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2017年04月16日

[the Fiesta] フォード・フィエスタ 40年史 (1976~2016)

[the Fiesta] フォード・フィエスタ 40年史 (1976~2016) フィエスタは史上最高の前輪駆動車である。それはヒステリックな誇張ではなく,あらゆるモータージャーナリストが賛同する事実である。

老婆が商店の駐車枠にPopular Plus(80年代のフィエスタの中核グレード)を駐車枠に収めようとしていたり,XR2(同時期の初代スポーツグレード)がドライブスルーに勢いよく滑り込んでくる。その光景は,フィエスタが過去と現在を紡いでいる。

1977年にベストセラーとなって以来,フィエスタはその座を守り続けている。永く満ち足りた結婚生活を振り返るかのごとく,その小史を見つめ直してみよう。




MARK 1(1976-1983)
1973年の石油ショックは世界中の自動車市場を大きく揺るがした。それより早くから,フォードは消費者のニーズの変化に対応しうる維持費のかからない小型車の開発に取り組んでいた。「今まで誰も見たことがない他の何よりも優れた小型車」を目指して。そして初代フィエスタが生み出された。


大衆はフィエスタを歓迎し,1980年までに100万台以上が売れた。スパルタンなベースグレード,中核モデルのPopular,ベロアシートと木目パネルを持つGHIA,快活なSupersportまで,あらゆる仕様が用意されていた。


1.6Lエンジンに華やかなデカールと合金ホイールが組み合わされたXR2が加わると,それに取り憑かれたボーイズレーサーたちが生まれ,フィエスタが走る楽しみをもたらした。





Mark 2 (1983-1989)
第2世代のフィエスタはさほど力を入れて開発されたわけではない。デザイン的には丸みを帯びた外装とよりシャープな内装を得たが,それ以外の多くを先代と共有していた。初めてのディーゼルを含む新しいエンジンが積まれた。

この世代は多くの特別仕様車(Firefly,Dash,Finesse,Festival,Holiday,Bonus,Olympus Sportなど)で特徴付けられる。どんな車を好もうとも,その人のためのフィエスタが存在するのがMk2である。


第2世代のXR2はとにかくクールだ。大型の樹脂製ボディキット,96馬力(bhp),5速のギアは80年代後半の上昇嗜好の表れである。



Mark 3 (1989-1994)
第3世代ではプラットフォームが刷新された。大型化し,エンジンも磨かれ,優れたサスペンションを持つようになった。5ドアモデルも追加された。


発売から2年で100万台がデリバリーされ,Azura,Quartz,Sapphire,Cabaret,Louisianaなどのコミカルなネーミングのモデルが登場した。エキサイティングなスポーツモデル,XR2i (2タイプのエクステリア,8vの前期型と16vの後期型),荒々しいRSターボ,その究極系のRS1800が派生し,Zetecエンジンに新たなファミリーが加わった。

これらのスポーツモデルを差し置いて,安価な1.1Lモデルが90年代の普遍的な実用車の立場を担った。フィエスタSi用の丸みを帯びたファンシーなバンパーをボルトオンして,人々は長閑な休日を過ごした。




Mark 4 (1994-1999)
1996年から1998年にかけて英国のベストセラーとなった。先代の基本骨格を引き継ぐものの,大幅な改良が重ねられ,Mazda121としての生産ラインも共有した。


新エンジンとしてZetec-SEが生み出され,そのシャシーとともにPumaへ供給された。1.7LエンジンのフィエスタをとるかPumaをとるかで人々は嬉しい悲鳴をあげ,保険会社へ相談を持ちかけることになった。


スポーツモデルは忘れ去られたかのようであったことが,この世代のわずかな自殺点だった。



Mark 5 (1999-2002)
第5世代は事実上の先代のマイナーバージョンアップであるため,その区別にさほど意義はない。しかし外観は圧倒的に洗練され,当時登場したフォーカスとのスタイリングの統一が図られた。


フォードは「おっと,ホットハッチのことを忘れていたよ」とばかりに,クールなボディキット,Pumaのブレーキ,そして固められたシャシーをまとった101馬力のZetec-Sをラインアップに加えた。それはXR2のように今日までフォローを止めようとしないカルトなファンを生み出した。



Mark 6 (2002-2008)
フォードは2002年のエイプリルフールに新型フィエスタを発表した。それはジョークではなかった。第6世代ではABSとエアバックが全グレードに標準装備され,大きな成長を遂げていた。


ワールドカーとして積極的に各地のマーケットに投入され,日本,オーストラリア,インド,そして南アメリカにまで販売が拡大された。そして最も売上げを伸ばしたフィエスタとなった。

ホットハッチフリークのために新型Zetec-Sとさらに活発なSTが供給された。しかし,最も安価なベースモデルでさえ十分に快活だった。


レザーシート,オートエアコン,Bluetoothなど今日では鉄板の装備もmk6にはやや場違いだ。フィエスタは熟成の時を迎えていた。



Mark 7 (2008-2017)
そして第7世代では,フィエスタSTが史上最強の前輪駆動車の一つとなる。この見解は誇大広告のそれではない。もしそれを認めないジャーナリストがいたとしても,大人の事情があるだけだ。

初代のフィエスタと比較すると,この40年間に自動車産業がどれだけ進歩を遂げたかを思い知らされる。



小さくて維持費がかからないことをアピールしていたあのフィエスタが,今やアンビエントライト,キーレスエントリー,電子式パワーステアリング,USBポート,そしてアストンマーティンふうのフロントグリルまでをも誇らしげに持ち合わせている。

このジャンル全体が高級志向となり,フォードは時代に合わせてトップセールスを維持するために軸足を移した。ケン・ブロックがこんなことをしでかしても,フィエスタの名声に傷はつかない。





Mark 8 (2017-)
40周年を記念して,無駄のないインテリア,蜂の巣ホイール,レトロなグラフィックを持つオールドスクールなXR,RSそしてSupersportのバッジを復活させて欲しいところだ。

実際には,フォードは何をしたらいいか分かっている。だから僕たちは彼らが造り出すものを待っている。




原典 Daniel Bevis (2015) A short history of the Ford Fiesta in Covered Mag (UK)
ブログ一覧 | 記事・広告 | クルマ
Posted at 2017/04/18 00:17:22

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この記事へのコメント

2017年4月18日 7:29
もし、過去にさかのぼることができたらやってみたいことの一つに、かつて日本で販売されていた初代フィエスタを走らせてみることがあります。
コメントへの返答
2017年4月18日 21:00
初代エスコートのようにヒストリックカーとして国内に動態保存されていないだろうかと気にしてみているのですが・・・

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