1/6(土) 18:30配信
穴水町方面に向かう県道で列をなす車=石川県輪島市で2024年1月4日午前7時33分、和田大典撮影
能登地方を震源とする地震を受け、石川県内で携帯電話などの通信障害が続いている。2011年の東日本大震災では停電で基地局から電波を送れなくなるトラブルが長期化した。NTTドコモなど通信各社はそれを教訓に予備電源などの災害対策を講じてきたが、なぜ復旧のめどが立たないのか。
【能登地震 被害全容見えず】
◇東日本大震災を教訓に
ドコモとKDDI(au)の携帯電話は6日午後2時の時点で、石川県の七尾市、輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の5市町の一部地域で、音声通話やデータ通信が利用できないか、つながりにくい状態が続いている。ソフトバンクは輪島市、珠洲市、穴水町、能登町の4市町、楽天モバイルは七尾市、輪島市、珠洲市、宝達志水町、穴水町、能登町の6市町の一部地域で同様の通信障害が出ている。総務省によると、6日午後2時半時点で4社の計603の基地局が停波している。
各社の障害は地震が発生した1日午後4時10分ごろから続く。地震の揺れによって地中などに敷かれた配線設備が故障したことや、基地局の停電が原因だ。
こうした事態に備え、各社はいろいろな対策を取ってきた。11年3月の東日本大震災では最大約2万9000の基地局が停止し、約8割は停電が原因だった。このため一部の基地局には予備電源のバッテリーが配備され、県庁や市町村の役場などがあるエリアでは発電用のエンジンなども導入して停電しても通信が途切れない対策が取られた。
◇予備電源、大ゾーン基地局を配備
また、ドコモは大規模な災害に備え、半径7キロほどの広範囲をカバーできる「大ゾーン基地局」を全国に設置してきた。通常の基地局のカバー範囲は数百メートル~数キロにとどまる。北海道のほぼ全域が大規模停電に陥った18年9月の北海道胆振東部地震では、釧路市の大ゾーン基地局を全国で初めて稼働し、丸一日ほどの通信環境を確保した。
それにもかかわらず、今回の地震で障害が続いている。その理由の一つは、大ゾーン基地局の設置場所が各都道府県の人口が密集した2カ所程度に限られることだ。今回の被災地は石川県内に設置された基地局から遠く、カバー範囲外になっているとみられる。二つ目の理由は予備電源の多くは稼働時間が24時間程度で、今回は停電が長引き、「燃料切れ」となったためだ。
◇道路渋滞で電源補給できず
このため、通信各社は移動式の基地局に加え、移動電源車や発電機を被災地に向かわせ燃料切れを回避しようとしている。しかし、道路は各地で寸断され渋滞が起きており、これが障害の三つ目の要因となっている。KDDIの担当者は「人やモノはあるのに、渋滞がネックで運ぶのに苦労している」とこぼす。
固定電話の通信設備でも燃料切れが起きている。NTT西日本によると、6日午前9時の時点で輪島市や珠洲市の一部では非常用電力の枯渇によって、固定電話や光回線のインターネット接続サービスが使えない状態が続いている。
◇船や衛星に期待
こうした中、活躍が期待されるのが船や衛星を使った通信だ。ドコモとKDDIは6日から共同で輪島市沖の船上で基地局の運用を始めた。衛星アンテナで受信した電波を輪島市の沿岸地域に届け、障害の復旧を図っている。KDDIが船上基地局を運用するのは、千葉県などに大きな被害をもたらした19年9月の台風15号以来となる。ドコモは初めてで数キロの範囲をカバーできるという。
KDDIは24年内にも米スペースXが開発した衛星通信サービス「スターリンク」と個人のスマートフォンを直接つなぎ、空が見える状況であれば山間地などの圏外エリアでも通信が可能になるサービスを始める予定で、災害時にも役立ちそうだ。
◇Wi-Fiを無料開放
一方、公衆無線LAN(Wi―Fi)などネットの接続環境があれば、安否確認や情報収集は可能だ。16年4月の熊本地震以降、携帯4社は自社のWi―Fiスポットを災害時に誰でも無料で使えるようにする「00000JAPAN」(ファイブゼロジャパン)を開始。今回の地震でも石川、福井、新潟、富山の各県で無料開放している。
無料通信アプリ「LINE(ライン)」は、震度6以上の災害時にホーム画面からワンタッチで登録した「友だち」に安否を知らせるサービスを提供している。【道永竜命】
以上転載
KDDIが一歩進んだ対応しているのかな?
次いでドコモ?楽天は無理としてもソフトバンクはどうした?
こういった時の対応で今後の客の奪い合いに影響が出るのではないかな?
Posted at 2024/01/06 21:09:18 | |
トラックバック(0)