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2015年04月10日

単純なんだけど難しいISCとTPS

単純なんだけど難しいISCとTPS 銀VR号、今年の車検はほぼ10年ぶりにディーラーに丸投げしました。そのほぼ10年前のモータースでの車検で指摘があったフロントのロアボールジョイントを交換して貰う為・・・というのも理由の一つだったんですが、もう一つが温間時のアイドリングでハンチングが起きるのをちゃんと直して貰う為。

スタリオンのアイドリング制御は、今の車と同じようにTPS(スロットル開度センサー)とISC(アイドル速度サーボ)でアイドリング回転数を一定に保つようになってるんですが、この調整がなかなか一筋縄ではいきません。変に弄ると動作がめちゃくちゃになって、アイドリングで大なり小なりハンチングするようになります。銀VR号は最初からハンチングしまくってましたが・・・。かといって、ISCを切ってしまうと、急激なエンブレを掛けた際やエアコンを掛けた際にエンストしてしまうことが多くなると思います。ISCはエアコンのアイドルアップや、エンブレ時のスロットルバルブの戻る速度を緩和するダッシュポッドの役割も持っているからです。

関連する部品はTPSISCMPS(モーター開度センサー)、アイドルスイッチ固定SAS(「原則弄ってはいけない」スロットル調整ねじ)、ISC調整ネジの6つなのですが、この6つの役割をちゃんと理解して調整しないと、多分ばっちり調整するのはかなり難しいと思います。私も8割方は理解できかかってたのですが、これから書くことが本当に正しいのかどうかがちょっと自信がなかったので、結局ディーラーに投げました。。。

スタリオンのアイドリング調整で努力目標とする事を3行位で書くと、
ISCが初期位置(MPSの出力電圧が0.9V)の時に850rpmになるようにISC調整ネジで回転数を調整して、その後TPSの出力電流が0.50Vになるように回して調整する。固定SASは最初思いっきり緩めて、最後出来るだけ締め込むけど、スロットルに触れるのは原則NG。アイドルスイッチはスロットルが全閉の時だけONになるようにする。

・・・これだけです。これだけなんですが、この6つの要素のどれをどう弄くると他の5つの要素に影響を与えるかが、各部品の説明を順番に読んでいっても、ぱっと理解するのが結構大変なんです。このトピックで載せている写真は全て某所で公開されている北米コンクエストの88MY用整備書のもので、国内GSR-VRの88年追補版には書いてないこともかなりあるのが厄介です・・・。

1.TPS

スロットルバルブの開度を計測する黒いセンサー。ネジ2本を緩めるとデスビのように回転させて調整できる。3本の配線が出ていてどの組み合わせかは忘れたのですが、アイドリング回転数が850rpmの時に0.48-0.52Vの間に電圧が収まっている事が絶対条件。幾ら回しても規定電圧が出ないものは不良品です。確か開くと電圧が増えて、閉じると電圧が減るんだったかな? TPSが0.5V前後の電圧になるように、ISCは伸び縮みするのですが、この時調整がいい加減な結果、回転数が高くなりすぎるとECUが回転調整を強制的にカットしてしまうので、TPSが「回転数が低い」と誤検出→ISCが回転を上げる→ECUがISCをカットして回転が下がる・・・という動作が繰り返される事でハンチングが発生するようです。

2.ISC

TPSの出力電圧に従って伸び縮みして、スロットルバルブを動かすサーボモーター。アイドルスイッチとMPSを内蔵。確か部品が国内では欠品だったはずなので、動作がめちゃくちゃでも動いてくれている内はまだ良い方で、動かない方が却ってヤバイと思います。これも確か3本だったか4本のリード線が出ていて、コネクタで繋がれています。キーをONにしてエンジンを掛けずに15秒位待つと、後述のMPSが0.9Vになる位置まで伸縮して止まるので、この状態でコネクタを外してサーボを止めた状態でアイドリング回転数を測定し、850rpmになってない場合はISC調整ネジで回転数を合わせます・・・。

3.MPS

ISCに内蔵されているセンサーで、サーボモーターの初期位置を検出するものです。前述の初期位置合わせの際に0.9V(例によってどの配線で測るのかはよく分かっていないのですが)になっている事が絶対条件で、これから外れるものは不良品。モーターが動くものでもISC全体の交換が必要です・・・。回転数が850rpmの時にTPSが0.5V、MPSが0.9V、両方ともきちんと合っていないとそれぞれが規定値を求めてばらばらな動作をするようになるので、ハンチングの原因になる・・・のだと思います。

4.アイドルスイッチ
5.ISC調整スクリュー

アイドルスイッチはISCの先端に付いているON/OFFスイッチ。スロットルが全閉になりISCのリンクレバーがスイッチに接触してONになると、ISCによるアイドリング調整が始まり、スロットルが開かれてレバーがスイッチから離れるとISCがカットされます。
同じ絵図の中に描かれているISC調整スクリューは、ISCを初期位置に合わせた際のアイドリング回転数を手動調整するもの。ただ、これでいくら調整しても、MPSが0.9V出てないとISCは正常に動作してくれないみたいなんですけどね。

6.固定SAS

絵図の中ではFixed SASと書かれているもので、スロットルアジャストスクリューという名前ではあるんですが、原則は動かしてはいけないものという、なんとも矛盾する存在です。ISCの調整時に最初に緩めて、最後に締め込むネジで、これをねじ込んでいくことでもスロットルが開いていくので、ISC同様にアイドリングの回転調整に使えなくもないのですが、これを締め込みすぎるとアイドルスイッチが常時OFFになってしまうんだったか、ISCの縮み側(スロットルを閉じて回転を落とす側)の調整が阻害されてしまうので、ISCが正常に作動しなくなります。


上記の6つのそれぞれの役目とNG事項・・・
starquest.i-x.net - TPS INSPECTION/TEST & ADJUSTING
http://starquest.i-x.net/viewtopic.php?t=907
この辺りのことはstarquest.i-x.netなんかでもかなり詳しく書いてありますが、これらを理解した上で、この絵図をざっと眺めて、それぞれが何をやってるのかを理解できる人じゃないと、国内88年追補版の整備手順・・・

StarQuest USA - Idle Set Procedure
http://www.starquestusa.com/t5-idle-set-procedure
fighterzeros starquest home - TPS reset how to
http://fighterzero.4t.com/custom.html

英文サイトでは上記2つ辺りが国内整備書とほぼ同じ手順書いてあるんですが、デジタルなりアナログなりの回路計(テスター)だけを使ってISCを調整するのはかなり難しいんじゃないかと思います。



正直、この概念を把握しながら手動調整をするのはかなり大変(私も最終的にはめんどくさすぎてぶん投げましたし)な為か、北米の整備書では「ISCの調整には原則としてECIチェッカーを使え」と明記されています。このチェッカーの指示に従って順番に調整をしていくことで、特に何も考えなくてもISCが初期位置の時に850rpm、MPSは0.9V、TPSは0.50V、アイドルスイッチはスロットルが全閉の時だけONという調整結果に行き着くようになっているみたいです。

なお、北米の整備書には各センサーの個別の良否点検法も書かれているのですが、国内88年追補版ではECIチェッカー云々の話共々丸々省略されてた覚えがあります。その前の2L時代の86年追補版で既出だからなのかもしれませんが・・・。ディーラーやモータース含めて、88年追補版しか閲覧できない環境の人だと、下手をするといつまでたっても正常な調整法が分からないまま終わる可能性もありますよね、これ・・・。

どちらにしても、車検と同時にISCの調整を頼んだ際に、古いECIチェッカー、倉庫の奥にまだあったっけかなぁ・・・?と、最初からECIチェッカーを使う前提で取り掛かってくれたディーラーの整備士さんには感謝しなければ。診察の結果、TPSの電圧が規定値ギリギリの為いずれ交換が必要ながらも、ハンチングは最初の状態からかなり少なくすることが出来たという事なので・・・。

150417追記:銀VR号のTPSの電圧値は規定よりかなり低く、一杯まで調整しても0.35Vしか出ていなかったとの事。この場合、TPSの基準電圧が低い方向にずれているので、ISCはアイドリングを上げる方向に作用します。ハンチングは頻度は減ってますが、起きることは起きています。回転数を600rpm台に下げておいて、アイドルアップしたとき850rpm前後になるようにしたんでしょうかね・・・。いずれにしても、予備部品探さないとなぁ。

さらに追記:TPSやアイドルスイッチの個別点検の際のピンアサインはstarquest.i-x.netに全部載ってますね。参考までに。

あと、国内VRのTPSはMD614078。86年以降の2.0Lと共通みたいです。
http://www.yoyopart.com/oem/14291606/mitsubishi-md614078.html

それ以前の2.0LはMD608997の統合部番で、こちらの方が互換部品が多いみたいです。
http://www.kakapart.com/search/defaultsearch/md608997

Replacement TPS for our cars
http://www.starquestclub.com/forum/index.php?showtopic=110169
なお、starquestclub.comでは、互換部品の少ないMD614078向けの裏技として、コネクタ付け替えればヒュンダイ・ソナタ2.4LのTPSがそのまま使えるらしいという、かなり恐ろしい事が書いてありますね。MD614078は純正も互換もかなり高いので、私はこちらを試すかも知れません。。。
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Posted at 2015/04/11 00:24:46

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この記事へのコメント

2015年4月11日 19:47
こんばんは~

ただでさえ難しい調整が・・・

古くなると部品まで疑わなければ
ならないとなると更に困難ですね。

一番安いダイアグノシスあるけど
重症だとあまりあてにならない事
がわかった(汗
コメントへの返答
2015年4月17日 1:43
どうもです。

資料を読むとギリギリ理解できそうで、でもイマイチチンプンカンプンですね。。。

TPSが電圧でない原因は、センサー自体もそうなんですが、センサーから出ているリード線の劣化やハンダの状態、コネクタの接触抵抗なんかでも左右されるみたいで・・・。

記憶が正しければ、TPSって内部はキーシリンダーみたいなスライド接点だったと思うので、予備部品が手に入ったら、一度分解して清掃とグリスの詰め直し、リード線のハンダの点検なんかもしなきゃいけなさそうです。
2015年4月11日 23:07
こんばんは
アイドリングのハンチングには
ボクも悩まされた記憶があります

しかしこうやって整備解説書見ると
車って複雑なんだなぁ~~と関心してしまいます
コメントへの返答
2015年4月17日 1:46
どうもです。

うちのはファーストアイドルは安定していて、温間になるとハンチング気味になるので、診断通りTPSが不味いんでしょうね・・・。

北米の整備書が国内に比べてやたらに詳細なのは、国内のような「追補版」の概念が無いから? かもしれませんね。いずれにしても、starquestgarage.comの88年版と86年版のPDFは国内オーナーも必携と感じますね。
2015年4月12日 7:39
おはようございます
SPI形状がランタボと同じなので大変参考になります。
ウチにある整備解説書(G6エンジン83年)もここまで詳しくは載ってませんので、勉強させて頂きました。
ハンチング症状、ウチもたまに出ますがISC先端のアイドルSWを接点復活剤で都度洗浄で凌いでます(昔のAM誌掲載でランタボ蘇生作戦の記事参考)
コメントへの返答
2015年4月17日 1:49
どうもです。

ISCのアイドルスイッチも接点不良ありえるとは初めて知りました・・・こちらも勉強になります。

まずはTPSを替えてみて、それでも継続するようならアイドルスイッチも疑ってみます。色々やってますが、インジェクションミキサ回りの全バラシは未だにやったことが無いので・・・。
2022年11月8日 16:21
初めまして。いきなりの投稿すいません。
ISCが全く動かず途方に暮れております、、、
現在手に入るショップ等はあるのでしょうか?
MD608984がパーツNOなのですがどこにもなくて、、、
お力を貸してくださいmm

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「なお、最近は投稿する暇がなかなかないですが、3台とも大過なく維持できています。プラグのネタは書きたいですけどね。」
何シテル?   02/02 02:45
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