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2015年05月04日

駒門駐屯地創立55周年記念行事(その4)

さてラストは装備品展示です。
駒門駐屯地は機甲科部隊が駐屯していることもあって戦車や戦車回収車が展示されます。
ということでサラっと見ていきましょう。
(雨でグランドぐちゃぐちゃで長く見られなかったんですよ・・・)



官舎前では装輪車両の装備品展示が行われていました。
こちらは87式偵察警戒車。
第1機甲教育隊第1中隊の車両です。
87式偵察警戒車は昭和62年度に制式化された国産の装輪装甲車で25ミリ機関砲のほかに機関銃を装備しています。
82式指揮通信車の派生型として開発されましたが機関砲の重心や射界確保のためエンジンを車体前部から後部に移すなど大幅な変更が加えられています。




こちらは96式装輪装甲車。
第1戦車大隊第2中隊の車両です。
73式装甲車の後継として普通科隊員を人員輸送するための装甲兵員輸送車です。
戦車に随伴する装甲兵員輸送車は60式装甲車、73式装甲車が装軌車として配備されましたが、現在の日本は道路事情がよく、舗装された道路が完備されていることから路上機動で展開が迅速な装輪式となりました。
操縦手を含め10名を載せることができます。
装輪装甲車が使用しているコンバットタイヤは被弾してもすぐに空気が抜けて走行不能になることはなく、1つや2つならそのまま走行して危険地帯から離脱できるという強みがあるそうです。




こちらは既に陸上自衛隊の顔になった感もある軽装甲機動車です。
この車両は国際活動教育隊のものですね。
平成14年度から部隊配備が始まった車両で、車体はハイテン鋼の溶接構造なんだそうです。
操縦手を含めて4名が搭乗できます。



後部から。
スペアタイヤを装備しています。
ルーフには予備燃料や物資用のラックが設置され車体前部にはワイヤカッタを装備しています。


ルーフには装甲板が防盾のように設置されています。
また5.56ミリ機関銃(MINIMI)を設置しています。
軽装甲機動車は装備品の違いから細かなタイプがいくつも存在していて、この国際活動仕様はあまり見ることができないので珍しいですね。





こちらは81式短距離地対空誘導弾です。
第1高射特科大隊第2中隊の車両ですね。
国産初の地対空誘導弾で車載化した発射機2両と射撃統制装置1両から構成されています。
レーダが使えない場合を想定して光学照準装置を接続することが可能です。



こちらは93式近距離地対空誘導弾です。
第1高射特科大隊第1中隊の車両ですね。
携帯式の地対空誘導弾である91式携帯地対空誘導弾を車載化した簡易な防空システムです。
師団対空情報処理システムからデータリンク出送られてきた目標の情報を受信し、目視照準機で標定し、射手が可視光や赤外線センサで確認しレーザで照準し射撃を行います。



93式近SAMの射撃照準装置。
真ん中にあるのは光学照準機のテレビカメラ。
その上にスリットのあいた板が立っていますが、これは敵味方識別装置です。


重量装備はグランドで行われました。

こちらは駒門駐屯地に駐屯する部隊の装備ではありません。
山梨県の北富士駐屯地の第1特科隊第2中隊の155ミリりゅう弾砲FH70です。
めずらしく砲の後方から写してみました。
(ひとがいっぱいで前から写せなかったなんてことないんだからねっ!)
FH70は欧州が開発した野戦砲で、中砲牽引車により牽引される火砲です。
射程は実に24km、ロケット吹進弾を使えば30kmという長大な射程を得ることが出来ます。



これがFH70の砲弾(模擬弾)です。
砲弾の直径は155mmで重さは実に44kg。
これは砲弾のみで、射撃時には発射用の火薬を砲弾の下において射撃を行います。



FH70は補助動力装置をもっていて限定的ながら自走ができます。
牽引状態から射撃まで2分でできるそうで迅速な展開が可能です。
自走できるということは操縦席が必要ですが、これがその操縦席。
手前の明るい緑色がシート、その横に見える2本のレバーがいわゆるハンドルとトランスミッションのシフトレバーです。
ハンドルが前ではなくシートの横に、しかもシフトレバーと並んでいるので非常に操縦がしにくそうですね。
しかもシートは簡易なもので、後ろにはタイヤが回っているわけです。
やはり慣れるまで操縦は非常に難しかったそうです・・・





こちらは73式装甲車です。
第1機甲教育隊の車両ですね。
昭和48年に仮制式化された装甲兵員輸送車で操縦手を含めて12名が搭乗できます。
武装は12.7ミリ機関銃と7.62ミリ機関銃でです。


車体後部から。
73式装甲車の車体はアルミ合金装甲で軽量化とモノコック成型による構造の簡略化がすすめられています。
後部にはハッチがあってここから普通科隊員が下車を行います。
また車体上部にもハッチがあります。
車体側面をよく見ると「T字」型の溝が見えますがこれはガンポートで、必要に応じてここから小銃を射撃します。
尚乗り心地ですが意外と良いそうで、シートベルトはとくにないそうです。





こちらは78式戦車回収車です。
第1後方支援連隊第2整備大隊戦車直接支援隊の車両ですね。
大型で重量級の戦車は当然路面状態も悪い場所で使われる場合も多く、スタックすることも考えられます。
戦車の回収用の車両は運用上必要不可欠で、ただでさえ重量級の車両なので回収することは容易ではなく、戦車は戦車をベースにした特別な回収用車両でなければ回収できません。
78式戦車回収車は74式戦車から砲塔を取り去って戦車回収用の装備を設置した車両です。





こちらは90式戦車回収車。
第1機甲教育隊の車両・・・・でしょうか?
90式戦車から砲塔を取り除いて戦車回収用の装備を設置した車両です。
牽引力は50トン、吊り上げ能力は25トン以上といい、90式戦車を牽引したり砲塔を持ち上げるなど整備や回収には欠かせない車両です。






こちらは11式装軌車回収車です。
10式戦車から砲塔を取り除いて戦車回収用の装備を設置した車両です。
よほど車体は機密が多いのか、直接触れることが出来ませんでした。
45トンの牽引能力と23トンの吊り上げ能力があります。






こちらは74式戦車。
展示されたのは第1戦車大隊本部管理中隊の車両です。
戦後国産開発された第2世代戦車で弾道コンピュータとレーザ測遠機を連動させた射撃統制装置は当時最新のシステムで、当時の光学照準機と比べて10倍以上の精度向上だったとされているそうです。
ひらべったい砲塔は避弾径始を考慮したもので、同じ厚さの装甲板を斜めに配置することで水平線上の装甲厚を可能な限りかせいでいます。
また可能な限り低く抑えた車体・砲塔に加えて油圧サスペンションで姿勢を低くできるので稜線ぎりぎりに身を隠して射撃を行うための射撃精度向上に貢献しています。
姿勢をかえられるのはもともとは水田やくぼ地が点在する日本の国土では軟弱な地形で腹がつかえて身動きが出来なくなる状態から脱出するため車高を変えて脱出しやすくするためだったそうです。






こちらは74式戦車(改)です。
第1機甲教育隊第4中隊の車両です。
74式戦車を近代改修化させたもので、投光機がパッシブ暗視装置になっています。
また車体後部は起動輪の履帯脱落防止リングが設置され、レーザ測遠機がYAGに変更されています。
予算の関係なのか改修はわずかに4両にとどまってしまいました。
発煙弾発射筒の後方にはなにやらケーブルが見えますがこれは追加されたレーザ検知器
と連動させたもので、相手から射撃照準用レーザ照射を検地すると自動で発煙弾を発射するためのものです。




こちらは90式戦車。
第1機甲教育隊第1中隊の車両です。
戦後国産第3世代の戦車で、74式戦車と比べると砲塔が角ばっています。
これは複合装甲を用いているからです。
高い防禦性能に加えて高度な射撃装置を用いて高い射撃精度があります。
後ろからの写真で砲塔に煙突のように立っているのは横風センサ、120ミリ滑腔砲の先端横についているのは戦車砲射撃時に熱による砲身のゆがみを軸線のずれによって検知して射撃の補正につかわれる砲口照合機です。
90式戦車の特徴として、砲弾の自動装填装置があげられます。
通常戦車砲弾は1発1発手動で砲に装填されます。
120ミリにもなると砲弾は20kg程度と非常に重いため人力での装填はかなりの重労働になります。
90式戦車はマガジン式の弾庫から自動装填で砲に装填することができます。
迅速に砲弾を装填できるのと同時に戦闘室と砲弾の弾庫を分けているため被弾時の生存性に有利なことや装填手を省くことが出来る点にありますが人員が1人減ることで周辺の警戒や整備補給など乗員の1人あたりの負担が増えるというマイナス面もあるようです。






ラストは10式戦車です。
第1戦車大隊第1中隊の車両ですね。
戦後国産の第4世代、最新の戦車でこの戦車はドーザ付となっています。
90式戦車よりもコンパクトでありながら高い防禦性能、機動性、射撃精度を求められ、さらにネットワークをつかったデータリンクシステムを搭載しています。
10式戦車の戦車砲は44口径の120ミリ滑腔砲で、90式戦車のものと同じ口径ですが、90式戦車がライセンス生産したものに対して、10式戦車は国産の全く異なるものを用いています。
新開発の砲弾を用いることで90式戦車の滑腔砲よりも高い貫通力があるとされています。
装甲は複合装甲の上にモジュール装甲を装着しています。
この装甲は中空装甲だといわれています。
10式戦車最大の目玉はネットワークで、10式戦車同士をネットワークでつないで情報の共有化ができます。
1両の10式戦車が目標を捜索するとその情報をネットワークで情報共有化、ほかの車両が索敵することなく射撃することが可能とされています。



10式戦車の車体前部です。
ウインカーがある!
・・・いえ、戦車にもウインカはあるんですよ。
これは自衛隊だけでなくレオパルト2もチャレンジャー2など外国の戦車にもついています。
戦車といえども道路を走る場合があるのでちゃんと交通を考慮しています。
ウインカの後ろにサイレンがありますね。
戦車にもサイレンがついてるんです。
結構使うようで、これだけ大きな車両ですから事故防止のためにもサイレンが必要なんでしょうね。


以上、駒門駐屯地創立55周年記念行事でした。




駒門駐屯地創立55周年記念行事 その1/その2/その3/その4
ブログ一覧 | ミリタリーイベント | 日記
Posted at 2015/05/04 21:04:09

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この記事へのコメント

2015年5月4日 22:12
モジュール装甲はいいですね(^。^)
一時期、リアクティブアーマーが流行っていたのが嘘みたい(^。^)
コメントへの返答
2015年5月4日 23:02
こんばんは。
リアクティブアーマは爆薬の爆発力で爆薬を覆っているケースが変形することで成形炸薬弾のメタルジェットを分散させるのが目的ですから、物騒な爆薬を大量にズラズラ並べるのは管理上いろいろ不都合もあるんでしょうね。
近くにいる兵員や車両もリアクティブアーマの爆発で被害を受けてしまう恐れもありますし。
中空装甲もリアクティブアーマも徹甲弾には効果が小さいとされていますが、最近の対戦車ミサイルは2段式の弾頭なのでこれに対抗して複合装甲の上にモジュール装甲を施しているのかもしれませんね。
2015年5月4日 22:32
こんばんは。

自分でここまで書けるパワーがないので、いつも詳細なレポートに感心しきりです。また次の記事も楽しみにしてますね。
コメントへの返答
2015年5月4日 23:03
こんばんは。
同じ装備が並ぶと書くことがなくなるのでいろいろと・・・・(^^;
今回は「自衛隊装備年鑑」とアルゴノート社の「陸上自衛隊の車両と装備」「陸上自衛隊の戦車」を参考にしました。
2015年5月7日 21:18
いつも凄い情報量で頭が下がります!

公道を走る戦車・・・撮りたいですね~w
コメントへの返答
2015年5月7日 22:39
こんばんは。
アップで燃え尽きました・・・・
真っ白に・・・・
余力で「ちよだ」をupしたので全部使い果たしましたw

公道を走る戦車なら豊川駐屯地の開庁記念行事のとき、訓練展示を終えて駐屯地内にもどるとき、ほんの数十メートルだけ公道走りますよw

プロフィール

「佐久間挺長ほか潜水艇の慰霊塔がある鯛の宮神社は呉のタクシー運転手さんも知らない場合もあってちょっと行きづらいのですが、あのあたりは安芸地震で結構被害受けたみたいで爪痕がまだ残ってたりします。」
何シテル?   06/23 21:17
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