
タイヤ交換をしたら、高速道路で、1○0km/h以上になると振動が出るようになって、バランスを見直して貰ったけど収まらないと言う話を聞きます。
大手、カー用品店あたりだと、クレームを言ってもバランスを見直すくらいで、「タイヤとホイールにも相性があって、まれに振動が出るものもあります」なんて言われる事もあるようです。
で、振動の原因をタイヤ、ホイール側に限定すると、
1.重量バランスが取れていない
2.真円度が出ていない
と言う原因があります。
ネット上での相談を見ていると、アドバイスは、重量バランス、アライメントを見直すべし!と言う物が大半ですが、タイヤ交換したら出たと言う場合、ここを見直しても直らない事が多いです。
なぜなら、重量バランスは専用の機械が判定しており、非常に精密に出るので狂いは少ないですし、バランスウェイトがすぐに脱落することも少ないです。
アライメントも、タイヤ交換では狂わないし、インチアップなどホイールを換えた場合は、進路の乱れなど出ても、高速域の振動と言う現象にはつながりません。
ここで、見落とされているのが2番目の、真円度の問題です。
2/17日の、
タイヤのマークとは
で書きましたが、赤い点はをホイールの位相合わせマークと合わせて組むことは、「縦振れ1次成分を最も減らす=真円度を出す」ことになります。
自動車メーカーは、標準採用するタイヤに対して、タイヤメーカーに重量バランスよりも真円度を要求します。
だからこそ、新車ラインでは位相合わせマークで組むのです。
それに対して、タイヤメーカーは、アフターマーケットのタイヤには重量バランスを重視します。
それは、アフターマーケットでは、黄色い軽点とホイールのバルブを合わせて組まれることがほとんどだからです。
しかし、鉄ホイール、2ピース、3ピースと言ったホイールは、真円度が出しにくいので、高価なBBSなどの製品では問題ないのですが、4本10万円以下で安売りされているような、デザイン重視のアルミホイールは問題ある物が多いのです。
タイヤ自体も、特に海外製品の場合、サイドウォールの高さが一定でないので、真円度を考慮しないで、単に重量バランスを取って組んでも、トレッド面の真円が出ない場合があります。
だから、タイヤ交換でも位相合わせマークを使って組んでから、重量バランスを取った方が良いのです。
しかし、ホイールのマークが消えていたり、アフターのホイールでは無い場合あるので、そうなると経験のある職人さんの腕か、数回のトライが必要になるわけですが、量販店ではそんな事は考えてくれませんし、知識の無い店員さんも多いです。
だから、原因不明の振動が出て、「相性です」なんて曖昧な言葉で片づけようとします。
稀にもっとレベルの低い原因がありますが、これは、
1.バランスを取るのに、ハブ基準でやるところをボルト基準でやったために、装着時のズレから振動が発生する。(古い車にはボルト基準もありますが)
2.スペーサーを入れたために、ハブ部分で正確に中心が出ていないため振動が発生する。
と言うものがあります。
Posted at 2005/06/06 11:08:45 | |
トラックバック(1) |
技術解説 | クルマ