう、安全に最大限ご注意下さいね。
2009年3月10日 20:13
APEXは、フランジが多数車種共用なんでしょうね。通常はアフター品でもこんなことはないですよ。
フジツボですと、ボルト類もすべて新品使用を前提に付属していますし。
コメントへの返答
2009年3月10日 23:26
なるほど、フランジが各車種で共用だとすると納得です。特典のタオルが付いて来てもボルトが付属しないのは、まぁコストダウンなのでしょう。

・・・とすると、今となってはAPEXiはごく普通の一般ユーザーにとっては敷居の高いメーカー・・・かな?
まぁ私にとっては、商品名にふざけたネーミングを付けるどこぞの宗教的ショップの方がよっぽど害があるように思えますが。(^^;)

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