去る4月5日に静岡県御殿場市にある駒門駐屯地の創立記念行事に行ってきました。

駒門駐屯地は実は意外と交通が悪くなく、鉄道が使えます。
御殿場線富士岡駅からシャトルバスが出てますし、徒歩でも15分程度なので、富士駐屯地や板妻、滝ケ原と比べると交通をマイカーに絞らなくて良いのはいいですね。

桜満開でした。
小雨が降っていたので天気は必ずしもよくはなかったですが、傘をさすほどでもない程度なのはよかったです。

今回シャトルバスで駐屯地にはいったのですが、バス乗り場になる厚生センター前には往年の名車、61式戦車が展示してありました。
我が国が戦後初めて開発した国産戦車で、90ミリ戦車砲を装備しています。
車体前面に大型のパネルがあったり、車高が高いなど課題になる部分も多いといわれていますが、技術的な蓄積が少ない状態で可能な限りの高精度な射撃システムを搭載し、鉄道での移動が可能なようにレイアウトされた戦車です。

これは。。。。なんでしょう?
見た感じでは戦車の徹甲弾の弾痕にみえます。
鉄板はかなりの厚さですから、戦車砲弾の威力のものすごさを感じます。

こちらは・・・なんだろ?
ベトンの板は完全に貫通していました。
さて、今から観閲式・訓練展示をみにいきましょう。
これらはグランドで行われます。
さっそくグランドに・・・

グランドみえないよ(>_<)
グランドは通路に面しているのですが、ほとんどが招待者席で占められていて通路からでは街路樹が邪魔で非常に見難い。
しかもこの日は雨天だったこともあって招待者席は屋根付きのテントだったので、上から(少し離れた高台に建物の駐車場があります)も見ることができません。
なのでまともに見られるのはグランドの出口と私が今回陣取った建物の横のみ。
この場所に気がつかないとまともに見ることができませんでした・・・
駒門は非常に見難いと聞いていましたがこれほどとは・・・
でもこの場所はグランドから離れているとはいえ、グランドの7割ぐらいを見渡せますし、300ミリ程度のズームレンズがあれば十分迫力のあるシーンを見ることができます。
・・・アナウンスはまともに聞こえませんけど。
小雨だったのはある意味で正解。
これ晴天だったら人がいっぱいあつまってこの場所ゲットできなかったかもしれませんね(^^;
では観閲式を。

ズラリと整列した駒門駐屯地の隊員。
ここは東部方面隊の機甲部隊教育を行う第1機甲教育隊、第1師団の戦車部隊になる第1戦車大隊、第1師団の防空を行う第1高射特科大隊、施設部隊の第364施設中隊、それら各部隊を支援する直接支援隊等が駐屯しています。

駐屯地司令が巡閲を行います。
隊員の後方には各種の車両がみえますが、戦車は見当たりません。
このさらに後方に待機しているようです。
旗とマフラーの色は橙色が機甲科を、黄色が高射特科を示しています。

「観閲行進準備」
号令と共に整列していた隊員がそれぞれの車両にかけよります。

観閲行進に先立って、グランドに整列していた車両群が一度グランドを出て観閲行進の配置につきます。
こっちからみていると観閲行進を2回見ることができてちょっとラッキー(?)
【国際活動教育隊】

観閲行進がはじまりました。
先頭は国際活動教育隊です。
国際活動教育隊は中央即応集団隷下の部隊で国際平和活動についての教育を行う部隊です。
自衛隊は日本国民の生命財産を守る組織ですが、国際貢献も重要な任務です。
資源の少ない我が国は貿易でその経済を支えています。
安定した資源の調達、製品を輸出して外貨を稼ぐことは私たちの生命財産に直結しますが、これらは外交はもちろんですが日本の国際信用があってこそです。
日本が世界で信用され信頼されるに足る国と認めてもらうためには不断の努力が必要です。
「ひきこもり」の国家では国民は飢えてしまうでしょう。
現在自衛隊は南スーダンに施設部隊を、アデン湾での海賊対処では海上自衛隊とそれを支援する陸上自衛隊、航空自衛隊の部隊を展開させています。
また昨年後半から今年4月にかけてもネパールでの大地震救援隊、インドネシア航空機遭難事故救援隊、西アフリカでのエボラ出血熱での輸送支援、マレーシア航空機遭難事故救援隊に自衛隊は参加しています。
テレビのニュースではほとんど扱われないかベタ記事扱いですが重要な任務を行っています。

装備は軽装甲機動車。
ルーフには防盾が、また車体にはアンテナが設置されています。
自衛隊が派遣されるのは派遣先の地域が非常事態情勢下であることも考えられます。
興奮した現地住民による投石や火炎瓶などの投擲また反政府ゲリラが潜伏している恐れも十分考えられます。
それに対処するためにもコミュニケーション、警備・警戒、防護は重要なんでしょうね。

装備は96式装輪装甲車。
10名を載せることができ高速機動力で人員輸送に用いられます。
武装は40ミリ擲弾銃または12.7ミリ機関銃で、この車両は機関銃を搭載しています。
【第1高射特科大隊】

続いて第1高射特科大隊です。
第1高射特科大隊は首都圏を警備する第1師団隷下の部隊で師団の対空防護を行います。

第1高射特科大隊、まずは大隊本部です。
第1高射特科大隊は警察予備隊時代の昭和26年5月に愛知県の豊川駐屯地で編成され、昭和28年に宇都宮駐屯地に移駐して第1師団第1特科連隊第5大隊に改編、その後駒門駐屯地に移駐して平成4年に現在の第1高射特科大隊として改編されています。

装備は82式指揮通信車。
特科部隊や司令部などに装備され、指揮通信を行う装輪装甲車です。

装備は対空レーダJTPS-P9。
航空機やヘリコプタを連続監視し、その情報を師団対空情報システムに伝送するレーダ装置です。

装備は対空レーダ装置JTPS-P14。
71式対空レーダ装置JTPS-P5の後継となる装備で、Sバンドのフェーズドアレイレーダを用いています。
重量は4トンとかなりの大型なので特大型トラックに搭載して移動させます。

次は第1中隊です。
第1高射特科大隊は本部、本部管理中隊、地対空ミサイルを装備する2つの中隊によって編成されています。

装備は96式近距離地対空誘導弾。
91式携帯地対空誘導弾を車載式にした簡易な地対空ミサイル車両で、高機動車に光学照準機と8発ランチャを搭載したものです。

続いて第2中隊です。
第1高射特科大隊は神奈川県西湘地区を警備区域として、防護・災害派遣を担当しています。

装備は81式短距離地対空誘導弾。
昭和56年度に制式化された地対空ミサイルで、ミサイルの発射機と射撃統制装置によって構成されています。
それぞれ大型トラックに搭載され、射撃統制装置1両に対して複数の発射機を接続することが出来ます。
この発射機にはミサイルは搭載されていませんね。
【第1後方支援連隊第2整備大隊高射直接支援隊】

続いて第1後方支援連隊第2整備大隊高射直接支援隊です。
どんなに高度なウエポンシステムでもそれを整備して万全の状態になっていなければまともに動けません。
第1師団の整備補給、輸送といった兵站任務を担うのが第1後方支援連隊です。
第1高射特科大隊の装備を整備支援するのが第2整備大隊高射直接支援隊です。

装備は有蓋車。
大型トラックにコンテナを車載したものです。

装備は重レッカ。
大型のレッカ車で重量級の車両を回収したり整備のために吊り上げを行うための装備です。
不整地で重車両を多数展開させる部隊には必須の装備で特大型トラックをベースにしています。
【第364施設中隊】

次は第364施設中隊です。
第364施設中隊は第1師団隷下の部隊ではなく、その上位組織になる東部方面隊隷下の第1施設団第4施設群に編成されている中隊です。

装備は81式自走架柱橋です。
河川に架柱橋を迅速に架設し、装甲車両などを通過させるための装備です。

装備はバケットローダ。
施設部隊ではおなじみの装備で、土砂を除去したり掘削するなどの土木作業に用いる装備です。
その2に続くよ。
駒門駐屯地創立55周年記念行事 その1/その2/その3/その4