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2018年05月04日

【大衆ヒストリックカーの勧め】Vol.3 クルマ選びを楽しむ②フィアット500

【大衆ヒストリックカーの勧め】Vol.3 クルマ選びを楽しむ②フィアット500 ◯クルマを人生を満喫するツール フィアット500(愛するイタリア)

ビートルの次に買ったのはフィアット500であった

フィアット500への憧れは、カリオストロの城から始まる

当時、宮崎監督はほぼ無名
公開時は話題にもならず興業的には大失敗

しかし口コミで、その良さが広がったのは公開から5年以上たっていた
当時インターネットはなく本当に口コミである

宇宙戦艦ヤマトに夢中だった自分が何かのきっかけでカリオストロの城を観る(たぶんTV放送)

それは衝撃的な感動だった

それからカリオストロの城を観るために毎月ピア(雑誌)を見て小さな映画館に足を運ぶようになる(中学生〜高校生くらいの間)

この時点ではフィアット500も2CVも、ほとんど知らなかった

フィアット500が大塚監督、2CVが宮崎監督の愛車だったことを知るのはだいぶ後

ビートルの購入当初候補に上がらなかったのは情報がなかったから

再度興味を持ったのは
雑誌での、とあるユーザーのチンクライフの記事
そこには苦労の連続とチンクの面白さ、チンクで繋がった交流が書かれていた
その人間味のあるライフスタイルに憧れを持つ

イタリア車には2面性がある

フェラーリを頂点とする美術工芸品としての価値
芸術の国ならではの美を愛する心
これは貴族文化の延長

階級社会であるヨーロッパならではともいえる


もう一方がフィアットに代表される大衆文化としての価値

人生楽しまなきゃ損!、一般的なイタリア人の価値観はこちら

大衆文化としての価値においてクルマは脇役である。
人生を共に楽しむ相棒ではあるが、あくまでも主役はヒト
自分以上にクルマが目立ったは意味がない
だから飾り気のないクルマが好まれる

自分が楽しむためにクルマも一緒に楽しむ
どうせ乗るなら楽しまなきゃ損
それくらいの感性である

クルマに愛情を注ぐが、その何倍も恋愛が大好きである
クルマに時間をかけるよりも、恋人との時間を優先するのは当たり前

イタリアの広告を見ているとクルマ以上に魅力的な女性が花を添える
こんな素敵な女性とお付き合いするには、こんなクルマが良いですよ!
ある意味クルマは邪念の道具に過ぎない

そしてフィアット500

そんなイタリア車の中でもこのクルマは特別な意味を持つ

ひと昔前まで若者の最初のマイカーはチンクが定番であった。
親類縁者、もしくは知人友人のつてでボロボロのチンクを手に入れる。
それでも始めてのマイカーが楽しくないわけがない。

いく先々で壊れは直し
狭い室内は彼女(彼氏)との距離を縮めてくれる

イタリア人にとってチンクは青春そのものであった


そんな人間味あふれる魅力に早くから取り憑かれていたのが、大塚監督である
モノが溢れる今の時期ならともかく、高度成長期で新しいモノが一番良いとされていた時代にチンクに惚れ込んでいた
当時の感覚では相当な変人だったはず

そして作画しづらいメルセデスSSK(←これはポルシェ博士の設計)に代わりチンクがブラウン管の中、そしてスクリーンを走り回る事になる


先の雑誌の記事とカリオストロの城への憧れが、チンク欲しい病を発症させる

ある時ヤフオクで格安不動車のチンクを発見
何か感じるものがあり見に行くことに
その赤いチンクは長い間住宅展示場のマスコットとして置かれていたもの
年式は71年式のLタイプでフルノーマル
オーナーいわく、娘さんに乗せるためイタリアから輸入し一旦走れるようにしたものの、娘さん自身が海外に行ってしまい住宅展示場のオブジェとなったものとのこと

一応エンジンはかかりボディの腐食が無かったので、後は順次レストアするつもりで購入

この順次レストアするつもりで購入が、大きなツケになる

ビートルであれば基本がしっかりしているので、放置してあった車両でも消耗部品をある程度交換すれば
どうにか日常で使えるレベルになる

チンクはそんな夢をことごとく打ち砕く
放置してあった車両の部品のほとんどが使えないケースが多い
ボディ本体以外の全てのパーツが消耗品と思った方がよい

チンクの生い立ちはスクーターユーザーの取り込みである
ともかく安く作ることが第一優先で耐久性は二の次
そもそもスクーターの代わりであるチンクが高速道路を走るという想定すらなかっただろう

そんなチンクが現代の交通事情で走ったら、駆動系(エンジン、ミッション等)はみるみる消耗する
高速走行を前提としていたビートルと根本的に造りが違う

結局まともに走るようにするのに、主要部品を殆ど交換する事となってしまった

チンクに限って言えば、自分自身で整備出来る環境のある方以外は
放置されたボロを買ってレストアしながら乗ろうとは思わない方が賢明

逆に言えば、モンキーのエンジンをバラしたりしている方で置き場があれば、レストアを楽しみながら仕上げていく事は可能である(ボディがまともである前提)

これは他の3台に比べてエンジンの構造がシンプルで小さく軽いので、一人でも積み下ろしがどうにかなる事に起因する(2CVも似た部分はあるが)

自分はそういったことの出来る環境にないが、自身でエンジンを下ろしバラすチンクオーナーも多くいる
それができれば維持費は安いクルマといえる

ちなみにチンクの名誉のために言えば、未舗装路をガンガン走る事が前提なのでボディ剛性や足回りのシッカリ感は、同年代の国産車より遥かに上である

結局、約半年かけて専門店でセミレストア
お店で買うより高くついてしまった
それでも予算の関係でフルレストアまでは出来なかった

乗り始めは全然効かないブレーキとノンシンクロのミッションに相当苦労した

しかし650ccにボアアップし完全に組み直したエンジンは絶好調
ラグトップを開けて走る爽快感はサイコー
空冷OHVエンジンのフィールを感じながら
肘を窓にかけて運転すると自分とカリオストロのルパンとが重なる

ワインディングでがオーバーステア(リアが流れる)で怖い思いもするもの、圧倒的に小さいこともありコマネズミのように自由自在なライン取りが楽しめる
車重は約500kg、軽量ボディであるがノーマルサスは盛大にロールする
そのロールの反動も利用して狙ったラインに乗せていく
思ったラインには、なかなかのせられないが、決まった時には思わずニンマリ

慣らしが終わり真夏がやってくる

リアのエンジンフードを少し開けて走れば高速巡航まったく問題ない

街中でも一般車と走る時は全開が基本
タコメーターが無いので、回転フィールが落ちるまでぶん回す
ツインエンジンのビートはマルチシリンダーとは違った高揚感が得られる
一生懸命走ってもスピードは遅いものの、その面白さと充実感は格別

一方、単独走行になればスピードを緩めトップギアでトコトコ走る
あえてアクセルのオンオフを仕掛けてエンジンフィールを楽しむ(バイクでいう空冷400ツインや空冷250ccのシングルに近いフィール)

クルマの面白さと絶対的なスピードは関係ない
そんな事を改めて実感する

しかし、走れば走るだけ消耗するのがこのクルマの宿命
交換してなかったパーツが順に壊れていく

それでも走るのは、やめられない

走るだけで面白いという点では4車中トップである

そんなチンクで10万、20万キロと走る強者もいる

パーツ交換が一巡してしまえば、次の交換時期は予測できる

ここまできて、はじめてスタートラインにたったようなものである

最初に買ったチンクも、あとミッションのオーバーホールすればスタートラインにつけるところまできていた


そんな時に知人がアバルト695を手放すので欲しい人がいたら紹介して欲しいと頼まれる
通勤でクルマを使うことになり、通勤用にロードスターを買ってしまったので
2台あるうちの1台を手放すという

色々声をかけてみたが、ここまでマニアックなクルマが買える人がすぐに見つかるわけでなし

結局自分が引き取ることになってしまった

このアバルトはフルレストアされてから10年以上たっており、消耗品の交換も2周目に突入していた
スタートラインに立つのが、また先に伸びてしまったのである

そんなアバルトが今では自分のアイコンになりつつある


旧チンクの良さは新型チンクユーザとの接点が多いこともあげられる

実は新旧のチンク2台持ちの方もかなり多い

新旧ビートル、新旧ミニを持っている方はあまりきかない
旧チンクの流通量を考えると異常な割合ともいえる

旧チンク乗りでも、新チンク乗りの方と気軽に交流が出来る
新旧合わせてチンクライフを楽しめるのが、他の3台との大きな違いかもしれない


次回は2CV‼️

ブログ一覧 | 【大衆ヒストリックカーの勧め】 | 日記
Posted at 2018/05/04 22:09:34

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この記事へのコメント

2018年5月5日 6:11
以前,飛び石でフロントガラスに盛大にヒビが入ったときに,思わず肘でガラスを砕こうかと思ったのはナイショです(笑
コメントへの返答
2018年5月5日 8:56
「まくるぞ〜っ」と叫んだら、おしまいでしたね‼️

逆境にたった時「面白くなってきたがった」と言えれば、大物ですd(^_^o)⁉️

プロフィール

「取材を受けたビートルの動画が公開されました
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