カルディナからシエンタに
目的 |
修理・故障・メンテナンス |
作業 |
DIY |
難易度 |
 初級 |
作業時間 |
12時間以上 |
1
関連情報URLにあるとおり、長年愛用してきたカルディナに代わり、シエンタに家族が乗り始めた。このシエンタは14歳と車齢は若くないが、カルディナの22歳と比べれば、遥かに若い。
古き佳き時代の車が好きな私にとって、カルディナとの別れは辛いものがあったが、81シエンタはまだ前世紀の余韻を残す車で、トヨタが真面目に車作りしていた頃の設計概念を感ずる。
シエンタは生産拠点が2006年5月にトヨタ自動車高岡工場からダイハツ工業京都工場に移管され、部品の何割かがダイハツの自給部品となり、それらに私が難を感ずる駄目発クオリティーとなった。このシエンタは同年3月に高岡で生産されたもので、トヨタクオリティーの部品が使われ、生産設備も作業者もトヨタであった。それらの点でも、このシエンタには期待できるものがあると私は踏んだ。尚、我が家には、2010年に新車で購入したシエンタがあるが、駄目発の自給部品のクオリティーの低さには驚かざるを得ない。
また一時期のシエンタには、中国製のピストンリングが使われ、オイル消費の激しいものがあったが、このシエンタはその時期のものでは無かった。
2
懇意にしている車屋さんから、
「家の一部がガレージになっていて、4方を囲われている車庫に保管されていたシエンタが下取りで入庫した。オーナーは熟年女性だった。カルディナより、使い勝手は良いだろう。でも、エンジン不調やLEDブレーキライト不点灯(複数)やその他マイナーな不具合が幾つかあるが、Yamaeさんの良い勉強になるかも。走行距離は9万kmのオーダーだ、復活させてみる?」
という連絡が入った。それはちょっと前まで5人ものニート同然を抱えていた私への優しい言葉でもあった。皆、まともな収入がないのに、車は必要としていて、私が支えてやるしかなかった。今では、皆、ニートは卒業して、一時の私の収入を超えるのに、相変わらず、車は私におんぶに抱っこなのである。
車を見させてもらったら、日光や雨に晒されていなかったせいか、外装も内装もとても綺麗で驚いてしまうくらいだった。昨年、好きして良いと言って、下さってしまった、スバル・ステラを思い出してしまった。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1275711/car/2914716/profile.aspx 3
ステラはエンジン不調、その他の問題をあれこれ抱えていたが、外観も内装も新車然としていたが、このシエンタも類似だった。このシエンタは冷間時にエンジンはアイドルアップされて、1000rpmよりかなり高いのに、激しく振動し、ボディーも揺れるレベルだが、暖気後は調子良かった。そして、譲り受け、復活させることにした。
この症状はEGR系の問題であろうことはすぐに分かった。調べてみたら、EGRバルブが半開きでスタックしていた。カーボンが溜り、完全に閉じなくなった後に、一部のカーボンが崩れてそうなったのだろう。常にEGRが効いていては、エンジンはまともには回らない。また左図の2とか4のEGRラインの口元部にカーボンの蓄積がひどかった。バルブの分解清掃とEGRラインを清掃し、かつスロットルボディーも綺麗にし、ECUをリセットしたら、完璧に直ってしまった。
左図の1の示すEGRマニフォールドは外して清掃するのがベストであろうが、汚損は入り口部に集中するという情報があったので、外さず、細いワイヤーブラシと針金を使って、エンジンコンディショナーを吹き付けながら掃除しただけで済ませた。みんカラのあちこちに、これらのことが写真入りで掲載されていて、それらが大いに参考になった。みんカラと投稿者の方々に感謝である。また、EGRマニフォールドに使われているガスケットは単品入手できないそうで、ここは外さなくて正解だったかも。
4
ブレーキライトは左側とハイマウントの2つが点灯せずだった。
ハイマウントの方は、殻割りし、(ダイアモンド刃のロータリー式カッターで)中身を調べたら、半田クラックのオンパレードだった。
(追記 2024.05.27)
殻割りの仕方は以下に投稿したとおり。
https://minkara.carview.co.jp/userid/1275711/car/3028334/7454478/note.aspx
赤矢印で示すように、熱膨張でストレスの加わる箇所は軒並みクラックがあり、やはり当時の車業界の半田付け技術の未熟さを象徴していた。RoHS1による鉛規制を真面目に早い時期から検討していれば、こんなことにはならなかったろう。
私は自分なりの方法で補修したが、ダイオードからヒートシンク兼用の金属部につながるラインには写真のように別系統の配線を加えておいた。
5
補修後は水が入らないよう、カットした部分をグルーガン(ホットメルトとも言う)を使って接着しておいた。
接着にシリコンRTVを使う手もあるが、シロキサンによる接点障害のリスクがある。グルーガンでは、夏場の炎天下に駐車すると、温度的に余裕は少ないが、来年の夏にどうなるか、検証してみようと、敢えて、グルーガンで簡単に済ませた。それは、また何かあったときに、ヘアードライヤーで簡単に分離できるからでもある。
6
ブレーキライトはLEDをマウントしている基板にアクセスすることはできない密閉構造になっていた。でも、写真の赤矢印間に入れた白線に沿って、前述のロータリー式カッターで切り、他の3辺は、ニクロム線を使った電熱式カッターを使ってカットし、基板を取り出した。
作業中の写真を撮る余裕がなかったため紹介できないが、基板下部の2つのLEDがオープン状態で死んでいた。
7
8
部品代はコーヒー一杯より安く済んだが、車屋さんでは、どちらもユニット交換となり、部品代だけで、諭吉3枚では足りないとのことだった。ディーラーでは、技術料を含めると、4枚だそうだ。
学生時代に金欠で苦しい思いを私はしたが、半田付けに慣れるチャンスだった。ジャンク活用と創意工夫+DIYで無線機を自作するには、半田ごてを駆使しなければならなかったからだが、こういう形で今でも役立っている。また外国語の幾つかを多少は操れる原点にもそれはなった。
他にも細かい不具合が複数あったが、追って紹介することにしたい。
尚、我が家には2010年に新車で買ったシエンタがあると書いたが、出先で困るような故障は無く、投稿することも無かった。使い勝手の良さと利便性で家族間で、このシエンタが取り合いになることがあり、もう1台を中古で買ったという事情もある。
[PR]Yahoo!ショッピング
関連コンテンツ
関連整備ピックアップ
関連リンク