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2006年04月02日 イイね!

プラットフォームとは その3

プラットフォームとは その1

プラットフォームとは その2からの続きです。

以上までが大まかにプラットフォームの概念であるが、大衆自動車雑誌記者がプラットフォームとアンダーボディの違いを理解していなかったため、読者に誤ったプラットフォームの概念を植え付けたと思われる書き込みが良く見かけられる。

確かに、サスジオメトリの制約から似た癖はもつものの、知らないで乗ってプラットフォームを区別できるほど単純でないことは、同一メーカーでなくグループで共有しているマーチとクリオや先のジャガーなどに乗ってみればわかると思う。

プラットフォームは、機能設計としての概念と言いながら、時間を掛けないで派生した車種を信用出来ないと言う理由の一つはここにある。

あまり話題に上らないが、ホンダやスバルにおけるプラットフォームに対する戦略は、トヨタや日産と異なる。

それは、生産している車種の数が少なかったため、初めからメイン車種のプラットフォームをベースとして派生車種を開発してきた経緯からそれほど多くのバリエーションを持っていなかったことが大きい。

そのためコストダウンの主眼は、ラインの溶接ロボットや塗装ラインの共通化におかれてきた。

スバルがサッシュレスドアにこだわるのも、デザイン的な意味もあるのだろうが、今までに築いてきたラインや輸送システムの活用と言う意味から変えられないのではないかと想像出来る。

これは、車種を絞り込んで共通プラットフォームを利用すると言う点で他社よりも進んでいたのかもしれない。

マツダは、フォードとの提携により、デミオではフェスティバのプラットフォームを利用して、アテンザでは新規開発した物をモンデュオ、さらにはジャガーに利用するなど4種類のプラットフォームでほとんどをカバーしている。

急速に自動車メーカーのグループ化が進み、韓国車はまだ日本車に追いついていないなどと言っていると、知らないうちにヒュンダイで開発されたプラットフォームを使っているなんてこともあるのだろう。

ただ、競争力を高めるために資本提携したものの、メリットが活かせずに提携解消と言うこともあり難しさも感じられる。
ただ、最近のGMがらみの提携解消は、GMの労働組合に起因する問題が多いため一括りに出来ないが、こちらは経営問題に興味のある方は調べてみると面白いと思う。

個人的には、ホンダのプラットフォーム戦略が今後の方向性かと思っている。
Posted at 2006/04/02 15:35:07 | コメント(2) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2006年04月02日 イイね!

プラットフォームとは その2

プラットフォームとは その1からの続きです。

このように、プラットフォームは抽象的な概念であり、機能設計と生産設計の2つの面がある。

機能設計としての概念は、衝撃吸収ボディの基本設計だけでなく、エンジン、サスペンションと言った走る、止まる、曲がるの基本機能はプラットフォームに関連づけられている。

こうした部品を共有化して、コストダウンを図ることが最近の考えであり、車のセグメント毎にプラットフォームを共有化する事になっている。

大型、中型、小型でそれぞれFF、FRのプラットフォームを開発して、グループで共有することによって、世界中では年間100万台以上の規模になって、3割近いコストダウンが可能となるが、CATIAの功罪で書いたように、車体設計CADソフトの進歩によって、大型、中型、小型と分けなくても小型のもの一つ作ればそこから大型まで派生させることすら可能になった。

生産設計としての概念は、生産ラインなどにおいて塗装や組み付けにおいて同一に扱えると言うことである。

このあたりの変遷は、この本あたりが詳しい。

トヨタでは、カローラとスプリンターと言うように販売チャンネル毎に同一プラットフォームの姉妹車を作ってきた経緯があるが、本格的にプラットフォーム共有による開発期間短縮を目指した、活動に1995年頃から取り組み、「AD21」活動と定着させた。

トヨタは主要プラットフォームを8種類として、ヴィッツをベースにファンカーゴ、プラッツ、bB、Will Viなどをわずか5ヶ月間で乱発したことなど記憶に新しい。

一方、日産も5種類に絞り込んで、ルノーと会わせて10種類とする予定で、スカイラインからのFMプラットフォームや当初からルノー クリオとの共用を考えたマーチのプラットフォームBなどがある。

カルロスゴーン経営を語るの中では、プラットフォーム流用により開発期間は12ヶ月、新設計でも24ヶ月と述べている。

トヨタでもほぼ同じで、プラットフォームが新設または改良の場合は外観デザイン決定から量産までが18ヵ月で先行試作と正式試作が各1回、プラットフォーム基本流用の場合は15ヵ月で正式試作1回のみ、プラットフォーム100%流用の場合は12ヵ月で試作なし
という標準開発パターンが設定されている。
参考:トヨタ経営システムの研究

bB発表時に話題になったが、驚くことに試作すら行われていない。
個人的には、車の完成度は実際の走り込みに掛けた時間に比例すると思うので、こうした車はどうしても信頼出来ない。

つづく
Posted at 2006/04/02 13:49:26 | コメント(1) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2006年04月02日 イイね!

プラットフォームとは その1

最近流行のプラットフォームの共有化などについて...

そもそも自動車工学で言うところのプラットフォームの定義って何でしょう。

現在の車のほとんどは、モノコックボディを持つため、フレームとボディーが一体となって、衝突安全性を担うクラッシャブルボディを形成している。

アンダーボディの設計は知的所有権とされ、他社の構造をコピーすることは出来ないため、軽くて丈夫なボディを作るには多くのノウハウが必要となる。

日本で衝突安全性が騒がれ始めた1990年代初頭、ドイツ車は既に構造による力の分散を考慮したプラットフォームを持っていたのに対して、多くの国産メーカーは補強材を使って衝突安全性を確保していた。

ベンツなどは、1940年頃から前方だけでなく側面衝突までを考慮した衝撃吸収フロアの開発に取りかかり、1953年には量産車に採用していたのだから国産メーカーが安全性で追いつくには多大な努力を要したことは想像に難くない。

トヨタではGOAと呼んだが、各社がその構造に名前を付けて構造を勉強し始めて、本格的にドイツメーカーに追いつくにはトヨタですら10年近くの年数を要したと言う。

このプラットフォームであるが、実のところ抽象的な概念であり、アンダーボディそのものをプラットフォームと言うわけではなく、ホイールベースやトレッドを延長させて(縮めることは出来ないのです)派生車を作ることが出来る概念だと理解するのが良い。

アンダーボディはプラットフォームに意匠設計が加えられて、車種毎に具体化したものである。

同じプラットフォームでも異なる意匠設計が行われると、その数だけアンダーボディが出来上がる。

こうして考えると、プラットフォームには2つの側面があることが理解できる。

一つは、機能設計としての概念であり、もう一方は生産設計としての概念である。

つづく
Posted at 2006/04/02 11:06:23 | コメント(0) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年12月26日 イイね!

マフラーアースとは

過去にオカルト系チューンとして「アーシングとは」でアースについては書いていますので、興味のある方は目次から探してください。

それで、アーシングなる物も下火になったかと思っていたら、オカルトなる物、残っているんですねぇ...

例えば、http://www.sun-auto.co.jp/pro_hotearth100.htmとか

上記HPより抜粋すると
---------------------ここから----------------------
マフラーアースとは?
排気によって発生した静電気がマフラー内で排気動脈の流れを阻害し、悪影響を与える場合があります。そこで、マフラージョイント部にアースを取ることによって、マフラー内部の静電気を除去し、排気の流れをスムーズにするのが、マフラーアースなのです。
マフラーアースの効果
●排気の流れをスムーズにし、トルク・レスポンスUPを実現
●静電気を除去することにより、マフラー本体の耐腐食性が向上
●マフラーの異音解消に効果的
国産・輸入車ともに、標準でマフラーアースがついている車もあります。
---------------------ここまで----------------------

これを読んで信じる人っているのかな?
静電気が発生するのは正しいですが、その後の排気動脈の流れを阻害って、排気ガスってどんな成分なんでしょう?
いや、それよりも静電気によって流れが阻害される気体って何?って突っ込み所満載(^-^)

しかし、売っているって事は売れているのかな?しかもお値段2万円!!タダの電線に勿体ないです。

最後に、枠で書かれている「国産・輸入車ともに、標準でマフラーアースがついている車もあります。」って言うのはどういう意味に取ればいいのでしょうか??

標準で付いている物だから、効果があるという事か?それとも、既に付いている車はいらないと言う事なのか?

車が好きで、リフトで上げたり、下に潜ったことのある人なら知っていると思いますが、よほどの旧車じゃない限り、普通はマフラーにアースは付いるのを知っていますよね??

当然、自動車メーカーがやることですから意味があって付いています。
間違っても静電気が排気ガスの流れを阻害するからではありません!

気体の静電気は、雷を見ればわかるように高い電圧となって、放電に伴ってノイズを出します。

マフラーは、ガスケットを挟んでエンジンに取り付けられて、ボディーからはゴムの緩衝材を介して吊られていますので、ボディと電気的に絶縁された状態となり、静電気によってボディと大きな電位差を持ちます。

そのため、アースが無いとノイズを発生してラジオにノイズが入ったり、場合によってはノイズによってECUなどのコンピュータの誤動作に繋がることがあります。

なので、ノイズが発生しないように、ボディと同電位にするためにアース線が付いています。

アナログ回路設計を行うときに、アース線に電流が流れないように、1点アースにしたりポイントを厳選します。
これは、経験値が物を言う世界ですが、やはりこうしたノイズなどアナログの世界ではノウハウが物を言います。

そうして、問題がないようなポイントにメーカーがせっかくアース線を付けているのに、排気効率が悪くなると言うオカルト的理屈から、2万円近くも投資して効かないだけならまだしも、もしかしたら循環電流でも流れて余計に悪いんじゃないの??と思える線を付けるのはどうかと思ったりしたわけです(^^;
Posted at 2005/12/26 23:05:42 | コメント(3) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ
2005年11月03日 イイね!

可変スタビとは

可変スタビとはスタビの働きについては過去のブログで書いてきましたが、可変スタビライザーを採用する例も増えてきました。

可変スタビライザーとは、ボディコントロールの一種で、ステアリング角、横Gセンサー等の情報を元に、スタビの効き具合を変化させて、乗り心地と安定性の両立を図ろうとする技術です。

スタビライザーを制御する方式は、ダンパーを制御する物に比べて機構がシンプルで、それなりに効果が高いため何社かで使われはじめています。

ダンパーの制御をしているのは、トヨタのTEMSとかベンツのABCなどが良く知られていると思います。

TEMSは減衰力を変えるわけですが、ABCではActive Body Controlというだけあって、4輪のダンパーの付け根に油圧で車高をコントロールできるようになっており、カーブに合わせてサスを押し出してボディーをフラットに保つように制御しています。

この効果はすごく、2560mmと言うクラウンなどに比べて30cm程も短いホイールベースでありながら、ボディのフラット感は別次元で心地も素晴らしく感じます。

一方で、可変スタビで有名なのはBMWで、油圧により捻ってやることにより、ロールをコントロールしたりする方法を採用しています。

レクサスGSがオプション設定したものは、電動モータによってスタビを捻ってやるタイプで、今は高いオプションですが、将来的に安価になって普及する可能性のあるものです。
これは、フロントで10度、リアで15度ほど捻りを加えることが出来るようです。

何故電動にしたかについて、トヨタでは油圧では常に圧油を付くってリリーフバルブから逃がしてやらなければならないため、エンジン動力を食ってしまうが、電動にすることによって1.2%程度の燃費改善になるという非常にトヨタらしい発想です。

機構は非常にシンプルに出来ており、力を出すための減速機構もハーモニックドライブと言う方法が使われています。

400歯の内接するフレキシブルギアを弾性変形させながら、外接する402歯のギア回転させて、1回転で2歯ずれる=減速比 200:1と言う機構で、10度捻るためにはモータで5.6回転回転させればいいというシンプルな構造のものです。

図がないと理解しにくいですねぇ(^^;

雑誌とかでは効果のほどが絶賛されていますが、私自身はまだこの仕様のものに試乗していないので何とも言えないです。

この方法は一見素晴らしそうですが、疑問に思う部分は、通常は乗り心地の確保のためにスタビはフリーの状態にしておいて、必要時に捻って制御すると言う方法だが、これはどうなのだろうか?

BMW等他のスタビ制御はイニシャルでスタビは連結状態で、必要に応じて緩める方向の制御のはずだが、レクサスの場合イニシャルでフリーでステアリングの角度、横G等によってスタビの力を立ち上げると雑誌では解説しています。

逆の方が良さそうに思うのだが、モータなので反応速度が速く問題無いのか、VDIMに組み込まれて、VGRS(可変ギア比ステアリング)等と協調して制御されるため違和感を感じないのか、安くなって普及すると面白いシステムですね。
Posted at 2005/11/03 22:32:54 | コメント(2) | トラックバック(0) | 技術解説 | クルマ

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年齢と共に、車に求めるものも速さから快適性に変わってきたような気がします。 冬は、おいしいお酒を求めて、スキーなどに飛び回っていますがアウトバックでなく、...
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