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さん
2023/05/08

2010年 車中泊旅行記 (9日目・1/10)高知


2010.11.10(水)

 5時45分起床。空の色は大部分が濃紺だが、水平線にかけて水色へとグラデーションがかりはじめた。星々はその存在をまだ天に留めている。

 南洋に面した極狭い範囲だけがほのかにオレンジに色付きはじめた、そんな寒い暁である。

 寝袋を畳み着替えを済ませ、車で桂浜公園のメイン駐車場に行ってみると、ゲートが開いたままになっていた。

 こんなことなら昨夜ここに車中泊すればよかったと思ったものの後の祭りである。とりあえずここに車を停め周辺を散策してみることにした。

 分刻みで照度が増す空の下、まずはお土産屋が並ぶ一角に行ってみた。自動販売機の照明が辺りを照らしている。




 当然、こんな時間に開いている店はない。化粧まわしを締めた凶暴そうな土佐犬の巨大な看板、坂本龍馬の等身大パネルが目に付いた。

 その店の脇の石段を登ると、坂本龍馬像がそびえ立っていた。背中側から接近する。この像は何度も写真で見たことがあるが、イメージと違ってかなり大きかった。

 また、台座が高いので仰ぎ見なければならなかった。親しみやすいあんちゃんというより気難しい先輩といった趣である。




 正面に回ると、「心はいつも太平洋ぜよ」という訳の分からないキャッチフレーズが飾られた、仮設の展望台が像の真横に設置されていた。

 これは放映中のNHK大河ドラマ「龍馬伝」放映を記念してか、高さ18.5メートルの龍馬の目線と同じ高さから太平洋を眺めることが出来るという趣向である。

 こういうイベントは勘弁してほしいと思いつつ、上に登ってみようかと思ったが、オープンは平日は8時からとのこと。

 入口は閉まっているし、結局ただの邪魔なオブジェと化していた。福山雅治演じた坂本龍馬といい、この展望台といい、違和感が拭いきれない。

 ご尊顔を拝したところで桂浜に下り、石畳の小径を歩いていく。空はもう大分明るい。沿岸には小さな漁船が幾艘も、穏やかな波の上に漂っている。




 そんな景色を楽しみながらしばし歩くと、突端の竜王岬の崖の上に海津見(わたつみ)神社があった。ここからの眺めは、桂浜一望、太平洋一望と、なかなかのものであった。





Posted at 2023/05/08 06:03:47

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