The Fall of Chicago
(Transformers: Age of Extinction投稿。YouTube、2014年5月27日)
映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』予告編
(シネマトゥデイ投稿。同、2014年3月12日)
映画『トランスフォーマー/ロストエイジ』最新映像第2弾
(同、2014年5月15日)
当初は小出しだった情報も徐々に解禁され、グッズや書籍や玩具も店頭に並び始め、日本公開日も8月8日と明らかになりました。
以前から「テーマは“恐竜”」と明らかになっており、アニメ第1作からの人気キャラであるダイノボットたちが登場。
俄然楽しみです。
ですが内容は、どうやら重苦しく陰鬱なものになりそう。
第1作ではコミカルな展開を多用した、老若男女が素直に楽しめるエンターテインメントに徹していたものの、マイケル・ベイ監督が本来やりたかったのはこういう作風だといいます。
賛否はあるものの、そもそもG1当時から既にそういったいわゆる大人向けのTFは存在していたので、ありと言えばありですね。
『トランスフォーマー・ザ・ムービー』然り、マーヴェル・コミックス版然り、日本でも津島直人氏や市川裕文氏や大嶋優木氏による漫画版然り…。
TF4の「ディセプティコンの脅威が去った後は、逆にオートボットが人類から狙われる立場となった」という物語も、今は亡きドリームウェイヴ社から発行されていたアメコミ『トランスフォーマーズ:ジェネレイション・ワン』を彷彿とさせます。
これは日米における、アニメと漫画の捉え方や対象年齢といった、文化の違いが如実に表れた結果です。
アメリカでは「アニメは子供が見るもの、漫画は大人が読むもの」という棲み分けであり、故に映像ソフトは安価でアメコミは高価(同人誌並みの薄さしかない本が、フルカラーとはいえ、日本円で\1,200相当)、内容もアニメは陽気でアメコミは硬質で社会派で重層的。
社会問題、政治・経済問題、歴史、人種差別、アメリカの正義の矛盾、そういったものを意欲的且つ批判的に取り入れる。それがアメコミ。
TFもその例に漏れず、アニメ版は牧歌的であったものの、アメコミ版はひたすらハードでシリアス。
さて、TF談義は程々にして。
自動車のSNSらしく、キャラクターに目を向けることとします。
今作では、オートボットたちの潜伏時の一時的な姿として、過去3作とは異なるヴィークルフォームを纏うようです(「インヴェイジョン・モード」。日本の玩具での呼称は「クラシック○○」)。
旧作を知る世代にとっては、何とも心憎いサービスです。

オプティマス・プライム:インヴェイジョン・モード
(写真は玩具版。しかも錆だらけではなくG1カラー)

シリーズ第1作『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー』コンボイ(海外名:オプティマス・プライム)
(写真はマーヴェル・コミックス版)

バンブルビー:インヴェイジョン・モード
(写真は玩具版)

シリーズ第1作『戦え!超ロボット生命体 トランスフォーマー』バンブル(海外名:バンブルビー)
(一緒にいるのは、スパイク・ウィトウィッキー。実写映画第1~3作におけるサム・ウィトウィッキーに相当)
シーズン1、オープニング
(1983年全米放映開始。日本では1984年)
シーズン2、オープニング&アイキャッチャー&エンディング
(1984年全米放映開始。日本では1985年)
旧来のファンが求めていたものとは、きっとこういうものですよね。
正に正常アレンジ。
このオプティマスの両形態を見た瞬間、胸の奥が熱くこみ上げてきました。
バンブルビーも、ベイ監督がTF1からの念願だった、初代キャメーロになりました。
他、秘匿されていた他キャラクター名も、明らかになりました。
コーヴェットは「クロスヘアーズ」。


(初出は、1987年放映の『トランスフォーマー ザ☆ヘッドマスターズ』。オリジンは未来的なバギーカー)
ヴェイロンは「ドリフト」。


(初出は、IDW社から2009年発行のアメコミ『トランスフォーマーズ:スポットライツ』。オリジンはS15型シルビアのスポコン改造)
アヴェンタドールは「ロックダウン」。


(初出は、2007年放映の『トランスフォーマー アニメイテッド』。オリジンはスーパーチャージャー剥き出しのマッスルカー)
ウアイラは「スティンガー」。

(これのみオリジンを持たない実写映画オリジナルキャラクター)
例によって、どれもアニメやアメコミなどの初代の姿とは、似ても似つかぬ姿及びヴィークルフォーム。
映画独自のアレンジを施されて、ファンの前に再び姿を現しました。
予告編では、ロックダウンが何気に活躍しています。
研究所の前でトランスフォームして右手に鉤状の短剣を出現させて侵入したり、口に長大な大砲を出現させてオプティマスの胸板を撃ち抜いたり、草原で走り来る自動車を真っ二つにしたり…。
逆に、冒頭では、ラチェットがアメリカ軍歩兵部隊に包囲されて集中砲火を浴びて、命を落としてしまうようで…。
ファンとしては目を背けたくなる展開です。
感情に流されてオートボットに八つ当たりしてしまうほどに弱く幼い人類を、オートボットたちにすれば本当に守る価値があるのか。そんな問い掛けがあるように思えます。
即ち、TFを描くことによって、人間を逆照射的に描いているのですね。
(余談ながら、ラチェットは、前述の『ザ・ムービー』でもそんな死に方をしました)
(連絡船で地球に向かっていたところをデストロン[海外名:ディセプティコン]に奇襲され、二挺拳銃で応戦するも多勢に無勢で、一瞬で蜂の巣に)
個人的には、アメ車映画だったTFが、TF4では普通のスーパーカー映画になってしまったのが、些か残念なところ。
そういえば、『ワイルドスピード』シリーズも、そうでした。
人気が出て興行収入が上がり、製作費を潤沢に注ぎ込むことが出来るようになってくると、回を重ねるごとに、スポコン映画だったのがよくあるスーパーカー映画になっていきました。
それに伴い徐々に関心が薄れていったものでした。
ともあれ、物語自体は、TFの神髄が色濃く受け継がれている模様。
8月が待ち遠しいです。