
昨年は珍しく親戚縁者の不幸は無かったので、今年は4年振りに、そしてみんカラに加入して初の、新年の挨拶が出来ますw
明けましておめでとうございます。
さて、今年は未年なので、新年一発目の話題は自ずと
ダァヂ ラムになりますね。
スーパーマン仕様の「ラム 2500パワーワゴン」がチャリティーオークションに出品!
(autoblog、2014年5月9日)
ほうほう、ラムが、『マン・オブ・スティール』とコラボレーションした特別仕様ですか。
『トランスフォーマー』といい、こうして映画と連動した企画に乗り気になってくれるのが、アメ車の羨ましいところです。
個人的には、クリストファー・リーヴ主演だった頃の『スーパーマン』に思い出があります。
その衣装は、青や赤がかなり派手であり、それを思い出せばこのラムは渋すぎます。
しかしあまり鮮やかだと、スパイダーマン仕様やキャプテン・アメリカ仕様などのようにも見えてしまうのと、既存の外装色とも差別化できないからなのでしょうかね?

ピックアップトラックは、アメリカ農家のための商用車です。
ラム、
シェヴォーレイ スィルヴェードウ、
フォード・モーター Fシリーズ…。
日本車だと、日野自動車・いすゞ自動車・三菱自動車工業などのトラック達や、軽トラに相当するでしょうか。
アメリカ経済を下支えする層へ向けた車であり、言うなればアメリカ人の魂も等しい。
故に税金が安く、お金のない若者にとっても気軽に買いやすい。
メーカーもそんな若者需要を当て込んで、農業用や工事用だけではなく、アウトドアレジャー用や、趣味性に特化したオンロードスポーツモデルも同時に発売しています。
『バック・トゥ・ザ・フューチャー』でも、主人公が憧れる車はマッスルカーでもポニーカーでもなく、ライスロケットでもなく、タイムマシン・デロリアンでもなくw、ピックアップでした。
それもあって、同じラムでも、ラムヴァンよりはラムトゥラックにこそ個人的には馴染みがありますね。

それまで興味はなかったのに、
ダァヂ ラム・SRT-10の存在を知ったのが、アメリカンピックアップに興味を持ったきっかけです。
農業や工事のための車に、ヴァイパーのエンジンとトランスミッションを組み込み、エアロパーツを纏い、大径ホイールと扁平タイヤを履き、ギネスブックにも載ったモンスターマシン。
当初は「流石アメリカ、バカすぎるwwwww」と思っていたのですが、デイトナスペシャルエディションと称したスポーツモデルが先にあったとは……( ゚Д゚)
ヘミエンジンを搭載し、巨大リアウィングを装備し、ウィングからボディにかけて縦に貫くストライプデカール。
その姿は、往年の、チャージャー・デイトナ(1stジェネレイション。プリメス スーパーバードの兄弟車)の再来です。

その一方で、本来の用途である業務用も抜かりがない。
というか、イメージリーダーとしてSRT-10のようなモデルを用意し、基本的には地に足が付いた商用や一般乗用を充実させていると。
そちらのほうは実用本位なロングベッド仕様があったり、力強く踏ん張る後輪ダブルタイア仕様があったり、それを収めるべくブリスターフェンダーになっていたり(それらを備えた仕様を、仇名っぽく「デューリー」と通称)、コンテナを牽引するために荷台が取り払われてラダーフレームが剥き出しになったトレーラーヘッド仕様があったり、外装色も落ち着いた色が多いですね。
発表会や限定仕様を、農業や牧畜が盛んで保守層が多い
テキサス州で発表したりする辺りが、この車の性格や立ち位置を物語っています。
よく「今の日本車は
マイルドヤンキー向けだから」と言われますが、それはラムとて例外ではないようです。
ダァヂ伝統の四分割グリルはそのままに、押し出しの強いフロントマスクがラムの特徴です。
トヨタ・モーター・セールス・USA タンドラなどの日本製フルサイズピックアップに市場を奪われると、逆スラントノーズにして、只でさえ巨大なグリルを更に巨大化させ、その外周を銀メッキで縁取りし、目付きを悪くし、威圧感に拍車を掛ける。
それで奪われた市場を取り戻せたというのだから、或いはアメリカにおいて車に求められているものとは、日本でのそれと大差ないのかも分かりませんねw
・【画像】 トヨタの営業に配られた販売マニュアルが客を小馬鹿にしてると話題に
(痛いニュース(ノ∀`) 2ちゃんねる、2014年11月23日)
・【レポート】2代目「クライスラー300」オーナーの不満第1位は「グリルが小さい」こと
(autoblog、2015年1月3日)

昔のラムはプレーンでシンプルなのが特色だっただけに、こうして見比べると余計変化が際立ちます。
もっともそれは時代の変遷でもあり、ラム以外のピックアップも同様ですね。
2009年式以降は、それまで「ダァヂ」ブランド内の一車種だったのが、「ラム・トゥラックス」ブランドとして独立。
それと前後して、ジープブランドやSRTブランドも独立しています(後者は後に元に戻る)。
丁度その時期は、クライスラー・グループが、米連邦政府によって莫大な公的資金を注ぎ込まれたにも拘わらず倒産が秒読みとなっており、フィアットに買収されて子会社として再出発した時期とも重なります。
それだけに、親会社子会社という関係を盾に“アメリカの魂”を蔑ろにされるのを恐れて、それを少しでも回避したいがための措置だったのでしょうかね?
フィアット・グループは、フェラーリやマゼラーティやアルファ=ロメオなど、傘下に収めたブランドの個性を強めることで相当上手くやっているように見えるのですが、その一方で冷厳且つ非情であり、商売にならないと見るや伝統を切り捨てるのにもためらいがないようにも見えますからねえ…。
まして地元で大切に育て上げてきたブランドではなく、よそから金で引っ張ってきたブランドだけに、尚更愛着などないであろうと考えるのは、当然のことです。
(因みに、
ダァヂ ダート、
クライスラー イプシロン、
ジープ レネゲードなど、今ではフィアット・グループのOEMがラインナップに入っていますが、これはクライスラーがかつてダイムラー=ベンツと業務提携していた頃も同様であり、世界的には特におかしな現象ではありません。
だから日本の車好きたちが言うような、OEMを以てして文化的侵略だと断ずるのは、早計に過ぎるでしょう)
勿論それらは、あくまで個人的な憶測でしかありません。
実際には、別ブランドとして独立させることで開発に集中しやすくなり、独自性も強まることを当て込んだだけかも知れませんけどね。
それが、クライスラーの買収とたまたま時期が重なっただけなのかも。
アメリカでは長い伝統を誇る車種であるものの、今の日本では並行輸入くらいしか入手する術はないからか、中々見掛けません。
だから、個人的には他アメリカンピックアップよりも貴重に感じます。
SRT-10、一度で良いから乗ってみたいなあ…。