• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+

Yamaeのブログ一覧

2025年01月24日 イイね!

ピストンの汚れ具合の変化

ピストンの汚れ具合の変化添加剤は成分と副作用が分からないと使うのは避けるのが私のポリシーであるが、この写真のFCR-062は、主成分がPEA=ポリエーテルアミンとのことで、使ってみることにした。

我が家のムーヴL175SのエンジンKF-VEは、第一世代のダイハツの低フリクションピストンリングな設計で、オイル上がりで悪名高い。Youtubeに増満自動車さんのガチ検証と題してこれがアップロードされているが、KF-VEの酷さは有名だったりする。
https://www.youtube.com/watch?v=IVh0ZT8M39w

我が家のムーヴL175Sもご多分に漏れず、オイル上がりにより、ボアカメラでシリンダー内を見ると、このレベルで、こってりとカーボンデポジットがあり、ピストンの地金は全く見えない。吸気バルブのリセス部分が辛うじて分かり、そこにフレーク化したカーボンの燃え残りらしきものが見えるし、ピストンクラウン部もフレークだらけである。


FCR-062を使い始めて、給油の度に、80ccづつを3回使った結果、このようになった。まだ写真の下の方にカーボンデポジットがそれなりに残っているが、使う前と比べると、かなり綺麗になった。3回目でこのレベルが良いかどうか、私には判断できないが、かなりの回数を使い続けないといけなさそうに思う。でも、オイル上がりが解消しない限り、完全に綺麗になることは無理かと。


現在、4回目を投入しようとしているが、1ヶ月で走る距離は300km弱しかなく、次の結果が分かるのは、桜が咲き始める頃になるかと。

PEAは難燃性であり、燃えきらずに、残留したものは、ピストンのクラウン部を湿らせている。残留するPEAの一部は排気され、テールパイプの後ろにダンボール板を置いて観察すると、水滴に混じって、黒い微細な粒が付着する。一部はオイルパンに落ち、オイルの汚れ方が早くなる。ガソリンの引火点がマイナス40℃以下に対し、PEAの引火点は230℃あり、これはC重油よりも遥かに高くインジェクターから噴射されても、単独では着火しない。

オイルリングに付着し、リングの働きを悪くしているカーボンデポジットも減ると嬉しいが、それを確実に確認するには、ピストンを抜かないと分からない。そこまでやる元気は私に無く、オイル消費が減ることで、それが起きていると思いたいが、今のところ、オイル消費量に変化は特にない。

尚、FCR-062を使ったことで、インジェクターの働きが良くなったからか、シリンダー内のカーボンデポジットが減ったからかは分からないが、明らかに車の走りが良くなった。大きな変化ではないが、上り坂を駆け上がる際のアクセルペダルの踏み込み量が幾分少な目で済むようになったと感ずる。

(追記 2025.4.21)
桜が散って、予定では給油の時期だが、このところ、L175Sは走行距離が少なく、給油は連休明け以降になりそうだ。でもシリンダー内の様子が気になり、ボアカメラで覗いてみた。

結果はこのとおりで、デポジットが減った部分と新たにできた部分のあることが分かった。ダイハツの初期のKF-VEエンジンはオイル上がりが多いこともあり、走れば、走るほど、デポジットが新たに堆積するので、それをゼロにすることはやはり難しいことが分かってきた。


難燃性であるPEAは副作用が無いとは言えず、燃焼が多少は阻害され、エンジンオイルの性能劣化や触媒の汚損が起きる。中にはオイルストレーナーやオイルフィルターの詰まりかけというYoutube ビデオで紹介されている事例すらある。
https://www.youtube.com/watch?v=P2Ch-w7ovtk

ケミカル類には効果とは裏腹に副作用があり、闇雲の使うと困ることもあったりである。
Posted at 2025/01/24 14:04:34 | コメント(1) | トラックバック(0) | エンジン | 日記
2025年01月02日 イイね!

ボイラー故障 風呂に入れず 続き

ボイラー故障 風呂に入れず 続き


写真には9個の電解コンがあるが、ヘアードライヤーで基板全体を温めると、ボイラーは正常に動作することから、これらの中に、悪いものがあり、それを特定するだけのことと思った。9個もあるため、それは容易なことではなさそうなのに、簡単に早く見つけることができてしまう手法(半田ごて法)を使い、見つけたのが、青と赤の矢印で示す2つで、これらを代用できる良品に交換したことで、ボイラーは完璧に動作するようになった。

お風呂が確実に沸かせるようになって、相談主の顔が綻んだ。満面の笑みで物凄く感謝され、修理費用はと尋ねられたが、私の手持ちの電解コン計3つで直ってしまったので特にお金は掛かっていませんと申し上げた。でも、手間賃くらいは払わせてと言われたが、大したことはしていませんのでと申し上げて私は帰って来た。私のやり方の半田ごて法の有効性の検証にもなり、また、お風呂に入れるようになって、相談主も私もハッピーだった。


3、半田ごて法とは
これは別の基板で撮った写真であるが、こうやって半田ごてを当てるやり方である。


アレニウス則に従って劣化した電解コンは熱を加えて判断するというテクニックが使える。具体的には、半田ごてを上の写真のように、調べたい電解コンの頂部に当てて、機器の変化を調べる方法である。中には、見ただけで劣化した電解コンを見つけられるものがあるが、一部の特殊な種類だけである。例えばここにある電解液に第4級アンモニウム塩を使ったものがそうで、リード足が腐食し液漏れする。
https://www.clublexus.com/forums/ls-1st-and-2nd-gen-1990-2000/656360-all-my-crazy-lexus-issues-solved-ecu-leaking-capacitor.html#post7496907

また、頂部が膨らみ、やがて液漏れする、コンピューターによく使われる水性電解コン
https://godhanda.co.jp/blog/51199653-2/
があったりする。一般にはESRメーター等の測定器を使って測定しないと劣化具合が詳しくは分からないのが普通である。電解コンデンサーは段々と劣化して行くものであり、その場合、温めると性能がその間だけ改善することを逆手に利用して、半田ごてで温めるというのが、私がやる半田ごて法である。電子機器の寿命を決めてしまう要因で多いのは、電解コンの劣化と半田クラックであり、それらを見つけて対処すれば、直せてしまう機器は多い。半田クラックの事例を一つ紹介させてもらうとこういうこともある。これは70万円もする車の排気ガステスターの事例である。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1275711/car/2809201/5421845/note.aspx

この半田ごてによる方法だと、簡単に劣化したコンデンサーを特定できることになり、今回もまさにその一つの具体的な事例となった。

正常に動作するようになった基板


この半田ごて法で見つけた写真の青と赤の矢印で示す2つの電解コンを交換したら、LED点灯も蛍光管表示も正しく出て、ボイラーが正常に働くようになった。通信エラーがあったときは、妙な表示が出て、お湯もたまにシャワーからしか出なかったと相談主から言われた。

カバーを付け時計をセットしたリモコンユニット


4、リバースエンジニアリング
回路図が無く、手探り的に修理しようとすると、膨大な数の部品を次々と交換しなければならないが、私は使われている電子部品と銅箔の配線路から、基板をリバースエンジニアリングすることで、確実に修理するようにしている。またこれをやると、修理が間違いなく行えたかも分かる。調べると、2つの電解コンは、15VDCから5VDCを作るスイッチング電源の平滑用としてパラに使われているものであることが判明した。後で示す写真のように、ESRが大きく、これらの電解コンはリップルの吸収が十分にできなくなってしまい、平滑が不十分となったようだ。温度が低い程、ESR増大の傾向が強くなり、寒いと調子が悪くなる電子機器は劣化した電解コンによって引き起こされていることが多い。今回のリモコンユニットでは、5Vで動作するマイコンがリップルによって、まともに動作せず、通信エラーが引き起こされたものであったと確信した。

リバースエンジニアリングで分かった回路構成


また、本体からリモコンユニットへの電源供給とこの間の信号伝送はそれぞれ専用に導線があるのではなく、直流の15Vの供給線にマイコンが作り出すコードを重畳させていることがリバースエンジニアリングの結果、判明した。当初、そのラインに周期一定の約1Vp-pのパルスが観測され、リモコンの操作ボタンのどれをを押しても、そのパルスに変化は殆ど無かった。電解コンを交換したら、元からあったパルスの振幅が大幅に小さくなり、代わりにコードと思われる信号が観測されるようになった。その約1Vp-pあったパルスは、リップル分が通信ラインにも漏れて来ていたことによるものであった。

類似なことは車でもよくあり、例えば、この280E Broughamさんという方の下のリンクも同じような事例とも言え、私の提案が役立ったようで、電解コンデンサーの交換後は調子良く機能するようになったと喜ばれた。掲載許可を頂くためもあり、近況を昨日お尋ねしたら、今冬も調子良く、セルシオは機能しているとのことであった。
https://minkara.carview.co.jp/userid/2789245/car/2387868/7457995/note.aspx

尚、使われていた電解コンは、ニチコンのマークが付いたF1P 100uF/16Vなるもので、ニチコンのUWTシリーズであった。
https://www.nichicon.co.jp/english/series_items/catalog_pdf/e-uwt.pdf

この電解コンデンサーは、低温性能が-55℃までOKという特徴があるが、標準品と性能的には余り変わらないものであって、低ESR品ではなかった。私の手持ちで電解コンに同じものは無く、修理を急ぐ必要があり、敢えて使ったのは、47uF/20VのOSコンと呼ばれるパナソニックのアルミ固体電解コンデンサであった。容量が半分弱だが、低ESRでリップル除去性能に勝れ、耐久性もあり、低温性能も良く、この容量でも十分に足りると判断し、使ってしまったが、電圧レギュレーターによっては、位相補償の関係で発振する場合があり、闇雲には使えない。OSコンは高周波特性が通常の電解コンよりずっと良く、位相回転によって、発振し易い。完璧な修理をしようとすると、ボーデプロットを調べ、発振余裕度を確認すべきだが、早くボイラーを稼働させるために、発振しないことだけを条件を変えながら確認し使ってみた。結果はOKだった。

5、何故、電解コンが劣化したかの考察

2つのコンデンサーの下には、15VDCから5VDCを作るためのDC-DCコンバーターによるスイッチングレギュレーター回路が配置されていて、それなりに熱が発生している。事実、この写真の赤矢印で示す、コンデンサーより下にある部品は発熱し、触るとかなり温かい。この熱が上に位置する電解コンデンサーに伝わり、アレニウス則に従って劣化が他より早く進み、ESRが増大したと推測される。こういう事情もあって、2つは寿命を早く迎えることになってしまったのだろう。でも、19年間は機能していた。

熱源


6、ダメ押しのESR測定
電解コンを基板から外す際、1個は上手く外れたが、もう1個は足がもげてしまいESRメーターに接続不可能になってしまった。ESRメーターで、室温23℃の時に測ると、このとおり、28Ωと出た。こんな大きな値では、リップル除去が不十分となるはずだ。

ESR 28Ω



ESRが下がって行く


この電解コンを暖房が一切ない、薄暗い物置で、ESRを測った後、半田ごてで暖めたらどうなるか調べてみた。当初、40Ωと出たが、半田ごてを当てたら、どんどんと小さくなり、やがて0Ωになった。Vlossも、温まる程、低下していることが分かる。何故か不思議なのは、静電容量がどの条件でも663.7uFとえらく大きな値なのが変だが、これは測定器がある容量以上だと、この数字になってしまう問題のようだ。

この写真のように、半田ごてで温めると、劣化した電解コンが素早く見つけられることがお分かり願えるかと思う。

6、ネット情報
ネット検索で、エラーコード760を調べると、一杯、事例が見つかるが、修理できたという話は見つからず、ボイラーの買い替えばかりの話が出ている。

私がどうトラブルシュートし、どう直したか、私一人だけのKNOW-HOWとせず、オープンにすれば助かる人もおられるのではとも思う次第である。寒いと起き易いエラーコード760は、多くがリモコンユニット内の基板に載っている電解コンの劣化であろう。今回も投稿させてもらうことで、助かる人もあろうかと、駄文を書いた次第である。

尚、一部ハイパーリンクが機能しないサイトがあり、それらは、TEXTで貼っておいた。見たい方はブラウザにコピペして見られたし。
Posted at 2025/01/02 23:53:36 | コメント(0) | トラックバック(0) | 日記
2025年01月02日 イイね!

ボイラー故障 風呂に入れず

ボイラー故障 風呂に入れずタイトルのことは、我が家ではなく、年の瀬に私の恩人の家で起きたことで、電話が入った。

「寒くなってきたら灯油式ボイラー ノーリツ OTX—305SAFV(この写真のもの)が不調で、寒波襲来なのに風呂に入れず、業者を呼んで修理をお願いしたが、期待外れなことを言われた。」

という旨のことを話された。その業者さんが言われた内容は、

「製造から19年にもなる古いボイラーの部品はもう無く、修理は無理。買い替えてもらうしかない。新しいものへの入れ替えには納期も工期も必要で、正月過ぎになり、費用は約40万円。」

問題は40万円という高額な費用だけでなく、年末年始に業者は作業ができないため、工事は年明けになってしまうようだ。近場の銭湯はどこも廃業してしまっており、当面、風呂に入れそうもないのはお困りだろう。もし電子系だけの故障なら、私で何とかなるのかもと思った。お世話になっている方でもあるし、私に電話されたのは、私に期待されている部分もあってのことかも知れない。一方で、業者さんの言い残した言葉に、

「エラーコード760 = 通信エラー であり、メイン基板か、リモコンユニットの交換が必要だが、もうどちらもメーカーから出荷されない。」

があったそうで、私なら基板内の悪い部品を見つけ出し、それだけを交換すれば直せる可能性もあるように思った。もし、私の技術力が十分に高く、直せる可能性が高かったら、

「分かりました。お任せ下さい、ご安心を。」

と言いたいところだったが、そこまでの自信は無かった。でも、メイン基板か、リモコンユニットの交換ということに、51%の自信が出た。そして、何とかしなければという思いになった。

「寒い日が続くと、駄目になってしまうが、温かいとシャワーだけ何とか機能することもあった。しかし、この年の瀬にこんなことになろうとは。」

とお世話になった方は嘆いておられたが、このフレーズの中にもヒントはあった。そして、自信はぐっと上がった。温かいと言うのは、温度要因であり、過去に私は類似の経験を何度もしているからだ。そして、自身の心の中でこう呟いた。

「何とかして、直してみよう、これだけの事実が分かっていて、直せないなんて恥だ。」


どう修理したか、結論を先に書くと、
通信エラーの原因は、リモコンユニット内のDC-DCコンバーターに使われている電解コン2個の劣化であった。それらは下の2枚目の写真に青と赤の矢印で示すものである。当初、次の写真で示す本体内のメインのマイコン基板に問題があるのかと、オシロスコープや半田ごて法(詳しくは後述)で調べたが、問題は見つからなかった。でも、念のため、赤矢印で示す電解コンデンサーは交換しておいた。これはマイクロコンピューターの電源ラインに入っているもので、リップルセンシティブなところだったからである。その後、リモコンユニットを調べることにし、修理に成功した。

ボイラーが短時間でちゃんと機能するようになり、この家の奥様からも感謝されたが、年金暮らしに急な40万円もの出費はきついだけでなく、年末年始に風呂に入れないなんて、悲惨なことだろう。でも、どちらも回避できて、私もヤッターという気分になった。業者から修理できないと言われたボイラーを私が直してしまったことに相談主のご夫婦は驚かれたが、電子系の故障であったため、私でも何とかなった。





動作するようになったリモコンユニット


どうして、青と赤の矢印で示す2つの電解コンが元凶になっていたかを見つけるのは、目では分かるものではなく、ある技術的なテクニックと測定器を使ったが、その詳細や考察は次のブログで紹介したい。
Posted at 2025/01/02 17:37:24 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記
2024年08月30日 イイね!

【祝20周年:みんカラでの思い出】

【祝20周年:みんカラでの思い出】みんカラ歴が12年11ケ月になったと知らされて、もうそんなにもなるのかと自分でも驚いてしまった。爺さんになると、時間軸がどんどんと短くなり、1年が若い頃に比べて、何倍も早く過ぎて行くことに私は悲しさと焦りを感じる次第である。

みんカラの存在を知ったのは、アメリカ赴任が終り、私が帰国してかなり経過してからだった。しかし私は仕事に追われて、たまにみんカラを覗き見するだけで登録することなく年月が経過していた。そして、登録したのは、定年から1年が過ぎ、勤めていた会社との機密保持契約が終了してからだった。私が働いていた電子機器製造会社は内外の車メーカーに電子機器を納入していて、機密事項があれこれとあり、ネットへの書き込みは1年間ご法度だったからである。もう一つ、当時、保有していたカルディナやセルシオの車齢が12歳を過ぎ、あれこれメインテナンスをしなければと思い始めていたからだったが、みんカラのカルディナのページに、私にとって、とても参考になることをイギリスから書き込んでおられた方が存在していたのがもう一つの理由であった。

そのイギリス在住の方はAvensistさんという日本人の方で、車関係で翻訳や通訳をされている一方、車に関してとても詳しく、私はこの方のお蔭で、随分と助かった。

赴任地のアメリカでは、都会地でも車は30万kmを当たり前に乗り、日本でよく言われる10年10万kmとは大違いだった。そして、自分もアメリカ基準が当たり前になってしまった。また、現地では、車を修理に出しても、仲々、まともには直してもらえないという環境だったので、DIYで修理するという人も多く、そういう人たちと知り合いに私はなったりして、平均的日本人とはかなり違った人間になってしまっていた。

以来、13年近くが経過したが、私が投稿することは整備に関し、同じ車種を持つ他の人たちにも参考になるようなことに絞るようにしている。仕事で慣れさせられた電子系やDIY仲間に助けられて、今では、近在のディーラーや車屋さんで助っ人マンをしたりもしている。また、アメリカ赴任で慣れさせられた英語やスペイン語を使って、アメリカのClublexusというフォーラムに書き込みをしている内に、Moderatorという管理者に指名されたりで、私は歳を重ねても、カーライフを楽しませてもらえている次第である。
Posted at 2024/08/30 23:41:55 | コメント(0) | トラックバック(0) | タイアップ企画用
2024年08月11日 イイね!

電解コン お前もか

電解コン お前もか連日の暑さにエアコンだけでは部屋の隅が十分に冷えず、この扇風機を引張り出してみた。この扇風機には、1/f 揺らぎという人体に優しいと言われる、揺らぎ機能がある松下電器のもので、安い他のものより、2倍近いお金を払って買ったものだったことが記憶の片隅にあった。

しかし、運転入のスイッチを押しても、反応せず、ファンは回らなかった。扇風機の後ろを見ると、このラベルがあった。


94年製ということは30歳である。古い扇風機は、進相コンデンサや巻線のポリウレタンの劣化等で、発煙や発火問題のリスクがある。もう古いし、捨てようと思い、屋外の廃棄物を置いてあるところへ持って行った。今日の屋外は39℃もあった。

その1時間後、家人が別の廃棄物をその場で仕分けし始めたが、余りの暑さに、私が捨てようとした扇風機を使ってみたら、ちゃんと使えてしまい、暑さを少しは凌げたそうだ。

エアコンを効かせた部屋では駄目だったのに、暑い屋外でOKだった。それを聞いた私は、もしかして電解コン?と思ってしまった。思ったら、すぐ、検証したくなる私は、扇風機の底部にある電子基板を引張り出してみた。

基板のマイコンの電源回路は、AC100Vから、トランスなしで、DC5Vを作る大雑把な回路で、シャントレギュレーターを持ち、220uF/10Vの電解コンが使われていた。リップル電圧を調べようと思ったが、30年なら、容量抜けだろうと思い、手持ちの220uF/25Vにこのように付け替えてみた。


そうしたら、涼しい室内でも、何ら問題なく動作してしまった。使われていた、オリジナルの電解コンはこれであったが、容量が1/10以下になり、ESRが20Ω余りあった。


電解コンが劣化していたことで、冷えた室内では起動ができなかったが、酷暑の屋外では電解コンは性能が上がって機能し、マイコンを動作させ、モーターを起動させるだけの能力になっていたことが判明した。電解コンは温度で性能が随分と変わるが、酷暑の屋外と冷房してある室内との温度差がOK/NGの別れ目になることを今日は実体験してしまった。

車でも、寒いと不調なのに、暖気の完了した頃には調子良く機能するようになるエンジンだったり、補機類があるが、それらの多くは電解コンの劣化ということが多い。まさか扇風機で劣化し始めた電解コンの温度依存性を再認識させられることになるとは。

電解コンはアレニウス則に従って、確実に経年劣化が進むので、電子部品の中では寿命が確実に予測できる。当時の松下は設計時に30年を寿命と設定していたのかな? その後、設定をもっと短くしたのか、設計者の単なる怠慢なのか、或いは買い替え需要を狙った高度な設計なのか、この写真の松下の電子レンジは7年で電解コンが駄目になって機能しなくなった。

詳細は以下の記事のとおり。
https://akipara2.sakura.ne.jp/new_page_822.htm
尚、松下のこれと同機種で、やはり同じように壊れて、私の記事を参考に自前で修理できてしまったというお礼のメッセージが私に届いたことがある。
Posted at 2024/08/11 18:54:48 | コメント(1) | トラックバック(0) | 日記

プロフィール

「[整備] #シエンタ サルフェーションの状態変化 https://minkara.carview.co.jp/userid/1275711/car/3028334/8338427/note.aspx
何シテル?   08/18 23:12
古き佳き時代の車が好き。メカは苦手ながら、多くの車屋さんが得意でない電子領域を私はあまり苦にせず、助け合うことで古い車でも何とか維持している。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/8 >>

     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      

リンク・クリップ

愛車一覧

トヨタ シエンタ トヨタ シエンタ
家族で使っています。
トヨタ セルシオ トヨタ セルシオ
未だに21後期に乗っています。この静かさと乗り心地の良さは素晴らしく、まさに腐っても鯛と ...
ダイハツ ムーヴ ダイハツ ムーヴ
家族が長く乗っています。エンジンはKF-VEの第一世代という初期のもので、ご多分に漏れず ...
スバル R2 スバル R2
この車は会社の先輩経由で5年余り前に転がり込んできましたが、前部と側部を小破していたR2 ...

過去のブログ

2025年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2024年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2023年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2022年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2021年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2020年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2019年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
2018年
01月02月03月04月05月06月
07月08月09月10月11月12月
ヘルプ利用規約サイトマップ
© LY Corporation