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イイね!
2010年04月03日

ふと思い立って…

ふと思い立って… つい最近のブログで少し触れた「くろがね四起」など、戦前戦後の貴重な日本車を中心に収蔵している「日本自動車博物館」(※リンク先 音量注意!!)にフト行きたくなり、この週末にひとっ走りしてきました。

とるものとりあえず簡単な持ち物を揃え、金曜の夜に関越→上信越道→北陸道経由で日本海側へ向かうルートを選択。高速道路網が整った今では関東からでも6時間程度で北陸方面には着いてしまうし、ETCの休日割引があるので、以前よりはグッと身近に感じられるようになりました。

さて、日本自動車博物館、現在の石川県小松市に移転してくるより前の富山県小矢部市時代に一度訪ねた事があって、あれから約18年が経ちました。もちろん、その時にはまだ冒頭のくろがね四起はなかったけれど、他にもさらに展示車が充実したことが行く気になった理由でもあります。

なにせ当時の博物館はコンクリートブロック工場跡を利用した祖末!?な建物だったから空調はなく、訪ねた時は夏場だっただけにとても暑かったことを記憶しています。

今ではレンガ造り風のレトロ調の外観ながら新しい建物となり、展示フロアが拡充したおかげで展示車数は約500台へと大幅に増えました。もちろん空調が整っているので快適に見学でき、環境面でも大変よくなっておりました。

ひさびさに目にする「トヨペットSA」やら「コニリオ」「コニーグッピー」など、この博物館ならではのクルマ達に加えて「シティターボ2」やら初代「ソアラ」、100台限定で発売した「EXAコンバーチブル」など、1970年代後半〜1980年代半ばまでのネオヒストリックカーの展示車が見られるようになったところが年月を感じます。

フェラーリやらブガッティなどの、いわゆる「世界の名車」は世界中の博物館やらコレクターが手厚く保存してくれるから後世残っていくものでしょう。しかし、庶民が乗る普通の日本車は当然ながら日本でしか見られないものが多いし、商用車ともなれば消耗品のように扱われているため、ふと気付いたら自動車メーカーですら残っていない…なんてコトがままあります。そういったクルマ達を可能な限り集めて丁寧に展示しているところが日本自動車博物館のイイところだし、そんなところが親しみが感じられるスポットだと思うのです。

実際、館内を見学していた他の来場者も英国車を始めとした輸入車の前では言葉少なに見ているところが1980年代前後の日本車の展示ゾーンになると「若い頃乗ってたんだぁ〜」と昔を懐かしむ方々を多く見かけたし、そういう私も一番懐かしいと感じるところでした。



冒頭にも書いた「くろがね四起」(画像の階段上の車両)にも10数年ぶりに“再会”できたワケですが、今回訪ねたもうひとつの目的があって、そいつは3階フロアの片隅に、ほんとひっそり佇んでおりました。それがこの「ジオット・キャスピタ」。

1989年の東京モーターショウにも展示されたキャスピタは、童夢と下着メーカー「ワコール」(事実上のスポンサー)の新事業ブランド「ジオット」が中心となって開発を進めていたプロジェクトで、1991年に公道を走れるスーパースポーツカーとなるハズでした…。

「ハズでした…」というように、あくまでもそれは過去形のお話。

搭載されるハズだったエンジンが当時、F1参戦を目論んでモトーリ・モデルニと富士重工が共同開発していた3.5L 5バルブ フラット12の巨大なエンジンだったことも話題の一つだったけれども、これが後にキャスピタの不幸を招く結果となるハメに…。

実際当時のF1の予備予選を通過するどころか、ほとんどマトモに走れず、エンジン単体で全長750×全幅800mmもあったと言われる巨大な水平対向エンジンはF1のパワーユニットとして不向きとしか言うほかなく、結局は1シーズンを戦わずして途中で撤退を余儀なくされる結果に。

さらに追い打ちをかけたのが時すでにバブルが弾け…てな具合。それに伴って、このキャスピタの計画も共倒れ的に頓挫したワケで、後に童夢の意地をかけ!? 大幅に構造変更をうけてジャッド製V10エンジンを搭載し日本のナンバーを取得した1台が作られたのが最後となりました。

つまるところ現在、日本自動車博物館に展示されるキャスピタがフラット12エンジンを唯一搭載した? オリジナルのランニングプロトタイプの1台となります。

計画段階を含めると、あれから20年以上経ったワケですが、いま改めて見るとホイール径が17インチと小さかったのが意外だし、その材質がマグネシウムというのも時代を感じます。

当時このランニングプロトは走ったというよりは、なんとか動いたというレベルで、そもそもエンジン音が凄まじく、ドライバーですら耳栓をしないと乗れない!! くらい爆音だったとか。実際に発売までこぎ着けるには、相当課題が山積していたようです。

童夢の林ミノル氏の奥様(当時)がワコール創業家の娘という事もあってか? 資金協力が得られやすかったとはいえ、大人が集まってマジメに考えて作っていたし、そんな”真剣な遊び”に出資してしまう企業があったことを考えると、今とは比べられないくらいクルマに夢や希望・情熱があった時代だったなぁ…とも感じます。

最近のクルマの名前が全然覚えられないうえに、あまり興味が持てなくなっているのも夢がなく現実ばかり振り回されているからかなぁ…なんてコトを思いつつ、18年前に日本自動車博物館を後にした時とのキモチの差も感じたのでした。
ブログ一覧 | 旧車 | クルマ
Posted at 2010/04/10 01:53:30

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この記事へのコメント

2010年4月10日 10:20
日本自動車博物館は大好きです。
私も小矢部時代に2回ほど、小松になって3回ほど行っています。
コンテッサの試作車や後期型の2000GTの純正オプションのロールバーなど、あそこでしか見ることのできない車はいっぱいあって大好きです。

コメントへの返答
2010年4月10日 23:14
トヨタ博物館もイイんですが、私もそれより日本自動車博物館の方が庶民的で好きなんです。

コンテッサ1300マーク2は、バンパー形状やら異なるので、通常の生産型と比べてオヤ?っと思えますよね。5〜6台しか作られなかったうちの1台がココにあるのが、とても不思議だし、どうやってやってきたのかも聞きたいくらいです(笑)。

2000GTはロールバーまでは気付きませんでした。ただ、トヨタ博物館から借用しているようで、今回行ったときには左ハンドルの前期型が展示してありました。メーカー借用というコトなら初期の試作車に近い車両かもしれませんね。これまた気になってます(笑)。
2010年4月10日 10:23
その博物館、名前だけは存じておりましたが、
内容をよく知らないため興味が湧かなかったんですけど… 流石、ゼロヨン兄さん!の解説を聞くと、俄然行きたくなります☆
貴兄のガイド・ツアーなるものがあれば、申し込みますよんw。3人くらいは集まると思います。^^

童夢、公道を走るスーパーカーを造る…と、ずっと注目してましたが結局出ませんでした。バブル崩壊も勿論あるでしょうけど、自動車文化の違いでしょうか?日本は欧州と比してコーチビルダーが極端に育ちにくい・あるいはスーパーカー的なクルマを生み出しにくい環境ですね。

断片的な記憶ながら… 当時注目を集めていたカー・デザイナー:由良拓也氏とのコラボレーション… 当時のスポニチにその動向が連載されてて、熱い想いで読み耽っていたのを思い出しました。
コメントへの返答
2010年4月10日 23:25
普通の古い日本車が多いので、ちょっとマニアックな部分がある自動車博物館ですけど、クルマ好きなら楽しめたり勉強になるところです。見学時間は相当余裕をもっておかないと、まず足りなくなるので注意が必要です(笑)。

今回同行した人への説明も、輸入車はかなり端折ってしていたのに、3時間説明に喋りっぱなしになって少々疲れたくらいでした(^^; そんな時には館内の「喫茶ローバー」休憩できます(笑)。

私は基本中の基本の話しかしてないし、それくらいしかできないので、大した事はありません(^^; 行く機会があったら声かけてみてください(失笑)。

童夢は社名のせいもあってか!? 零やらキャスピタなど夢で終わってしまうケースが多いですよね。タイミングが悪かったり早かったり、実を結べず残念なケースが多いですし。今後は中国マネーにたかって!? 何か作り上げてもらえないかな!? とか思ったりします(笑)。 
2010年4月10日 20:40
北陸にはこういう名所があったのですね!
遠い場所ですが、一度は行ってみたい場所です♪
バブルの頃はスーパースポーツカーの話が色々とありましたね、他にも色々試作で終わったクルマも多々あったと思います。
ここ最近こっそり?大手メーカーが自社のフラッグシップスポーツを出して話題になっているような印象ですが、20年前の方がもっとスケールのある話に繋がっており、夢も感じます。ちょっと壮大過ぎる部分も感じますが、こういう話がもっと出ると良いなという印象です。
コメントへの返答
2010年4月10日 23:31
意外と知られていないトコロなんですねぇ。確かに大して宣伝をしていないので、知る人ぞ知る的な場所かもです。北陸・能登方面に行く時には絶対に寄った方がいいところです。ただ、電車だと便が悪いのでクルマの方が無難かもです。

日本で企画や作ろうとするスーパースポーツで実を結ぶケースって、ほとんどありません。最近でいえばNSXや、今はレクサスLF-Aくらいでしょうか。

NSX後継のスーパースポーツも直前のところで中止の憂き目にあってます。今の日本人もほとんどが興味を持っていない現実を見ると、今後日本ではますますこの手のクルマが出て来るコトはないんだろうなぁ…てのが哀しいもんです。この分野に中国が手を染め始めたら、いよいよもって日本もダメな国になるだろうと思っています。
2010年4月11日 10:18
日本自動車博物館いらしていたのですね〜
遠路はるばる北陸までお疲れさまでした

実家から近いので、ここは小学生の頃から時々訪れていました
軽乗用車やオート三輪からロールスそしてトラックやバスまでと
これだけ様々な車を残されたのは初代館長さんの思いからでしょうね
サーフさんのおっしゃるゼロヨン兄さんのガイドツアーが
もし実施される機会があるのでしたら、是非聞いてみたいです
(一報いただければ沖縄から駆けつけます^^)

そんな中に「ジオット・キャスピタ」のような車があるのも
ここの懐の深さのように感じますね
隣にあるのが初代デボネアっていうのも、また一興かと…^^

コメントへの返答
2010年4月14日 23:27
ず〜っと行きたかったけれど、ETCが1000円てのが一番良かったかもです。結局往復で3000円弱でしたし。

僕のガイドは相当に怪しいですよ(^^; ただ、日本自動車博物館はクルマのオフ会など歓迎してるようですから、ここでロードスターのイベントやるのもイイんじゃないかな? と思ってるところです。

プロフィール

「クルマだって… http://cvw.jp/b/9438/48554198/
何シテル?   07/20 23:24
これまでに所有したクルマはすべてマツダ車ばかりですが、マツダ特有のエンジン「回転系」ではなく「往復系」だけです。 ちなみにハンドルネームの「ゼロヨン兄」と...
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