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2019/05/01

N レンジでパーキングブレーキを引いたらストップランプ点灯!…のダイジェスト版 - その1

カテゴリ : 電装系 > その他 > その他

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この整備手帳は…

条件①:シフトレバーを N レンジに入れているときに、

条件②:パーキングブレーキ (サイドブレーキ) を引いたら、

結果:ブレーキランプが点灯する。

…ようになる車いじりの整備手帳です。

電気回路的に見るとリレーのことがわかってきた方には割と簡単な内容なのですが、内装・シート外しや少し大きめの常時電源の確保などが必要なため★2つの中級としています。

ちなみにダイジェスト版としたのは、これまでの整備手帳の応用的なものなので内容を簡素化したダイジェスト版としています。(言い換えると手抜き版ともいう (^^;) )

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【カスタマイズの動機】
最近の車にはブレーキホールド機能が搭載されています。(写真は C-HRの取扱説明書から抜粋)

この機能をオンにしておくと、信号待ちなどの状況でブレーキペダルから足を離してもブレーキがホールドされた状態になるようですね。

長距離運転などで足が疲れるときは姿勢を変えたりして楽にできそうです。

… まあ、古い車でも シフトレバーを N にいれてパーキングブレーキをかけたら足を休めることはできますけど。

ただ、この状態ってブレーキランプは消灯中なんですよね~。

ペダルから足を外したときに後続車が「前の車が動き出す?」って勘違いしないか心配です。

後続車がいない場合でも、自車が最後尾だったら追突されたりして。

ドライバーのみんなが心身健康かどうかなんてわかりませんし、実際追突事故も多い…。

だとすれば停止しているのにストップランプ (ブレーキランプ) 消灯しているのはもってのほかなのでは?

少しでもこちらが停止していることをアピールする必要はありそうです。

…ということで、思いついたのが冒頭の条件でした。

そもそも、サイドブレーキを引いてストップランプが点灯しないのには理由があってそうなっているのだろう。

法規的な問題?

それとも技術的?

そりゃあ、エンジン停止→駐車中に点灯していたらバッテリーも上がりますよね。

このカスタマイズはグレーなのか?

など、いろいろ考えましたが、N レンジでブレーキペダル踏んでいる状態自体はなんら問題無いはず。

それをマネするだけなので問題無いはず…。

そう思ってやってみることにしました。
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前置きが長くなりましたが。

まずは配線図から。

今回も他の整備手帳を踏襲する形で、①既存配線への割込部と②制御部と図を分けることにしました。

--- ① 既存配線への割込部
考え方としてはシンプルで、既存のストップランプの配線に自前の配線を割り込んで、そこに電気を流せばストップランプが点灯する…という方法です。

ブレーキランプが点灯していない状態に電気を流せばもちろん点灯します。

ちなみにブレーキペダルを踏んでいる状態で電気を流してもより明るくなるとか点滅するとかそういった変化はありません。(逆もそうです。)

この時点で考えないといけないのがブレーキランプを踏んでいない状態で割り込んだ配線に電気を流すと既存の電線にも電気が流入するので逆流が発生する (図でいうオレンジの矢印) のですが、正規の配線側もブレーキペダルを踏んだらオンになるスイッチがあるだけのようなので、結局のところ回路が切れた状態になっていて、逆流は発生しません。

逆にブレーキペダルを踏んでいる時は回路ができあがりますが、そもそも同じバッテリーから流れてきた電流がさかのぼることはないだろうと。どちらも+から-へ流れていくはず (電気も水と同じで高いところから低いところにしか流れない) なので、この回路では電流を一方向にだけ流す整流ダイオードは使用していません。

(回路上にコンピューターがある場合だと、マイナス側から入力があったり、入力禁止の端子があるのに入力したので壊れた…とかあるようなので、そういう時は整流ダイオードが必要です。)

具体的な話に移ると、左右ストップランプのコネクターの1番が 青線の B …ブレーキランプになってます。

割り込むターゲットはここです。

ここにエレクトロタップで割り込むだけです。

私の場合、エレクトロタップがあまり好きではありませんので自作分岐・割込ハーネスを作成し、そこにはんだ付けで配線に割り込んでいます。

(このハーネスは別案件で作成した自作ハーネスからいったん端子…ターミナルをはずして、電線の被覆を剥いたところにはんだ付けで割り込みました。端子をはずす理由は、はずさないと熱で縮む絶縁用の収縮チューブを通すことができないからです。)

グローブボックス奥の配線が集まるところ…ジャンクションでもできますが、ジャンクションに割り込む自作ハーネスを作成することができないため、自作ハーネスを作成できる部分を探すとここ…ストップランプ直後の配線が電気的には楽です。


もう一つは、ハイマウントストップランプの配線に割り込む必要が発生します。

当初は、別案件 (後述) のウェルカムポジション&テールのようにハイマウントストップランプの直後で割り込むことを考えていましたが、天井→グロメット (通称ジャバラ)→ハイマウントストップランプ…と配線を通すのがめんどいな~と思っていました。

ところが、整備書の配線図をよく見ると途中にコネクターがある。しかもなぜか在庫しているコネクター (^^;)

ならば新たな出費がないのでここから自作ハーネスを作成して割り込もう!…ということになりました。

それが図でいう QL2 (HV:SN2) コネクターです。

HV…ハイブリッド車

ここの3番 青 B に自前の配線を割り込みます。


【関連整備手帳】
・ウェルカムポジション&テール with ストップランプ全灯 (7灯) 化作業 その1 - 配線図編
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4937877/note.aspx
┗ウェルカムポジション&テール with ストップランプ全灯 (7灯) 化作業 その6 -リア編1
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4939462/note.aspx
 ┗ウェルカムポジション&テール with ストップランプ全灯 (7灯) 化作業 その7 -リア編2
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4939637/note.aspx
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--- ②制御部
制御部…というほどではないのですが、制御的にはリレー1個で完結しています。

使用するリレーは一般的な4極リレーでよいのですが、エーモン工業のコンパクトリレーがラインナップの中で一番安価かつリレー自体の消費電力も小さいので、あえて5極リレーであるコンパクトリレーを使ってます。

コンパクトリレーが扱える電流 (制御される側の対応可能電流) は 10A までですが、今回の案件だとこれだけあれば十分です。(詳細は後述)


(制御方法:Nレンジ連動とパーキングブレーキ連動について)
まずは N レンジになったことを検知するために N レンジの “N” を緑に光らせる LED 配線から分岐して、これでリレーを駆動させます。(分岐した配線をリレーの青線に接続)

黒線をマイナス (アース) に接続します。

これで シフトレバーが “N” になったら、リレーの制御する側 (コントロールする側) に電気が流れますね。

しかーし!

黒線をそのままマイナスにつなぐと、ずっとリレーが動きっぱなしになります。正確にはこの場合 N レンジの時だけしか動きませんけど。(^^;)

いや、言い換えれば (エンジンがかかっている時で) N レンジになっただけでストップランプが点灯することになります。これってもしかしてまずくないですか?

そこで、二つ目の条件 条件②:サイドブレーキを引いたら…に移ります。

パーキングブレーキにはスイッチが付いていて、ブレーキをかけた時に電気が流れることにより、メーター警告灯…丸で囲まれた!マークが点灯したり、その状態を検知して (標準だと) カーナビの映像系のオーディオ機能が視聴できるようになります。

つまりそのスイッチでパーキングブレーキをかけたか、かけていないかを判断しています。

ちなみにパーキングブレーキ本体は当然ボディー側にボルト止めされているため、それを利用してスイッチのマイナス側はサイドブレーキの鉄の部分につながっています。そうすることでそのままマイナス側の配線として機能し、パーキングブレーキ→ボディー→バッテリーのマイナス端子と言う順番で電気が流れるんです。

そのためパーキングブレーキのマイナス側にはなにも機器が接続されていませんし、配線もありません。

ということは、パーキングブレーキに関しては電気的に見るとマイナス側にスイッチが付いている「マイナスコントロール」であるといえるかと思います。

今回はこれを応用して、先ほどのリレーの黒線をこの配線に割り込みます。

するとパーキングブレーキを引いたときだけパーキングブレーキのスイッチが入って回路が成立するので先ほどのリレーの黒線もNレンジからの分岐→パーキングブレーキに割り込んだ電線→スイッチ→パーキングブレーキの金属部分→ボディーと流れて最終的にはバッテリーのマイナス端子側に到達する…という仕組みです。

これで条件①、条件②が機能するようになりました。(^_^)v

(実際にストップランプを点灯させる側の電源について)
さて、今度はリレーの制御される側の説明です。

こちらは実質的にストップランプを光らせる電源として機能します。

接続先はリレーの赤線を過去のカスタマイズ (後述) でバッテリーのプラス端子から直接車内に引き込んだ電源 (常時電源) があるのでそれに接続しました。

最大 10A まで使えるようにしてますので、その上限を超えない限り使い放題です。

(エンジンルームから引き込むのがめんどくさいという方は代替案も その2 のい写真8で説明しています。)

そしてコンパクトリレーの白側には何も接続しません。(4極リレーを使う場合はそもそも白線がありません。)

N レンジ連動でリレーの青線に電流が流れるとリレーのコイル (電磁石) に電流が流れ接点が黄色の配線側に吸い付いて赤線→黄色線と電気が流れます。

なので、車両後方のストップランプに割り込んだ配線をこの黄色線につなぐことで条件①、条件②がそろったときにストップランプに電気を流します。

オーリスの場合ストップランプは電球が使用されているため、割と大電流が必要です。

オーリスのストップランプの電球は規格が S25 なので…

電球1個が 21W~30Wぐらい … 1.75A~2.5A の電流を必要とします。

それが左右1個づつ、合計2個なので…

1.75A~2.5A ×2個 = 3.5A~5.0A

配線や回路はある程度マージンが必要なので 6A~ 7.5A 程度で計算すればいいでしょうか?

実際、車両のヒューズは ストップランプ関連として 7.5A のヒューズが使用されています。(グローブボックス奥にあるインストルメントパネルジャンクションブロック ASSY の下側にヒューズの取り付け場所が合って、STOP のところに 7.5A 茶色のヒューズが取り付けられています。)

そのため、それをまねするようにリレーの赤線側には回路保護用として 7.5A のヒューズを取り付けました。

その大電流を先ほどの N レンジの配線&パーキングブレーキの配線でコントロールするわけです。

まあ、ストップランプは LED に交換しているので、回路的には負担がすくないですけど…(^^;) もしものときに電球を使うことも考えて設計してます。

電線は本来であれば 1.25sq が良かったのですが、それだと太くて取り回しがしにくいことと、エーモン工業の 1.25sq の青 (1176) を扱っている店舗が近所になかったため、あえて取り扱いがあった 0.75sq の青を選びました。

(純正配線のブレーキランプの配線色は青なので配線色をそろえたかったのも理由の1つです。)

0.75sq でも計算上 6.6A は通せるため、先ほど計算した左右の電球…2個合計で 5A 程度の電球に十分対応できる…はずです。(マージン的には 1.25sq が安心できるのですが…。)

ヒューズ側の値 (7.5A) の方が配線 (6.6A) よりも大きくなり気になるところですが、ヒューズの種類的に 7.5A の下が 5A なのでそれ (5A) だとすぐに切れるかもしれません。

それにヒューズはショートした場合、どんなヒューズでも切れますので、仮に 10A のヒューズを入れてもショート自体からは保護されます。

実質問題になるのは、6.6A ~ 7.5A の間の電力消費が発生した場合…つまりこの案件以外でここから分岐して、その合計が 6.6A を超える場合が問題になるかな~という感じです。そういうことはしないつもりですし、しても消費電力の少ない LED を分岐する程度なので大丈夫かと思います。

また実際はストップランプの電球以外にも LED のハイマウントストップランプがあるので、電気をもう少し消費します。ただしハイマウントストップランプだけで 1A も消費することはないはずなので、この配線設計で十分機能しつつ安全を確保している…はずです。

【関連整備手帳】
・エンジンルームから車内への配線の引き込み作業 その1
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4932828/note.aspx
※電装系の電源確保の意味で作業を行いました。(実際は BLITZ パワスロの配線を引き込む必要が発生したので、こちらはついでの作業でしたが… (^^;) )

電装品を深く数多くいじられる場合は、この作業を一度やっておくことで実質的に電気が取り放題になります。

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※SB1…矢崎総業 090Ⅱシリーズ1極非防水Mコネクタ(端子付)/1P090K-YZ-M (1P090K-YZ-M)
詳しくは関連パーツレビュー参照

※SB2…矢崎総業 090Ⅱシリーズ1極非防水Fコネクタ(端子付)/1P090K-YZ-F (1P090K-YZ-F)
詳しくは関連パーツレビュー参照
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ということで作業説明に移りますが、ここからがダイジェスト版たるゆえん。

手抜き開始 (笑)

ボディー側のストップランプまでのアクセスは、リアシートをはずして、ラゲッジスペースなどの内張りをはずしてアクセスします。

ばらし方について、詳しくは関連整備手帳のリンクをご覧ください。

【関連整備手帳】
・アルミテープとニードルフェルトでなんちゃってデッドニング (ダイジェスト版) その6~バックドア編1 ほか
(https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4479143/note.aspx )

・アルミテープとニードルフェルトでなんちゃってデッドニング その9 ~ リアシート (座面) 編
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4768138/note.aspx

・リアシートとラゲッジスペースの内張りの取り外し方 - その1 リアシート編 ほか
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4788622/note.aspx
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ちなみに今回初出のQL2 コネクターは助手席側後方の写真の位置にあります。

ここに…
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私の場合は、自作のハーネスを使って割り込みます。

自作ハーネスの作り方は関連整備手帳をごらんください。

【関連整備手帳】
・車速感応ドアロック装置の取り付け その1 - 概要・配線図と自作ハーネス作成①
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4287621/note.aspx
※写真5ぐらいからが参考になるかと思います。(コネクターとターミナルは同じモノですがピンアサインが異なるので注意してください。)

そして、左右のストップランプに割り込んだ配線と、この部分 (QL2) に割り込んだ配線を合流させて車両の前側に引き回します。

ちなみに自作ハーネスを作成した場合で合流が終わった後、車体下側のコネクターを接続しなくてもハイマウントストップランプは点灯します。

なぜなら、合流した側の配線を経由してストップランプの電気がハイマウントストップランプに届くからです。(^^;)

コネクターが外れていても動作が正常のように見えてしまうのでうっかり間違えないように注意してください。(桃色側も接続できているか注意してください。)

エレクトロタップで割り込んだ場合は、青線側も、桃色線側もコネクターなので、コネクター同士が接続できている状態のはずなのですが、エレクトロタップを付けるときに作業がしにくいから…と、コネクターをはずした場合は、コネクターの接続確認をわすれずに。(忘れるとバックドアにあるロックのモーターが動かなくなりバックドアが開かなくなります。)
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配線図をよく見ていただくと気がつかれたと思いますが、今回の配線はブレーキを踏めば、ストップランプ側からリレーまで逆流するようなイメージで電気が通電されます。(実際はリレーの接点がつながっていないので逆流状態になることはありません。)

逆に N レンジでサイドブレーキを引いたらリレーの常時電源側からストップランプ側に電気が流れます。

つまり状況に応じて流れる方向が逆になるようなイメージなので接続部分があれば、オス・メスの区別が付けにくいです。

たとえばギボシの場合はショート防止のために上流側にメスを付けて機器側にオスを付けるのですが、今回はどちらもオスだと切り離した時がまずいです。

そこで今回はエーモン工業の接続コネクターの緑を使用しました。

これだと割と細い 0.5sq から 太めの 0.75sq まで使用できてオス・メスの区別なく接続できます。

配線の取り付け時はプライヤーを使いますが、真ん中を挟んだり、両側を一気に挟むのではなくて片側づつギュッと挟めばうまくいくようです。

そのとき力加減を見ながら挟んでください。私は2個ほど壊しました。

このあとBピラー下部のカバー、助手席側脇のカバーなどをはずして助手席の横まで引き回しました。

この部分の内装の外し方はこちらをご覧ください。

【関連整備手帳】
・リアドアのスマートエントリー化 その8 - 内装外し①
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4360240/note.aspx
※写真5あたりからの作業が必要です。

・リアドアのスマートエントリー化 その9 - 内装外し②・B ピラー配線①
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4360450/note.aspx
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今回は、パーキングブレーキの配線がターゲットでもあるので、リアからの配線を助手席の下から通しました。

何はともあれ、まずはコンソール部分を開けます。

(はずし方は後述の関連整備手帳からご覧ください。)

一度には引き出せないので、まずはシート下の穴からコントロール (パーキングブレーキ) 側をめがけて配線ガイドを通します。配線ガイドのワイヤーが車体を傷つけないように…という意味と、ガイドの先がなかなか見えづらいので目印の意味を含めて目立つ黄緑のテープを巻いています。

【関連整備手帳】
・エーモン工業 USB スマート充電キットの取り付け その1
https://minkara.carview.co.jp/userid/381088/car/2292029/4164992/note.aspx

(その2 に続く)

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