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2005年01月14日 イイね!

コンデンサチューンとは

コンデンサチューンとは逆電圧グッズとかコンデンサチューンと呼ばれるものが流行っていて、ヤフオクでも自作コンデンサチューンの商品が売られていますね。。。

某有名品では、4700μF、1000μF、470μFの3つのコンデンサが入っているだけなのはネット上では有名だと思います。
コンデンサ、ヒューズ、LEDの電気街で買えば1000円程度の部品が入っているだのものに凄い値段が付いていたりします。(綺麗なアルミケースに入っていますが)

私個人はこの手のものに否定的なので、効果を感じている人はこれから先は読まないで下さいね(^^;
付けようかどうしようか悩んでいる人は、そのお金で美味しい物でも食べに行った方がいいよと言うお話しですから進んで下さい。

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宣伝に書かれている効果としては、バッテリーでは対応の出来ない負荷の立ち上がりにコンデンサから電気を供給するのでトルクが上がったり、中には燃費までが良くなるなんて言い切っているものもありますね。更に、高価な物は複数のコンデンサを組み合わせて低回転域と高回転域の特性向上とか・・・

中学、高校の理科、化学をやった人でも突っ込み所ありすぎだし、ある程度の電気の知識やエンジン制御を知っている人なら??と言う説明ですね。

他の商品や添加剤等々、本当に効果があればトヨタやメルセデスがほっておく訳がありません。みんな、1%の燃費向上のために莫大な研究費を投入しています。
逆に、オルタネータなどリップルがあるような所に電解コンデンサのように熱に弱く寿命のあるものを入れるのは百害あって一利無しです。

高校生レベルで考えると、コンデンサを並列に繋いでも足し算にしかならないこと、コンデンサは1/jωCであるからリップル電流がコンデンサに流れて発熱する事が理解できます。このようなオームの法則レベルの電気理論は100年以上前に確立され変わるのもではありません。

各回転域に効果があると言うものをみると、容量の違う電解コンデンサが並列に繋がっていますが、コンデンサを分ける電気的理由はありませんし、リップル電流によるコンデンサの発熱、破裂の危険性や漏れ電流による消費、エンジンルームなど熱的に厳しい場所に、熱に弱く(良い物でも耐熱105℃)寿命のある電解コンデンサを付ける危険性などなど私にはこんな物を付けようなどとは考えられません・・・一応ヒューズくらいは入っていますが。

また、効果ですが基本的にコンデンサが必要な箇所には初めから入っていますから、付けても変わらないです。変わると言っている人は、体感ではなくアクセル開度やインジョクションの燃料噴射量など計測したことありますか?

何もやらずに言っても説得力無いということで、以前に一応同じ物を作成してプラグの一次側電圧と、インジェクターの噴射時間をオシロで計測したことがありましたが、予想通り何ら影響を与えませんでした。

まだ、実験用に基板にコンデンサとヒューズを付けた物が残っていますので、とりあえず部品代だけなら試してみたいと言う欲しい人は、部品代+送料だけ(1100円)で差し上げます。(上の写真のもので2つあります。それぞれ耐圧は25Vと50V、耐熱は85℃と105度の高い電解コンデンサを使っています)

まあ、ネット上で検索すればそうした実験を行っている人もいますので、興味のある方は探してみて下さい。

ECUや点火系に詳しい人なら、こんなグッズは影響しないのではとすぐに思うと思います。
と言うか、バッテリ電圧は12~15V位を変動するので、そんな電圧変動によって影響を受けたら困ります。メーカーの技術者だってそんなことで影響が無いように考慮して設計しています。

具体的には、ECUやセンサは5Vで駆動されているので問題ありませんし、インジェクタ駆動はバッテリ電圧ですが通電時間等はECUによって電圧補正されています。
電気を使用していて加速中にエアコンなどを入れて電圧が落ちて失火やエラーが出るようでは困ります。最後の点火コイルはバッテリ駆動ですが下に書くように、CDI等で数百ボルトにされていて、バッテリの電圧の影響が出ないようにしています。

話がずれましたが、電気回路上におけるコンデンサの役割は、フィルター、チャージポンプのような電圧源、オーディオなどの電源分としてです。それならオーディオの音は良くなるのではと言う意見もあるでしょうが、バッテリーの反応速度と短絡容量を知っていますか? それに、こうした商品には見た目が良いのと値段を正当化するために太いケーブルが付いていますが、こんな容量のコンデンサでどれだけ電流が流れるか、中学校の頃のテストを思い出してみて下さい。

3つのコンデンサで6170μFとして、容量は0.07404cでこれが1000分の1秒に全て流れると74Aですがバッテリーの電圧、回路の抵抗を考えると果たしてどれだけの電流が流れるのか・・・家庭用の電気製品のコードでも勿体ないくらいです。
そもそも写真を見れば分かるように、コンデンサの足はあの太さですから。

最後に、プラグの火花などに与える影響ですが、普通車のエンジンに火花を飛ばすエネルギーは30mJ程度であり、圧縮比を上げるほど点火しにくくなり、エネルギーが必要になります。

ですから、レーシングエンジンではプラグギャップを小さくしたり、強い火花を飛ばすように色々と考えられたものですが、今の車はヴィッツのような小型大衆車までダイレクトイグニッションになっています。

20年以上前は、同期したディストリビュータによってイグニッションコイルに電気を流して、その逆起電力によって各プラグに火花を飛ばしていましたが、20年位前、スバルだとザ・ニュー・レオーネと呼ばれた、角目になった確か4代目レオーネからトランジスタが採用されていたと思います。

当時は結構画期的で営業所に行くと火花の強さ等を比較できる実験装置がおいてありました。それから更に10年弱の時が流れ、初代レガシィが出る頃にはトランジスタ+CDIになっていました。

CDIは名前の通り、キャパシタ(コンデンサ)によって数百Vの電圧を作り、それをイグニッションコイルの1次側に流すという、レーシングエンジンから下りてきた技術でした。この段階で、電源にコンデンサを入れた位では火花の強さには影響が出ないのではないでしょうか。

実例だと、オルタネータが故障して発電していなくても、バッテリが上がるまで気が付かないで走って路上で停止してしまった話を聞きますよね。商品の説明通りなら、そんな状況だとオルタネータが故障したことにすぐに気が付くことでしょう。

ですからこうした製品に高いお金を払うなら、美味しいものでも食べるのがいいと思います。そうそう、イリジウムプラグは実験上100μSほど放電時間も延びるようなので着火の安定度を上げる効果はあると思いますので、体感できるかどうかは分かりませんが交換してもいいかもしれません。
Posted at 2005/01/15 20:34:35 | コメント(8) | トラックバック(1) | 技術解説 | クルマ

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