まとめ記事(コンテンツ)

2006/09/08

第3回 バランスについての考察

 バランスをとるには3つの手段がある、と思っている。天秤を例に取れば、①重いほうを軽くする。②軽いほうを重くする。③支点を変える(軽いほうに)という対応である。これも日常に置き換えると面白い。遊びに金を使いすぎだとすると、さらに稼いでバランスを取る。稼ぎが増えなければ、遊びを減らすしかない。もうひとつは考え方の支点をずらす。自分の決めた基準をずらすということである。この前段の2方法は「迷路への入り口」である。最後の方法は禁断の手である。破滅か天国かへの岐路である。

 さて、私の結論である。
「バランスを取る」とは”常に狙った片方に傾斜を取ること”である。その傾斜方向と角度は思想によって決まる。車のバランスも「どんな走りを目指すか」という自身の思想によって支点が決まり、後は「中央にバランスを取る」という過ちを犯さないように、絶えず「片方に傾斜を保つ」ようにすることである。そうすることで、「変化」を体感しやすく(バランス点では変化率が小さい)、バランスを取る手段が統一されて(プラスマイナスと極性が反転しないので)安定する。中央とは絶えず左右に振動するポイントなのである。

ターボの加速がとても良いというのに、「段付き感を無くしたい」と思う。結果フラットになる。加速感は薄れる=体感の変化率が小さくなるからである。

 支点の思想を持たずに、天秤の錘をいじっても始まらないのだと思う。隼のすごい加速を味わっている今でも、RZの「加速感」の方が気持ちが良かったのは、自分のほしかった「傾斜」が得られていたからだと思う。隼はもっとバランスが取れていて、傾斜が緩やかなのである。

 歳と共に自分ではそうとは気づかずに「魂の傾斜は水平に近づく」傾向にあり、そのせいで刺激不足なのだと気が付く今日この頃であった。知らず知らずの内に、カミさんの罠にはまっているのかも知れない。

妻と言う人種は「安定」という秤の中心を求めて、絶えず錘をいじくるのである。だからいつも不安定なのだと気が付かない。男はいつも傾いていたいのよ。わかる?(俺だけなんかなぁ)
(了)
Posted at 2006/09/08 21:16:17

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