初めてのマス・ツーリング
私はバイクでのマス・ツーリングは何度もあるが、一番ヤなのは車間に決まり事があって千鳥で走るヤツ。某メリケンバイクなんかがよくやってるが、ああいうパレード式は性にあわない。駅や銀行以外で並ぶのはキライなのだ。
で、クルマのマス・ツーリングは初めてなので、一体どういう風になるのかナーと思ったら、特に決まりもなく、各自が好きに走るといった形式だったので、とーても楽なのだ。ただ、普段は品行方正な3名のエキスパートが、抜きつ抜かれつを繰り返し、速度計と私のエキサイト計の針はどんどん右に傾いてゆくのではあるが。
しかしまァ、お世辞にも売れたクルマとは言えない500がワラワラと走っている光景はとても新鮮かつ異様である。マツダが国内シェア90%を取った次元に迷い込んでしまったような感じ。ダレがどのクルマかもよーっく見ないと判別が付かないが、まぁいいやと、適当に走りながら写真を撮ったがブレまくり。車線もぶれた。(すすすさん、ゴメンナサイ)
途中、5速からギアがフツーに抜けなくなり、ムリクリ引っこ抜いてリバースギアをカジったりもしたが、我が500は至って怪いや快調に中央道を走破。このクルマで高速をこれだけ走ったのは初めてだった。
凄いヤツラが到着
中央道を降り、他地区のメンバーとの合流地点「スカイライン博物館」の駐車場に到着。するとエキサイティングなサウンドが聞こえてきた。何かと思ったら、来るわ来るわ、噂の倒壊いや東海メンバーである。小さな高級車テイストではなく、BTCCのノリであり、フツーの500達ではない。その多くは2.5リッターのKLに換装されているからオソロシイ。しかし、こういう500もなかなかイカしてるじゃぁねぇか!と感心。同乗する妻子を吐かせる大径ホイールと固いショックを履かせたくもなった。
スカ博は当然、スカイラインだらけで、「喫茶・軽食スカイ」では「スカイラーメン」なるものもあった。きっと、ゴンちゃんが社長になるまえの日産のように、アツくて血と汗と泥と鉄粉の味がするのだろうと思ったので食べなかったが、メンバーの多くは勇者なのでコレを食べていた。普通のラーメンだそうだ。私が料理長だったら、ドンブリの底に社長の顔を描いて、スープを飲めば浮き出るようにするになぁ。もう。
ああ、何だこの感覚は…
ここは当然ワインディングが豊富な場所。スカ博にたどり着く直前、私の前を走っていた「某先生」が、猛然とコーナーに突っ込んでスキール音を鳴らしたが、その音を聞いた瞬間に頭の中で何かがハジけた。昔「プッツン」てのが流行ったが、アレだ。
私は前に乗っていたNAロドスタを大破させたことがある。FRは尻も出やすく、調子に乗っていたらついにオツリを払いきれずにヤってしまったのだが、その時の「コントロールできない恐怖感」は、「中古部品を使っての修理代80万円」、「ごめんねロドスタ」や「ヘタクソは道のハジっこピヨピヨ走るべき」が虎馬的戒めとして残っていた。500を買ったとき「コレは美しい『孫送迎車』なのだッ!」と割り切り、クネクネ道を楽しむのは長年の肉いや相棒『カワサキ』の役割だと決めていた。
ところが、その音を聞いたとき、私はいつもと違うブレーキタイミングでコーナーに突入していた。車体は大きくロールし、体はシートから外れそうになり、トランク内の荷物はドカドカと音を立てる。ノートPCやデジカメが無防備に入っているが、だからどーした?である。
もう、ガソリン代なんて気にしないもん
その後、宿までのワインディングは続く。ある番組の企画でバレー部の特訓に行った松岡修三は、「気合い」は教えられても「技術」は教えられないもどかしさに耐えられず、全然カンケーないテニス部に乱入してしまったが、まさにその時の私がそんな感じだった。
ハンドルをグルグル回さなきゃいけないのが、体重移動ができないのがもどかしい!このクネクネ道をバイクでブッ飛ばしたい!
たれか、たれかバイクを持て~い!
と、思ったものの、そういうワケにゃいかない。他車は手の行き届いた2リッター車どころか2.5リッターもいるワケで、運転経験も豊富な猛者共だ。燃費走行は諦め、高回転でガソリンをブチまいて喰らい付いていくことに。
すると、横Gに吠えるK型サウンドに興奮する自分を不思議発見。段々と体の預け方、ハンドルの裁き方も慣れてくると、自分の500の状況も見えてくる。とにかくあらゆる箇所がヘタリきっているのだ。この辺りはバイクと同じと判断し、フニャガタピシなハーレーで峠を飛ばした時の事を思い出してみる。丁寧な初動と一発で決める操作を心がけると、段々と乱れずに走れるようになってきた。
しかし、このペースも彼らにとっては「軽―く流す」程度なはず。いやはやなんともオソロシイ。
(ツヅク)
Posted at 2005/10/26 23:50:03 | |
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たのしいじだうしゃ | 日記