シトロエンの新コンセプトカー、Numero9が発表になりましたね。
C6が引退?しつつある状況の中で、将来のDSシリーズのフラッグシップカーの登場とそのデザインを予見するものとなるのでしょうか?シトロエンによると中国市場に投入されるということですが、日本でのビジネスはおそらく難しいのでしょうね。
以下carviewのウエブサイトからの引用です。
~ボディサイズは、全長4930×全幅1940×全高1270mm、ホイールベース3000mm。プラグインハイブリッド(PHV)。直噴1.6リットル直列4気筒ガソリンターボ「THP」エンジンは、最大出力225ps、最大トルク28kgmを発生。リアアクスルに置かれるモーターは、最大出力70ps、最大トルク20.4kgm。車両重量は1500kg。0‐100km/h加速は5.4秒、最高速は244km/h。欧州複合モード燃費は58.8km/リットル、CO2排出量39g/km~
デザインは個人的にはとても気に入っていますが、まあ嗜好はヒトそれぞれということで。ただし、一点特に興味を引かれたことは、Numero9のリヤデザインが、シトロエンいわく「シューティングブレーク」という形式を採用していることです。低い車高ととても長い全長、大口径タイヤと流麗なデザインとの組み合わせで、とても個性的かつ美しいデザインを実現できているのではないかと思います。
そもそも「シューティングブレーク」は、英国発祥の言葉で、英国貴族たちが狩猟にクルマで出かける際に犬と猟銃を載せる目的で、高級GTカーやスポーツカーをワゴンの荷室をカスタムメイドで架装したことに由来するとされています。なので非常に特殊な形式のクルマとの定義であったわけですが、現在ではワゴン(あるいはブレーク)そのものにイメージ的に重なるような、若干あいまいな使い方をされているのではないかと思います。
ここのところ欧州の自動車メーカーでは、この「シューティングブレーク」をもう少し独自の意味を持たせて、丁度オーソドックスなセダンの上級クラスとして、メルセデスCLSを典型とするようなスタイリングを優先した4ドアクーペが「プレミアムセダン」のような位置づけで登場したように、いわゆる「プレミアムワゴン」としてお金持ち(小金持ち)層にアピールできるセグメントを新たに開拓しようとしているように思われます。
例えばこれとか、
あるいはこれなんか、そういった動きの代表例かもしれません。
機能面から言えばワゴン形式にすることによるメリットはスタイリング優先のため殆どないに等しいと思われますが、まあ製作者側の意図のとおり格好よいことは確かかなと(素直にそう)思います。しかし、4ドアクーペについて
ブログで取り上げた際にも同様のことを書かせていただきましたが、ビジネスとしては「あざとさ感」を強く持ってしまい、好きではありません。環境問題の深刻化や経済が世界的に悪化している状況で、こういった重厚長大かつ高価格なニッチカーを開発していく意義は、少なくとも庶民の私には積極的には見出しにくいのです。
最後に少し話はズレますが(というかこっちがむしろ本題)、ボルボのC30もシューティングブレークタイプと謳っていますが、これは上記のプレミアムワゴン路線とは少し違うようです、趣味性の高い用途に気軽に使えるスタイリッシュでそこそこ安価な車ということなのでしょうか?
C30の後姿はまさにこのクルマへのオマージュを感じさせてくれるものです。
庶民が夏休みなどのバカンス中にちょっと荷物を詰め込んで出かけるセカンドカーというのは、なんとなく軽快で楽しそうな感じがしますよね。日本あるいは日本人は、今までのような経済優先、効率優先の暮らし方はいろんな意味で抜本的に見直さなくてはならない踊り場に来ているのだろうと思います。経済的にはそこそこのレベルで良いが、本当に大切なこと、例えば、伝統文化の尊重や暮らしやすいコミュニティーの構築、女性や年配者の活躍の場を増やす、ワークライフバランスの見直し等などといったことを考えていくのであれば、まさにそういった新しい生活の中に位置づけられる道具の一つであるとするならば、冒頭で述べたような「プレミアムワゴン」ではない「シューティングブレーク」は、近未来の我々日本人にとっても魅力的な選択肢になるのではないかと感じます。
Posted at 2012/04/22 10:02:19 | |
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