そうきたかっ！

うちの学校、算数は少人数。
苦手意識の強い子を俺が預かり、あとは均等に分けている。
苦手意識は強いけど、やる気のある子たちだから、授業は活発。
でも、苦手意識があるだけに、苦労することも多々。


さて今日は、分数の授業。
「分母と分子が同じ数なら、１と同じだよ」ってことを分からせる授業。
まずは、前時に教えた内容の復習から。
黒板に問題を書いた。
おもむろに黒板に「４分の３」と文字で書く。
４と３から、それぞれ吹き出しを出す。
そして、全員起立。
「吹き出しに入ることば、な～んだ？」
俺の求める答えは「分母、分子」だ。
俺の耳元で答えを言って、正しければ座ってよし。
まちがっていたら、正しい答えが出るまで立ちつづける。

…我がクラスの子どもたち、この活動が好きでねぇ^^;

間違いが続くと、ヒントがもらえる。
今日の第一ヒントは、「おんぶのまね」。
もう分かっている子は分かっていて、「そうそう、おんぶなんだよ」なんて言っている。
ある子なんて、「お母さんがおんぶするんだよ」なんて言ってる。
もう答えじゃん（笑）

でも、間違いは続く。
そこが我が算数学級なのだ。
で、次のヒント。
黒板の吹き出しの中に「分」と書き込む。
「あ～、もう分かるでしょう！」
分かっている子が、もどかしそうに叫ぶ。
それを聞いて、また友だちのヒントや俺からのヒントで、「分かったよ」という顔で近寄ってくる。

そう。
彼の頭の中には、きちんと答えが用意されていた。
それも、破壊力抜群の。

にこにこ顔の彼は、小走りに俺に近づいてきた。
そして、もう一度「分かったよ」とつぶやいた。
ようやく答えにたどり着いたのだ。
昨日の学習内容を思い出した気がするのだ。

そして、彼は俺の耳元に口を近づけ、他の子に聞こえないように、こう言ったのだ。

































「わかったよ、先生！親分と子分！」
…ヒントが悪かったかぁ。