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2014年01月25日

[欧州フォード] フィエスタmk7.5 試乗

[欧州フォード] フィエスタmk7.5 試乗

新型フィエスタの正式デビュー(2月1日)を前に,この土日(1月25日~26日)に特別内見試乗会が各地のフォードディーラーで開催されています。今回は最寄りのディーラーに同行号の部品発注と合わせて新型フィエスタに試乗させていただきました。


今回のフィエスタは近年のフォード車の中でもとくに評判が良いようで,スタッフの方々もいつもより(?)笑顔に溢れ,珍しく(失礼)お客さんも途切れなく訪れている印象を受けました。




 
ブルーキャンディ色の展示車。光の浴び方で色味が変化するのが室内でも分かりました


 
屋外にはエクスプローラーも多数在庫。手頃なフォーカスmk2の中古車も増えていました


 
展示車のうち1台はすでに成約済み。他のディーラーでは納車が始まっているところも。
売れ筋の国産車なら珍しくないことでしょうが・・・



部品発注後,いつものように一人で自由に試乗させていただきました。いつものようにディーラー前の国道~峰山公園までのルートを辿ります。市街地,郊外,細い山坂道をコンパクトに一通り走ることができます。

 
同行号と同じように踏み込むとあっという間に時速XXkmの世界に・・・

走り始めてすぐに,先代フィエスタ(GHIA/GLX,1.6LNA・4AT)のネガを見事に打ち消していることが分かりました。新型フィエスタの正体は「同行号がなりたかったフィエスタ」でした。同行号(先代フィエスタ)をどう弄っても達成できなかった世界がそこにありました。

先代よりしっかりした足回りながら段差は先代より確実にいなし,エンジンは高回転域まで回してからアクセルを緩めなくても確実にシフトアップ&加速します。先代前期型では軽自動車のようだったバルクヘッド~ダッシュボードは,エンジン音単体なら先代よりやかましい3気筒ターボの騒音を見事に遮断しています。先代で対策できないエキマニ~触媒からの壮大な排気音もなく,ドライバーに必要なエンジンや足回りの情報はしっかり伝えつつも安っぽさやガサツさは微塵も感じられません。

Dモードでも踏み込めばフォーカスmk3のパワーシフトよりも鋭敏にエンジンが反応します。多段化・DCT化されているパワーシフトはMTより反応が早く,アイシンのトルコンATより滑らかで,初期のDSGより洗練されています。ステアリングの操作に対する身のこなしから感じられる剛性感と俊敏性は,シャシーを共有しながらもしなやかで軽快な印象のDEデミオとは相反する重圧感とスポーティさを感じられます。



峰山高園の駐車場で偶然にも先代クーガに出会ったので記念撮影


今回の試乗中に3回ほどバック駐車をしました。新型フィエスタに標準装備のバックソナーとバックカメラは非常に便利でした。

これまでは「小型車にそんなものなくても・・・」という意識が強く,バックカメラ付きのミニバンを駐車する際にも有り難みを感じる場面は少なかったのですが,今回はイイネ!連打です。

とはいえ,サイドミラーや後方視界にとくに不満や不安は感じませんでした。


試乗車はすら@さん号と同じホットマゼンダ。実車は写真で見るより可愛らしく(うり坊)先代のフィエスタの影も見えました


山頂までたどり着く頃には,エアコンの効き方が日本車のように洗練されたことにも気づきました。エアコンの能力の向上というよりは,送風・室内空気の循環のシステムとサイドドアの気密性が大幅に改善されていることが寄与していると感じられました。先代比で,よりCセグメントカー的な資質を備えたと言えると思います。


サイドドアのドアノブのマウント強度とスピーカーの制振を両立した配置は,実用性と音場の確保を兼ね備えており,先代で苦労した(?)身としては「フォードさん,分かってるじゃない」という感じです。

 

日本には正規導入されなかったマイナーチェンジ前の欧州仕様のフィエスタ(すら@さん号,前期末期型)との違いも興味深く観察しました。現行フィエスタが欧州で発売されたのはすでに5年ほど前ですが,メーター類,センターコントロールシステム&モニター,電子式ステアリングのフィーリングは現行内で正常進化しています。ボンネットの膨らみやグリル類のデザイン変更は対人衝突時の安全性に配慮されています。

欧州では現在もスペアタイヤがオプション設定だったりしますが,日本仕様では標準装備。ちなみにトランクルームは収納性だけでなく,先代でほとんど施されていなかった遮音処理もしっかりなされています。



先代には「遮音?なにそれ大衆コンパクトカーに必要?」みたいな世界が拡がっていましたが,新型フィエスタではシートベルトバックルにもしっかりと異音対策がなされています。えぇ,同行号ではDIYで対策したものでしたよ。


 

新型ならではの不満や不安もいくつか。ステアリングがやや太すぎる&ワイパーレバーがステアリングに近すぎる気がします。曲がりくねった山坂道を攻める(試乗車なので攻めていないはずですが)ときはステアリングを操作する手とレバーが干渉しやすいです。

センターユニットはワタシ好みのボタン設定&配列ですが,流行のピアノブラックは運転中の光の反射や映り込みが気になるのでキライです。所有するならつや消しシート貼りたいところです。



そしてなんといっても新型エンジン&トランスミッション。従来のNAエンジン&トルコンATの整備ノウハウでは太刀打ちできそうになく,維持や過走行&遠征先でのトラブル予防には気を配る必要がありそうです。エンジンルームを開けるといきなりアツアツのエキマニ(の遮熱板)が真正面に現れ,身勝手なDIYを拒んでいます(笑) バッテリーも迂闊に換えてくれるなっていう固定の仕方になっています。

1.6NAに比べると高回転域での頭打ち感も出やすく,MTで元気に走らせるなら欧州でMTと組み合わされる高出力(125ps)の1.0Lエコブーストエンジンの方が似合いそうです。今回のモデルのマニュアルシフトモードは,反応が悪かったり意図的にエンジンブレーキを使えなかったりするのであまり意味をなさないとも感じました。次期モデルではDモードなみにダイレクトなパドルシフトに期待します。

ホイール/タイヤに関しては,インチダウン&もっとグリップの良いタイヤの方がバランスが良さそう,という矛盾した印象を持ちました。低速域における段差の衝撃やざらついた路面でのタイヤノイズが不快さはないものの大きく,ワインディングでは接地感にやや不安を覚えます。欧州で標準の15インチに対し16インチはやや重荷な一方で,シャシーやボディにはまだまだ余裕があるということではないかと思います。これは純粋にタイヤのグレードを上げることでも改善できるかもしれません。

標準装備されるエアロパーツ(欧州ではオプションキット)は,空力的に理にかなっていそうな仕様にはなっているものの,ちょっと暑苦しくヤンチャにも見えます。フロントの突き出たスポイラーは,狭い駐車場,縁石,うねりのある山坂道などで擦ってしまいそうです。


試乗後,これまたいつものように同じコースを同行号で巡りました。
試乗車の印象を整理できるとともに,同行号の「課題」を確認できます



日本ではマイナー車ながら,欧州ではBセグメントのベンチマークでありベストセラーであり続けるフィエスタ。現行型はグローバルモデルとなったことで仕様的に中途半端に思える部分もなくはないのですが,街中から山坂道の普段乗り&高速ツーリングもこなす実用車としては素晴らしいバランスを持っています。

とくに,スポーティカーではないのに,「その気」にさせるフィーリングとレスポンスが磨かれている部分はフィエスタならではの美点だと思います。

実用車として割り切られた低グレードモデルや,スポーツ側に振ったSTを導入した方がフィエスタの魅力や存在意義が日本でも広く認知されそうな気もしますが,モノグレードとしては万能な内容になっていると感じました。

いや~フィエスタってイイですね(親バカ)


※ クーガ試乗編に続きます
ブログ一覧 | 欧州フォード | クルマ
Posted at 2014/01/25 23:57:20

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この記事へのコメント

2014年1月26日 0:59
昨日、車好きな友人2人と共に試乗しました。
結局の所、あまりの優等生ぶりに関心するばかりでしたが、3人ともに「MTで乗りたいね」というのが本音でした(苦笑)

エンジンブレーキが効かない点は、私も非常に気になった所です。
その他があまりに出来映えが良い為に、“MTじゃないネガ”が目に付いてしまった印象です。
STが来れば良いのになぁ・・・

・・・あ、それでもやっぱり私は顔がダメでした(爆)
コメントへの返答
2014年1月26日 1:28
小排気量のNAエンジンかSTのようなモデルにはMTが似合いそうですが,実用域の低速トルクに振った直噴ターボにはアクセル操作だけで効率的に変速するDCTが実用車として似つかわしいと私は感じました。ただ,エンジンブレーキを意のままに使えそうにない点はちょっと気になります。この辺はオーナーの方々のインプレやコメントを待ちたいと思います。

上のような懸念もありますが,STにパワーシフトを組み合わせたら,直線加速や山坂道の上りは速そうで,そちらの登場にも興味が湧きました(笑)

顔は私は実車を見たら許せました^^; エアロも要らないと感じていたのですが・・・
2014年1月26日 2:09
週末にカタログ貰いに行ったら試乗車がありました。夕方で後の予約が入ってないとのことで気軽に走ってきました。最初の感覚はやはりフエスタだ!と、ただアクセルはチョコッと踏んだだけで旧車のキックダウンのようなトルク感がありました。

急な坂で停車すると少し下がって発進します。高速走行は100Km/hまでですがハンドルのセンターで少し遊びを感じました。ハンドルを少し左右に振ると厚いゴム底の靴を履いたようなグニャリ感があります。
エンブレの効きなのかアクセルOFFの空走が長かったです。早めにアクセル抜くと燃費を稼げそうです。

エアロパーツとインチダウンが解決出来れば検討かなと・・・
コメントへの返答
2014年1月27日 20:57
まさに先代フィエスタGHIA/GLXを大幅にトルクアップさせた味ですよね。良い意味でフィエスタのままだったので嬉しくなりました。

トルコンATのクリープに比べると,停車中のアシストが弱いか失われる感は私も感じました。グリップとか安定感の不足をタイヤに感じました。直後に試乗したクーガには感じなかったことで,やはり16インチ化にあたり乗り心地や常用域での軽快感に振ったタイヤを履かされているのだと思います。45扁平でであの乗り心地と軽快感はスゴイことなんですけどね・・・

エアロパーツはリアの羽以外は納車時に外してもらって問題ないと思います。インチダウンは過去のフィエスタ用の15インチでいかがでしょうね。オフセットが若干違うようですが・・・
2014年1月26日 11:20
四国に行った時に、同行号とウチのフィエスタを交換して大串公園まで走った時を思い出しますねw
今回のレビューは、まさに、ぼくのフィエスタに乗った時の感想と同じなんじゃないですか。メカニズムは違えど、基本は変わっていないと言う事でしょうね。
ところで、英国仕様車でも、内装の色を選んだりすることができなくなってしまったようで、ますます稀少車になってしまいました。大事に乗っていきたいと思いますw
コメントへの返答
2014年1月26日 11:34
あの時は大串公園までそこそこの距離&いくつかのタイプの道を走行できたので,貴重な機会でした。あの時点で「現行Bセグカーの中でいちばんイイ」と感じましたが,とくにMTの扱いやすさはエンジンが大きなSTシリーズより印象的でした。

パワーシフトな最新フィエスタは先代のGHIAからの相違点と共通点の両方が分かりやすく,良いところを上乗せして悪いところを見事に消してる感じで,先代乗りとして違和感の無さに驚きました。

すらさん号よりステアリングフィールや静寂性はさらに進化していましたが,装備的には余計なもの(?)もたくさん着いてしまった感じです。汚い格好では乗りにくくなった気もしました(笑)

貴重な前期型フィエスタ,これからもお大事になさってくださいね~
2014年1月26日 22:15
そちらのフォード店にはモンデオの中古車もあるのですか?写真に写っているパンサーブラック?のモンデオセダンは程度が良さそうに見えます。もうモンデオの中古車マーケットへの流通もごくわずかになってしまいました。
コメントへの返答
2014年1月27日 17:40
以前はトーラスなんかもありました。写真のモンデオ(パンサーブラックのV6 前期GHIA)はかなり長期在庫になってます・・・

実は同行号を契約した日にこのモンデオにもかなりココロ動かされてました(笑) 今では当時の値引き額より安いプライスタグが付いてます^^;

写真をアップしていませんが,廃車待ちのKAもあったりして,新型が出た嬉しさ以上に旧型が消えていく寂しさも覚えました。
2014年1月27日 17:29
こんばんは。

NEW FIESTA ♪正式発売前というのに、
なかなか出足好調!って感じですね。

いつものことではあるのですが、

Ford の場合、
乗ればその良さが分かるのですが、
なかなか、実売につながらないのが
悩みの種ですから・・・。

このFIESTA が起爆剤となって、
限定的でも、いろいろなバリエーションが
導入されるといいですね。(^^)d


コメントへの返答
2014年1月27日 17:45
今月末にかけてレビューや紹介記事が掲載されたクルマ雑誌が発売されますし,正式デビュー後はテレビCMも放映されるらしいので,効果(?)に期待ですね。

VWのUP!同様にコンパクトカーの常識が覆るくらいのインパクトがあると思いますが,バリエーションが増せばそれもさらに浸透しそうに思います。Dが少ないうちは地道に行くしかないかもなんですけどね・・・
2014年1月27日 18:48
こんばんは

残念ながら今回は お会いできませんでしたが
徳島で試乗できました。(最寄の横浜のDよりインプレしやすい)
DSGといい3気等エンジンといい 完成度高いですね
常識が覆る、高級感をすべてに感じました。 
コメントへの返答
2014年1月27日 18:58
こんばんは。今回は残念ながら徳島まで足を伸ばす機会を設けられませんでしたが,時間が合えば徳島Dで試乗にご一緒できたら良かったですね。

先代乗りとしては全てが正常進化と感じられ,長所が磨かれネガが解消されていた点が好印象でした。欧州フォードの生真面目な姿勢を感じました。

プロフィール

「同行号のエンジンオイルDIY交換(11ヶ月・4.9千km走行)。車両46.1万km・ドナ子エンジン5.7万km。

ロイヤルパープル5W-30→汎用VHVI油5W-30を20W-50で粘度調整、丸山モリブデン追加。」
何シテル?   08/15 15:39
クルマも好きですが運転が好きです。渋滞と加速してからの黄信号は苦手ですが… 生活や仕事のために毎日走りまわっていて,ロングドライブすることも多いです。そん...

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