アンティーク双眼鏡(オペラグラス)、バレエ公演で実力発揮。!!

先日ご紹介した、約100年前と思われるアンティーク双眼鏡の分解修理がほぼ完成、光軸などもそれなりに合わせ、ちょうど以前から行く事にしていた、コンサートスタイルのバレエ(東京フィルハーモニーの定期演奏会)に、小型単眼鏡とともに持ってゆくことにしました。普通の景色をちょこっと見て試す分には、安い小型単眼鏡の方が視野も広く良く見えたのですが、コンサート会場では全く違いました。...これにはびっくり。
　コンサート会場でバレエを見るとアンティーク双眼鏡の方がぜんぜん良く見えました。.アンティーク双眼鏡は視野は狭いものの、ビントが合っている範囲が広くオーケストラの前の舞台からオーケストラの後ろの舞台までピントを合わせなおさなくても良い上、絶妙の重量バランスとフィット感の高い握りで長時間持っていて疲れにくい事がわかりました。また手ぶれも少なく、会場が暗い場所ゆえか、修理がうまくいった為か像もすっきりくっきりと見える上、視野の中はどの部分でも解像度が均一で違和感がありません。....
一方の安い小型単眼鏡、中心部分はしっかりとした像ですが、広い視野の外側に向かい急速に画質が悪化、さらに同時にピントが合う部分範囲が狭く、バレエダンサーの移動にあわせていちいちピントを調節しないとなりません。....手ぶれもしやすいし。
これは目からウロコでした。...
クラシックのコンサート会場で使う場合、少なくとも現代でも通用する性能があり、いわゆるオペラグラスよりも良く見え、使い勝手も良い事は確かなようです。
おそるべし、100年前の人にやさしい技術。(現在のオペラグラスの構造は約100年前に作られていたものを簡略化したものですので、考えてみると当たり前かもしれません。)
一緒に行った娘も、最初は、そのオペラグラスのデザインが古すぎ!!といっていましたが、途中から、とても良く見える!!すごいよこれと満足気。
これから、コンサート会場に持ってゆく機会もありそうな気配です。このアンティーク双眼鏡、いずれは子供に修理方法も教え、代々伝えてゆこうかと思ったり。

写真は修理前の状態で、鏡筒があちこちズレ、レンズ位置がおかしくなっていました。
また落としたときの歪みの影響もあったようです。柔らかい真鍮製なので、2cvのボディー修理の要領で少しずつ直して行きました。つい完璧を求めて修正作業をやりすぎると、かえってむちゃくちゃになってしまうので、それなりの歪みは残っています。