
17~18年くらい前の話になります。
ある研修でタイに行きました。滞在中の3泊は山岳民族の村でした。
その村人たちは大昔は首狩り族だったというので、研修に参加した皆は「大丈夫なのか?」と心配していました。黒装束の村人と対面したときは「雰囲気あるなぁ・・。」と思ったものです。
現地では村を見下ろす位置にある学校(といっても倉庫みたいな小屋です)が拠点になります。正直、村には入りたくありませんでしたが、交流と称して1泊だけ村人の家にホームステーすることになりました。
皆、お邪魔したくはありませんでしたが、その夜、村の広場に集められました。広場の中央には炎が燃えています。キャンプファイヤーのような気分にはなれません。
村の霊媒師といわれる人物が何やら呪文のようにブツブツ言いながら炎の前で奇妙な動きをしている。我々の身に憑いた悪霊を祓っているのだという。
除霊の儀式を終え、各家庭(?)に2~4名づつ「こんばんは。」します・・・が、私の前の3軒は「おまえたちは呪われている。」といった言いがかりをつけられ、ステイを断られていました。私は「いいなぁ~。オレの泊る家も断ってくれないかなぁ・・。」
ところが・・「まあ、入れよ。」だってさ・・・。
高床式、竹編みの床と壁、屋根はワラぶき、床下には家畜の豚が飼われています。
タバコの交換やら日本の玩具をプレゼントしたり、一通りの交流後、就寝となります。我々の寝る場所は外と茶の間(?)の間の前室です。ドア(?)の左右に分れて2名づつ並んで寝ます。はっきり言ってギュウギュウです。「ヤツらが寝静まったら帰ろう。」と企んでいましたが、皆、寝落ちしてしまいました。
深夜、あまりの静けさに目が覚めた・・というか、何かの気配に起こされたというのが正解でしょう。
僅かな光も無い空間、どんなに目を凝らしても闇以外ない場所・・だったはずなのに・・。
寝ている私を上から覗き込む人影が数人。シルエットは間違いなく村人の装束。それが私を取り囲むように、そしてジワ~っと迫ってくる!
当然、動転しました。枕元に置いてあった懐中電灯を探し、点灯!
照らされたのはワラの屋根・・・。隣で寝ていた人をたたき起こして「オレは帰る!」
真っ暗な中を走って拠点の学校へ。
翌日、皆にそのことを話しました。村人が麻薬に近いものを吸ったりしていたのかも知れない・・という話も出ました。幻覚の可能性があるということです。「そうだったのかなぁ・・。」
霊感なんて自分には無い、年齢的にそういうものを見ることはないだろうと思っていましたが、まさか異国の地でこんな体験をするとは・・・。
いまのところ生涯唯一の心霊体験です。二度と御免ですが・・(^_^;)
Posted at 2015/07/30 23:02:56 | |
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