嗚呼！わが青春のサバンナRX-7（SA）

1977年に四輪免許を取得して、初めてクルマの楽しさを学んだのがこのサバンナRX-7（SA)でした。

当時は多くの若者が「クルマが無ければ青春が始まらない」と信じ、「クルマがあれば青春を謳歌できる」と妄想していた時代でした。しかもケンメリやLBなどのように２ドアクーペorHTスタイルが求められていたのです。

高校時代からのブンブン仲間の親友K君も同じようにモンモンとしていたのですが、ある日、彼の親父さんが当時衝撃的なデビューを飾ったRX-7（当時は本格的な排ガス規制がスタートした時で、日本ではスポーツカーやリトラクティブH/Lは認可されないなどの噂が信じられていたが、それを覆すマツダの剛速球ストレートがサバンナRX-7だった）を購入したのです。

K君の親父さんは建築系の親方なので、昼間は毎日現場廻りにRX-7を使っているのですが、夕方必ずスタンドで満タンにして帰宅します。しかも帰宅後は晩酌が待っていますので絶対にクルマで乗り出して行かないのです。こんな素晴らしい状況をK君も自分も逃すわけはありません。毎晩のように車庫からRX-7を引き出しては、第3・横新・保土ヶ谷バイパス・246と、クルマを走らせる楽しさを満喫していたのです。
今想えば、親父さんは、一人息子のK君をいつ大怪我するか分からない二輪から足を洗わせたくて大目に見ていたのですね。自分までご相伴にあずかり、ありがとうございました。

結局、ほぼRX-7を自由に使えたからと言って、青春の妄想は成就できなかったのですが、クルマを走らせる楽しさを知りマツダの技術者がRX-7にこめた情熱を感じたことで、それから30年以上を経てもクルマ好きな自分がいると云う気がします。

スカイラーク、UCC缶コーヒー、セブンスター、柑橘系ポピー・・・・
今もサバンナRX-7のコクピットは、70年代の香りに包まれたままのような気がします。