マツダ・RX-8のロータリーエンジンはスポーツエンジンでマツダ・デミオは乗用車なのぉ
2台の比較エンジンも1300㏄なのに

と素朴な質問をクルマ好きの女性から受けて答えたお話です

[ロータリーエンジンとレシプロエンジン比較]
【マツダ・RX-8 タイプSのエンジン性能スペック】
エンジン・燃料系
エンジン型式:13B-MSP
最高出力:250ps(184kW)/8500rpm
最大トルク:22.0kg・m(216N・m)/5500rpm
種類:水冷直列2ローター
総排気量:1308cc
1ローター当たり:654㏄×2ローター
圧縮比:10.0
過給機:なし
燃料供給装置:電子制御燃料噴射装置
燃料タンク容量:61リットル
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
燃費:9.4km/リットル
【マツダ・デミオ13Sのエンジン性能スペック】
エンジン・燃料系
エンジン型式:P3-VPS
最高出力:92ps(68kW)/6000rpm
最大トルク:12.3kg・m(121N・m)/4000rpm
種類:水冷直列4気筒DOHC16バルブ
総排気量:1298cc
内径X行程:71.0mm×82.0mm
圧縮比:12.0
過給機:なし
燃料供給装置:筒内直接噴射(DI)
燃料タンク容量:44リットル
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
燃費:----km/リットル
同じ約1300㏄なのにロータリーエンジンは250馬力

レシプロエンジンは92馬力

その差は158馬力にもなります。
ロータリーもレシプロの過給機無しの同一条件でこんなに違うのはおかしいとのこと
[比較その1:クランクシャフト1回転の爆発排気量の違い]
ロータリーエンジンは1ローターの排気量が654㏄に対してレシプロエンジンは324.5㏄(1気筒あたり)です
ではクランクシャフト1回転をさせるためにローターは1/3回転です

またローターは1/3回転で1回の燃焼をしますので、クランクシャフト1回転で1回爆発(燃焼)をするのです

またマツダのロータリーエンジンは基本2から4個のローターで1ユニットを構成しています
したがって今回のロータリーエンジンは2ローターなのでクランクシャフト1回転で1308㏄の爆発排気量となります
しかし今回のレシプロエンジン(フォーサイクルエンジン)は4気筒エンジンで、クランクシャフト1回転で2回の爆発となるため、649㏄の爆発排気量になり、その差は659㏄分だけロータリーエンジンが有利と言うわけです
すると単純にレシプロエンジンの出力(馬力)を爆発排気量で割ると0.1417となり、この数値をロータリーエンジンの爆発排気量で掛けると185馬力となります
この計算式を最大トルクで計算するとロータリーエンジンが理論上24.7㎏mとなります
したがってロータリーエンジンの最大トルクは5500rpmに対してレシプロエンジンは4000rpmを考えれば熱変換効率はレシプロの方が上回っていると言う計算になります
[素朴な疑問:同じ排気量なのにロータリーエンジンは倍を上回る出力が出るの

]
何故

ナイスな質問です
両方の最高出力の発生エンジン回転数はロータリーエンジンの場合、8500rpm
一方でレシプロエンジン6000rpmです
またクランクシャフト1回転でロータリーエンジンの排気量はレシプロエンジンの排気量の2.01倍も高い排気量です
するとレシプロエンジンの最高出力92馬力を最高出力発生回転数6000rpmで割ると0.015になります
この0.015をロータリーエンジンの最高出力発生回転数8500rpmで掛けると127.5馬力となり、それをクランクシャフト1回転の差2.01倍で掛けると256馬力となり、ロータリーエンジンのスベック数値250馬力とほぼ同一な結果となります
結論として低い回転域ではレシプロエンジンの方が熱変換効率が有利で、高回転域ではレシプロエンジンもロータリーエンジンも同一になる結果となりました
したがって低速エンジン回転域での熱変換効率が悪いロータリーエンジンは燃費が悪くなるのもうなづけますよねぇ~

以上、さーぱぱの「ロータリーエンジンとレシプロエンジン」の出力比較の座学を終了します

ご清聴、ありがとうございました



Posted at 2015/10/18 17:14:15 | |
トラックバック(0) |
クルマネタ | クルマ