前々から注目してきたフォードのエクスプローラーがいよいよ日本導入の運びになりました。使い物になる3列シートを備えた SUV、クロカン四駆となると、国内では、ランクル、プラド、パジェロ、アウトランダー、サファリなど各社1車種くらいは用意されていますが、輸入車では珍しく、ランドローバーディスカバリー4 (LR4)とこのエクスプローラー 位しか思い当たりません(ジープコマンダーもそうでしたっけ?)。ということでミニバン的な使い方も視野に入れている人には興味ある車ではないか思います。ちょっとスペックを見てみましょう。
エクスプローラー:
全長×全幅×全高=5020mm×2000mm×1805mm
ホイールベース=2860mm
車両重量=2170kg
エンジン=3.5リッターV型6気筒DOHC
最高出力=294ps/6500rpm
最大トルク=345Nm/4000rpm
トランスミッション=6速AT
車両本体価格=530万円
LR4:
全長×全幅×全高=4850mm×1920mm×1890mm
ホイールベース=2885mm
車両重量=2580kg
エンジン=5.0リッターV型8気筒DOHC
最高出力=375ps/6500rpm
最大トルク=510Nm/3500rpm
トランスミッション=6速AT
車両本体価格=673万円
* SEグレード
LR4 との比較でいくと、より大きく、より軽く、そしてより安く、でしょうか。モノコック構造、FF ベースの駆動系、ダウンサイジング化されたエンジンといった仕様が、上記の特徴、特に”より軽く”を裏打ちする技術的なファクターだと思います。オフロードの走破性がどの程度のものかはわかりませんが、成り立ちからはあるいは LR4 には負けるのかもしれません。しかし、そこはある意味割りきって、タウンユースや環境性能を重視し、米国人の生活文化に密着した使いやすいクルマとして、いわゆるクロカン四駆ではなく、SUV でもなく、よりクロスオーバー色を強めて開発されたものと推察します。実際、日本には遅れて導入される予定のエントリーモデルでは、2L エコブーストエンジンが実装されていることからも、その流れを一層強く感じ取ることができると思います。
以前のブログでも書かせていただきましたが、SUV はこれからはヘビーデューティな部分を徐々に切り捨てつつ、セダン、ミニバン、ワゴンをも包括・統合するような強力な車種(カテゴリー)に発展するポテンシャルがあると思っています。フォードエクスプローラーは、そんな新時代に向けての探索者の系譜に連なるクルマの一台ではないでしょうか。
例えばランドローバー社は、LR4 は違いますが、フリーランダー2 の FF 化をすすめるとともに、新たにイヴォークを投入し、さらに同系統の車種の開発を発表するなど、戦略面では新しい方向に大きく舵を切りつつあります。さらに、この流れは、SUV だけではなく、セダン、ワゴンの新車開発の中にも認められます。DS4、DS5と続くシトロエンのDS シリーズの開発・発売は、この方向へのメーカーの努力を最も顕著に示しているのではないかと思います(やはりシトロエンはただものではないです)。そして新たなカテゴリの創出につながる、技術的な焦点は、やはり高効率エンジン、モーター/バッテリー技術、そして(個人的な興味も入っているのですが)空間効率に優れたサスペンション配置を含んだ、これら要素技術をうまく組み合わせたパッケージング技術ではないかと推察します。
ひとつ残念な点は、過去、RAV4、CRV、ハリヤーといった、シティユース SUV を、世界に先駆けて開発した日本の自動車メーカーが今ひとつこれらの流れには積極的でないように感じられることです。是非、新たな技術やコンセプトで先頭集団に加わって欲しいと思います。
いつものごとく、途中で脇道にそれてしまいましたが^^;、最後にエクスプローラーの話に戻しますが、ディスカバリー3 はご近所でもちょくちょく見かけることもあり、先日には偶然ですが、隣に駐車する機会がありました。その際に、ぐるっと(しげしげと)観察したのですが、やはり一番感じたのは、「サイズがデカイ」ということでした。とっても魅力的ではありますが、日本で使う場合は、ディスカバリーもそうですが、エクスプローラーもやや限界をはみ出す大きさではないかと思ってしまいます。そこだけが残念なところです。
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米国車 | クルマ
Posted at
2011/06/26 15:58:41