碧岩は、岩山の多い西上州でも南牧川の
一番奥に位置し、余り知られていない山です。
西上州の山々全体にマイナーですけどね・・
しかし、南牧村隣の
大岩と共に南牧川を奥に進むと、非常に
目立つ岩峰として認識できます。
最近は、南牧村トレッキングガイドが配布され、その中でも最上級ルートとして紹介されているので、少しずつ訪れる人も増えているみたいですが・・
碧岩と大岩の一般登山ルートからは、昨年の一月に登りました。
その時、碧岩の地形・・
南牧トレッキングガイドには南牧マッターホルンとなっていますが、それはちょっと・・
でも、
東西南北に
急峻な岩稜が有り、その間は岩壁になっています。
尖峰と見えても、角度によってそう見えるだけで、
細長い岩稜である場合が多い中で、
碧岩は正に四方を岩で囲まれた
尖峰です。
↓大岩側から見た碧岩です。

南稜からは、一般登山道が付いていますが、その他の岩稜・・登れるかな???
と、思っていました。
調べると、
西稜、北西稜、北西壁に記録が有りました。
北西壁は1983年に、試登を含め5日間を費やして初登攀され、その後、第二登されたのか・・・???
西稜はどうも簡単そうです。
相棒を誘って、ちょっと登ってみました。
前日、
妙義山富士稜を登り、
蝉の渓谷のあづま屋で
大宴会の末、50cmの大転落をしてしまったので、肘が痛むのですが…(*_*)
頑張りました(*'▽')
碧岩登山口は南牧3大名瀑の一つ三段の滝の入口でもあり、立派な駐車場とトイレ・・・
それに、
ゲートボール場があります( ゚Д゚)
今回は、東京から長丁場を走ってきた分けではないので、
早朝の
7時45分スタート(*'▽')
ちっとも早朝では無いか・・(+_+)
登山道をサクサク歩いて
三段の滝下到着は、
8時10分。

この滝は最近登攀を試みられた記録を目にしましたが、フリーでは三段目落ち口が突破出来なかった見たい・・
↓巻き道から見た三段目です。
三段の滝を巻き、上流に出ると左手に
低い鞍部が見えますが、こちらから尾根に上がると駄目との情報を得ています。尾根筋は突破出来ず、側壁の非常に困難な登攀を強いられるとの事。
先に碧岩沢を分ける二股が見えたあたり、左少し上方に小さな
ケルンと
赤布の目印が有りました。
これかな・・
結構登っている人が多いのか??
上を見上げると、ガレの急斜面の先に
鞍部が見えます。
左の窪状のガレを登ると、一部
スラブが出てきますが、落石以外は問題有りません。
木に目印の赤テープも有りました。
しかし、踏み跡は有りません。
更に急斜面になると、
胸壁に囲まれてきます。
鞍部は直ぐそこです(#^.^#)
鞍部までは15m位の
岩登りです。
ノーザイルで登ったのでⅢ-~Ⅲ程度だと思います。

碧岩西稜鞍部到着
8時50分。
鞍部から
藪岩壁です。
少し登ると
藪が無い岩壁に突き当たりました。
右に
バンドを見出し、5m程度進んで一段上がったところに、しっかりした
木の有るテラス。
ここでザイルを付けました。
ザイルはの
8mmの
30m・・・
二本持ってきましたが、簡単そうなので一本で~!(^^)!

左にトラバース気味に回り込むまで先が見えません(+_+)
斜度は強く露出したクライミングは
高度感も有りますが、ホールドは大まかで岩も硬く快適な登攀です。
しかし・・
ルート図は持って無いのでこれで正しいのか??
30mで届くのか???
残置ハーケンも無く、登った形跡も無い尖った岩肌・・・
トラバースした後、直上した上は、少し土というか砂の混じった感じになり、斜度も弱くなってきました。
灌木に支点も取れて一安心。
20m程ザイルを伸ばし、灌木の
リッヂでピッチを切りました。
終了後の感じでは、多分このピッチが西稜の核心部です。
しかし、この灌木、枯れているのでボディビレイで相棒を確保。
先に大きな気が有ったので、そこまで伸ばせばよかった・・・
相棒が登ってきて、
トップ交代。
少し下って
バンドを右上し~

しっかりした木の有る所からはしっかりした支点も取れ、安定してきます。
次のピッチもザイルを付けて登りましたが、藪岩が続きそうなのでザイルを解きました。
ナイフリッヂですが、
ノーザイルで不安は有りません。

藪痩せ尾根に近い様な所も有りました。
お花が綺麗です。
暫く登ると、
碧岩北西壁が見えてきました。
200m以上は有りそうな、
垂壁と
オーバーハングで形成された壁は
壮絶で見ごたえが有ります。
北西壁は、下からも、大岩方面からも
見えない・・( ゚Д゚)
居合沢対岸のタカノス岩や、タカノス岩北稜あたりから見ると良いかも!(^^)!
(後日、見返してみると
南牧村自然公園から遠望した碧岩の写真に北西壁が移っていました)
また、藪が薄くなり
岩稜となってきました。
でも、この辺りはノーザイルで行けます。
高度感が楽しめます!(^^)!
ナイフリッヂです~!(^^)!
背後の岩峰は居合沢を挟んで対峙する
タカノス岩です。
あと少しで頂上かな~!(^^)!
と思っていたら、藪の無い
岩稜というか、岩壁が現れました。
ザイルを再び結び、チャレンジです。
ここは、リッヂ状なのでルートに不安は有りません。
登攀途中、振り返って相棒をパチリ!(^^)!
残置ハーケンは一本有りましたが使用せず・・!(^^)!
灌木の有るポイントまでランニング取らずに登り切りました。
上からです。
ここで、
トップ交代して終了~!(^^)!
バックは大分低く見えるようになったタカノス岩です。
藪尾根を少し登れば、お花の咲き乱れる
碧岩山頂です~!(^^)!
碧岩山頂到着
10時45分。
登山口の駐車場から
約三時間の楽しいルートでした!(^^)!

↑ルート図は私が書いたもので、間違いが有るかもしれません。
碧岩西稜は、藪岩ハイキングの
領域を逸脱しますが、岩登りのルートグレードとしては、多分
初級向けの3級以下の部類だと思います。
しかし、北岳バットレスや穂高、谷川岳のメジャー初級ルートより、
登攀の痕跡が少ないのでルートファインディングの楽しみが有ると思います。
いっぱい人が来て、ルートの岩ラバーソールでテカテカになって、残地ハーケンとシュリンゲだらけになったら、前穂高北尾根や槍の北鎌尾根程度になっちゃうかな・・・
ザイルも30mで足りるので、軽くて済みます。
岩は硬く鋭利なので本当はもっと太いザイルか、ダブルの方が良いかも。
残置ハーケンは一本のみでしたが、支点を足す必要は感じませんでした。
後日知ったことですが、碧岩西稜はクライミングジャーナルに掲載された事が有るそうです。
そちらのルート図が手に入れば、私の書いた漫画よりましだと思います。
さて、碧岩の
下山ですが・・
昨年一月に訪れて二度目では有りますが、南稜の一般ルート・・とは言っても(+_+)
こんなです( ゚Д゚)

フィックスが無ければ、懸垂下降していますね~
更に・・・
こんなです。
南稜の岩場を下り穏やかな尾根になったところで、右手に赤テープの
目印が有ったので、昨年登った一般登山道から外れて急降下する尾根を下りました。
踏み跡は途絶えたりする事も有り不明瞭ですが、下降にはこちらの方が早いかも!(^^)!
但し、逆コースは入口が分かりにくいです。
居合沢にたどり着く前に雷雨になってしまいましたが、無事帰還しました。
終了時間
12時35分。
休憩込の行動時間、
約5時間の楽しい半日コースでした。
そういえば、碧岩の南稜一般コースでは、2015年に転落死亡事故・・・
76歳の男性との事。
昨日の鷹戻しの事故と似ているな~( ゚Д゚)
後日(2017年11月25日)、居合沢を挟んて対岸の
タカノス岩北稜に登り、このルートが良く見えたので、写真を追加します。
2020年11月追記
その後、
碧岩北稜、
難関の東稜も登り東西南北制覇しました。
また、隣の
大岩も
北壁、南壁、
東北尾根、
東尾根、西稜上部、
そして難関である南東稜も
末端左稜から登り東西南北制覇~!(^^)!
鷹巣岩も
北稜、
熊穴から西稜を登り、
難関の東稜も登り、東西南北制覇です(*^^)v
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山 & スキー | 日記
Posted at
2017/05/05 21:31:23