O2センサーの劣化で排ガステスターを作る羽目に
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
初級 |
作業時間 |
30分以内 |
1
右は我が家のスバルR2に新車時から使われていたO2センサーで、22万km余りを走ったもの。左は、走行距離6万kmのR2から借用したもの。
右側のものでは、エンジンチェックランプは点灯しなかったが、排ガス検査でぎりぎりだがNGとなって、車検不合格だった。オシロスコープで電圧を確認すると、最大でも0.80Vまでしか上がらず。
左側のものでは、CO 0.01%、HC 5ppmと改善した。また電圧は0.93Vまで上がった。22万km走ったエンジンでも、O2センサー一つで、これだけ違い、車検も合格した。また燃費も改善した。借用した方は車屋さんに返却し、正規のものが到着するまで、ダイハツ・ミラ用のものを流用し、その後交換したが、どちらでもCOもHCも値は殆ど変わらずだった。
2
1の写真の右側はカーボンの付着量の多さから、リッチ傾向であることが読み取れる。
エンジンチェックランプが点灯しないのに、排ガスNGで車検不合格になったのを凝りて、COとHCが簡易的に調べられる簡易排ガステスターを私は自作することにした。この詳細は別途紹介したいが、使ったセンサーはCOが測れるMQ-7 と 下の写真のMQ-6 というプロパン、 ブタン、 プロパンの測れるセンサーでアマゾンやebayにて買えるもの。MQ-6は、HとC原子でできた分子を検知するものである。
新たに投資した費用は総額で千円以下で済み、私が時々お手伝いさせてもらっているディーラーにある70万円もする排ガステスターで校正・比較させてもらったら、極めて精度良く測定できることが分かった。たった千円弱の投資で、自宅で排ガスレベルが測れるなんて、何と良い時代になったのだろうと思う次第であるが、若干の電子技術は必用である。
3
こんな安価なセンサーでも、水分を避けて測定できるようにすると、かなりの高精度でしかも安価に排ガス中のCOとHCが測定できる。電子回路が幾らかでも分かる人はお試しあれ。どうやって水分を避けるかが味噌ではあるが、要望が多ければ、そのテクニックや作り方を紹介することにしたい。
(2023.5.24追記)
熱や水分を避けるための具体的な方法や作り方はコメント欄を参照されたし。
4
2020年5月23日 追記
最近、MQ-7もMQ-6も随分と高くなってしまい、千円では買えないという話が入ってきた。でも、あれこれネットで探すと、売り主によっては、どちらも、数百円というところもあったりする。1年余り前に合計千円弱だったことに比べると高いが、2倍までは行っておらず、70万円に比べれば、遥かに安く、私は頼まれて2台目を作ることにした。
5
O2センサーにダイハツ・ミラ用のものを流用したのは、ヒーターの駆動が殆ど同じPWM方式であったことと、抵抗値も極めて近かったので、一時的には使えるだろうと思い、実験を兼ねてのことだった。車屋さんに顔を出していると、部品が届かないのに、車検場に車を送り出さなければならないことがあり、流用可能な部品をリストアップしておくことは重要だったりもする。
ただ、一つ気にしなければならないのは、R2の場合、エンジンが働いているときは、殆ど常にヒーターはPWMで駆動されていて、ヒーターの弱いダイハツのO2センサーでは短命に終わることを危惧した。ダイハツ・ミラは、エンジンが十分に暖まると、ヒーターの駆動は停止する仕掛けになっていて、ヒーターへの負担は少ない。なのにヒーター切れするダイハツのO2センサーの信頼性の低さには閉口してしまう。ダイハツはゴム部品とO2センサーがらみのリコールや保証延長が多いとどこのショップでも言われるが、確かにそうだ。
6
(2023.5.24 追記)
これを作ってから4年になろうとしているが、この間に、車検場へ行く前に活用した回数は16回になる。いずれも、車検で問題になるような排ガスレベルということは無かった。でも、一つ、エンジンのコンディションを判断する上で役立つことが分かった。それは、オイル上がりがある車は、HCもCOも随分と悪化することだった。その詳細はここの6に書いたとおりである。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1275711/car/2914716/5832502/note.aspx
CO/HCが当初、0.09%、64ppmあったスバル・ステラはその後、オイル上がりが改善するに従い、どちらも段々と良くなって行き、どちらもほぼ1桁良くなった。車検前の確認のつもりで、この簡易測定器を作ったが、オイル上がりの程度を調べるのにも使え、便利なツールの一つになっている。加齢の進んだ車を維持する上で以下のものがあると何かと役立つ。
・コンプレッションテスター
・ボアスコープ
・CCAメーター
・オシロスコープ
・排ガステスター
・DVM
これらがあると何かと便利で、レンチやドライバー類のメカ用ツールだけでは対処できない電子系の領域の作業や修理もしやすくなる。オシロスコープは必需品で、近くのディーラーさんが始動せずの車で困り、メーカーのサービス本部に助けを求めても駄目だったとき、私にSOSが来た。持参したオシロスコープで調べたら、クランク角センサーの信号のローサイドが2.2Vもあり、ECUがローと判定しきれずが原因だったこともある。判定に要した時間は5分で、検証のために、レベルシフターを手作りして、挿入したら、始動した。今どきの車は電子系ツールを活用すべきだが、それができないメカニックさんも多い。
7
(2024.02.26追記)
具体的な製作方法は、コメントの2つ目に回答したように、Youtubeにいろいろな方法が紹介されており、その中から、ご自分に合ったやり方を選ぶと良いでしょう。今の時代、電子工作ができると何かと便利です。
尚、校正が必要ですが、私は懇意にしている車屋さんでさせてもらいました。あれから5年近くが経過していますが、この自作排ガステスターは調子良く機能してくれています。その後、9台ある我が家の車の全てで、トータル20回ほどこの排ガステスターを使い、排ガスの事前確認をした後にユーザー車検を受けましたが、何ら問題なく、全て合格でした。
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