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ケアンズの熱帯雨林観光で乗ることが出来る軍用水陸両用車です。

水陸両用車の元祖は、フォルクスワーゲン社が第二次世界大戦中に開発した「Schwimmwagen」（泳ぐ車）が元祖になるのかな？

写真の水陸両用車も、第二次世界大戦中に開発された３０人乗り６輪駆動車、通称アーミーダック。

軍用なので、ディーゼルでとってもヘビーデューティーな作りです。前進１０段、後退２段ギアで陸上８０ｋｍ／ｈ、水上走行用にスクリューと舵を持ち１１ｋｍ／ｈで走行出来ます。

マーケティングに縛られず、技術屋としての理想を形にした車が過去には何台もあった。しかし、歴史を見るとそれらのほとんどが成功したとは言い難い．．．

それは、技術者の独りよがりだったからと言われることが多い。タッカーのように不運な車もあったが、消費者の半歩先ではなく、１歩以上先を行ってしまったため、何年も後にあって評価されるケースも多かったりする。

ふとそんなことを思ったのは、最近よく三菱のｉを見かけるようになったからです。

スバルもＲ１，Ｒ２と言う、デザインコンシャスで軽自動車としてはプレミアム路線を狙った車を発売したが残念ながら売れ行きは芳しくない。

三菱のｉは、さらに未来的なデザインであり、メカニズムにも技術屋の理想が詰め込まれて、価格は約１３０万円～と小型普通車を超える。

これは、軽自動車だからといって部品点数が少なかったりするわけでもないので、ちゃんとした物を作ればそれなりの値段になるし、軽自動車で１００万円以上の価格帯も珍しい訳ではないが一番安いアルトの価格から見るとやはり高いと言う印象を持ってしまう。

車の方は、十分価格に見合ったものであり、ちょっと欲しいと思わせるものがある。
このあたり、自分が技術屋だからなのかしれないが、デザイン以外の見所は多い。

リアミッドシップ、４５°スラントしたエンジン、エンジンは新設計なので最新トレンドが取り入れられているが、それよりも個人的にはフロントサスペンションに目が留まった（笑）

リアミッドシップにしてポルシェ９１１のようなサスペンションジオメトリ。ストラットだがＲＲ故に横方向の制約がないため、ストラット内傾角を大きく、おそらく１０°以上とって、旋回時の接地性とサスの動きを良くしている。

当然、キャスター角もＦＦと違い、大きめにとって直進安定性をだしている。と見受けられる！見受けられると言うのは試乗をしていないから(^^;

リアは、３リンク・ドディオンアクスル。
ドディオンアクスル式とは、左右を結合したリジッド式の１種で、デフ（ドライブトレイン）をボディ側に付けてバネ下荷重の低減を狙ったサスで、1893年には発明されて翌94年にはルノーが５リンク・ドディオンアクスルを開発しているので歴史のあるサス形式と言える。

しかし、バネ下荷重を軽くし、左右輪のキャンバー角の変化を抑えると言う理にかなっている。

おそらく、奥さんの買い物車として使用した場合に、他社の軽自動車と比べてどれだけ利点があるか．．．いや、操縦安定性に鈍感ならバランスの良さから明くる軽快感を落ち着きがないと思われるかもしれない。

でもこの車は売れて欲しいなぁ。

現在、車の設計は車体設計専用のCADで行われている。

このCADソフトの中で最も使われているのが、フランスのダッソー・システムズのキャティアだ。

車体設計CADソフトは他にも、アイディアス、ＵＧなどがあるが、CATIA Version.5になった頃から業界標準としてほとんどのメーカーがキャティアを使用して設計を行っていると思う。

このソフトはホントに凄い！

極端なことを言えば、小学生でも衝突要件を満たして、そこそこに走る車を設計出来る。
よくプラットフォーム共用と言われるが、現在の設計システムの中で、どこまでがプラットフォーム共用と言うのか説明できる人は、よほどの車好きでもいないと思う。

このあたりを書くと長くなるので、気力が充実した時にするが、簡単には衝撃吸収構造とサス周りの基本構造くらいか・・・・

これも、キャティアのお陰だが、最新ヴァージョンのソフトではFFとFR用（AWDはFR）の２種類の基本構造を作れば、あとはホイールベースだろうがトレッドだろうが変えながら、衝突要件を指定すれば必要な補強を計算してくれるためコストを抑えて開発が出来る。
特に、EWSの性能が上がったため、数年前ならスーパーコンピュータを使って解析していたような事までお手軽に解析してくる。

車の歴史では、長らくベンツ、ボルボが安全であると言われてきた。

コンピュータが発展する前は、こうした安全性は地道な調査と実験によって成立していたためであるが、CADソフトの進歩は資金力の無い会社でもそこそこの衝突安全性をシミュレーションで確認できるようにした。

誤解が無いように言っておくが、それでも実際の事故における安全性ではベンツとボルボは頭一つ出ていると思っている。

これは、CADソフトの罪の部分の一つであるが、ユーロNCAPのような衝突テストの浸透により、特定のテストで良い点を出るように設計できるようになったからだ。

国産小型車で衝突安全性の☆の多い車も増えて、それはとても良いことだが試験対策に絞った勉強をしてきた人のようなもので、世界の衝突試験で項目に無い試験をいくつも車内基準に設けている、ベンツ、ボルボを初めとするいくつかのメーカーの車とは実際に事故にあった時の差は確実にある。

しかし、このキャティアがもたらした最大の罪は車の個性を無くしたことだろうか。

車の設計には、各社が得意とするノウハウがあり、あのメーカーのFFはハンドリングが自然でキックバックが無いとか、限界付近の乗り味に癖があった。

それが、今ではそんな癖のある車の方が希少価値になってきたし、FRでもFFのアンダーっぽい特性に仕上げたりも出来るし、何よりも車に興味の無い職業人にも設計が出来る。

こうなると、行き着くところどれだけ車が好きな人が設計したか、セッティングをしたかと言う点が差になって表れてくる。

フロント回りの補記類の配置は、３次元パズルのようであるが、ある程度学校を出て、物理を判っている者ならステアリングの剛性や、重たい部品の配置などを考えて置くことが出来る。

しかし、そこらか先の、剛性を倍にしてみたら何がどう変わるか？CAD上では難しそうだけどもっと理想的な配置にしたいと言うところまで思われて作られたなと感じる車は、私の買える範囲では限られている。

安くて良い車が増えるのは良いことだけど、差別化が形と装備と言うのは寂しいですね。
でも、車選びって楽しい（笑）

ちょっと冷やかしに、マイチェン後のクラウンを見に近くのトヨタディーラーに行ってきました。

徳大寺氏は、最後に乗る車はクラウンと決めていると書いていますが、日本での使用することを良く考えられていますし、値段を考えると良く出来た車でした。

販売店の方も、2GRを積んだ3.5Lのアスリートはブレーキから見直したと、自信を持って説明してくれましたが、初めて知ったのはアスリートにしてようやくブレーキ冷却用ダクトが付いたそうで(@_@)

日本は法定速度は低いけど山道は多いし、車重もあるからもう少しブレーキを強化しても良いような気がします。

ドイツ車は、10年前の一番安いグレードでもブレーキ冷却用ダクトは付いているし、それほどコストアップに繋がらないでしょうから。

Ｖレーンチェンジ や 旋回ブレーキよりも、通常はウエットブレーキの方が大切な性能ですね。

ウエットブレーキのテスト

こちらは、タイヤのウェット性能とＡＢＳの味付けの部分が大きいでしょう。

他にも、加速円旋回がありますが、フル加速しながらあんなＲを回らないし、これはタイヤのウエットグリップや前後重量バランスと言う要素もあるでしょうが、それよりもＶＤＣとＴＲＣの味付けで結果が変わるので、メーカーのその車に対する考え方を見るくらいでしょうか。