まとめ記事(コンテンツ)

2016/08/21

鋭面 三菱自動車ってなんなんだろう。平面と鋭角の魔術。

 三菱自動車の歴史を辿る旅も大詰めを迎えようとしている。
デザインの面から四人のデザイナーがキーという事で、二人目までご紹介したが、ここで三菱、いや、日本のインダストリアルデザインに大いなる影響を与えた三人目のデザイナーをご紹介しよう。

 ここで紹介するクルマたちを見れば、如何に、これ以降の三菱車、国産車に大きな影響を与えたかが分かる筈である。

 しかし、ここで毎回デザイン論について書くのは非常に気を遣うものである。なんたって、日産系の会社のデザインの本職も見ているらしいので、そんな玄人に前であやふやな事を書いてしまうと、あっという間に指摘されてしまうからだ・・・・結構気を遣うものである。(閑話休題)

 さて気を取り直して、三菱のデザインの三人目の刺客とは 「アルド・セッサーノ( Aldo Sessano )」 だ。

1970年代から欧州で、地味ではあるが存在感を増していた「セッサーノ」は三菱のデザインの救世主として迎えられた。

 それまでの彼の作品としては、セッサーノ・ラインという直線をベースにした躍動感のある造形で、1970年の「NSU Nergal」や、その集大成と言われる「Seat 1200 Sport 」が地味ではあるが高い評価を受けていた。

 基本的に直線とバンっと張った緊張感のある面構成がキーワードで、直線的なフロントの造形に対して、A-ピラーを境に弧を描くようなメリハリのある造形が斬新だった。


上が「NSU Nergal」で、下側が「Seat 1200 Sport 」だ。緊張感のある面構成と、スパッと切り落としたようなCピラーの造形が躍動感溢れる。

 その彼の最初の作品が、初代「ミラージュ」だ。


鋭角なフロントのショルダーラインからAピラーを境にCピラーまで緩やかな弧を描くセッサーノラインが見て取れる。

 全く無駄な線や面が無く、スパッスパッと鋭角な刃物で切り落とされたような面構成が斬新で、そうした直線的な線と面の中で、AピラーからCピラーにかけての、緩やかな弧を描くショルダーラインが躍動感を与えている。

 ミラージュのデザインは、多くのデザイナーに衝撃を与え、日産の名匠「前澤義雄」をして、
「当時の2BOX のデザインを考えるとき、マルチェロ・ガンディーニの ルノー5 と、セッサーノ のミラージュ に如何に似せないで、新しい車型を創生するか頭を悩ましていた。」
と言わしめていた。


「マルチェロ・ガンディーニ」のルノー5とともに、世界のデザイナーの羨望を集めたのがミラージュだった。


 それから三菱の、国産車のデザインが大きく変革を遂げていったのだった。
Posted at 2016/08/21 17:11:23

イイね!0件

はてブに送る
はてブに送る

オススメ関連まとめ

マイページでカーライフを便利に楽しく!!

ログインするとお気に入りの保存や燃費記録など様々な管理が出来るようになります

まずは会員登録をしてはじめよう

ニュース