
過去にも帆世ブログに登場している320dですが、久々にこのクルマで距離を走る機会があったので、今回はビーエムネタです。
この個体はKelleners Chipにより、226hp/450Nmまでパワーアップしています。
BMWの3シリーズ。
自分で買ったことはないものの、現行F30から数えて、E90、E46、E36と過去3世代は、結構な距離乗っています。
どの世代も、その時代のベンチマークと言えるデキのクルマであると感じる反面、性格的には少しずつ変わってきた印象があります。E36、E46の頃はステアリングフィールも繊細で、ワインディングでクルマとの一体感が強まるような感じでしたが、電動パワステが採用されたE90からはステアリングフィールも少しスローになり、高速走行の比重を上げてきた感覚があります。
メルセデスやアウディにも言えることですが、操作系も代を追うごとに軽くなってきたと感じます。
市街地を走り出すと、F30も最近のドイツ車らしく、操作系が軽いです。
ただし、フィーリングというか、タッチの繊細さではCクラスのほうが一枚上手な気がします。
具体的に言うと、ステアリングフィールとブレーキのコントロール性。
油圧でセッティングされていたE36やE46の自然なフィールの域には、まだ達していませんね。。。
低速域だと、ステアリングに電気的なグニャっとした重さがあるのと、ブレーキのタッチが少し荒いのが気になります。ブレーキに関していうと、アイドリングストップの制御が少し絡んでいるように感じます。ショックを最小限にしてクルマを停めるには、クルマが止まる瞬間に少しだけブレーキの踏力を抜いてあげますが、ここのコントロールが難しい。最後の止まる瞬間にブレーキペダルが吸い込まれてアイドルストップが働く感覚があります。実際、アイドルストップをオフると気にならないですから。
しかし、ある程度ペースを上げてキビキビ走り出すと、こうしたことは気にならなくなります!
やっぱり、ビーエムはそこそこのペースで走らせてピントが合うように、セッティングされてるんですね!
そして、なかなかに速い!
一瞬のターボラグの後、前から引っ張られるような加速をしていきます。
フィーリング的にはインプレッサWRXをマイルドにしたような加速感。ガソリンでもディーゼルでも、2リッタークラスのそこそこのプレッシャーのターボって、前から引っ張られるような加速をします。
このフィールには、ケレナースチップによるECU Tuningが多分に効いていると感じます。
ノーマルも非力とは感じないものの、8A/Tが賢く細かく一生懸命ギアチェンジしてパワーバンドに乗せてる感じしますが、ケレナースはブーストがかかると、ブィーンとターボ車らしく加速する感じです。8A/Tの仕事が、いい意味で目立たないです。
ただ、ディーゼルはガソリン車のように回転上昇しないので、メーター見て、思ったより出てる! となるタイプですけどね。
そして、高速に乗ると、クルマのピントがさらに合ってくる感じがします(^^)
ステアリングの落ち着き、足回りの落ち着き、パワーデリバリーと全体が高い次元でバランスされている!
そして、一番、驚いたのはスピード感のなさ。
これまでディーゼル車での高速走行もしていますが、F30はその中でもスピード感を感じない部類です。
高速走行中だとピントが合って気になるところがないのもありますが、ディーゼルであることが大きくスピード感覚を変えていると思います。130キロ走行で2,000回転、200キロ走行で3,100回転で、回転上昇も穏やかなので、スピードが出ている感覚がなくなります。回転数だけで言うとXJRも同じくらいで、ユーコンも低回転で走るクルマですが、回転上昇の感じは違いますからね。
なので、スピードが出てる感覚がなくても、気づくと180以上出てたりします。
そして、タコメーターはゆったりしていても、120~180+くらいの加速は結構速いです。簡単には抜けないレベルです!
190以上は、飛ばすつもりで踏んでいく必要がありますが、240は出るかな?って雰囲気です!
新東名を走っていると、200キロ近く出てるかな?ってペースで抜いていくメルセデスやビーエムが一定数いますが、多分、運転してる側はそこまで飛ばしてる感覚ではないんでしょうね。そんな感覚になります。快適速度もユーコンより20キロくらい速い感覚です。
でも、ユーコンと大きく違うのは燃費(笑)
ユーコンも内容を考えれば健闘していますが、比較になりません (^^;
なかなかタンクが減らないので、満タン法では測れてないですが、車載や燃料計から推測するに、高速8割で18km/Lくらい走ってます。燃費気にせず、エアコンオンで、ユーコンで6km/Lに届くかって条件なので、軽油であることも加味すると、ランニングコストは1/3以下になります。
"高速をそこそこのペースで走る"という条件で考えると、日本で買えるもっとも燃費の良いクルマの一台だと思います。しかも、我慢せず、楽しく走って、高燃費が出せるという性能! ここを両立させてるクルマって意外と少ないです。
全体的に、乗っていて感じるのは、クルマの動きに無駄のなさ。
320と比べると、豪快なユーコンは一つ一つの動きが大げさに感じる (^^;;
チューニングをしていくと無駄な減り、ユーコンも大分動きがシャキッとしてきたと思ってましたが、ドイツのセダンに乗ると、やはり違いますね。。。
ユーコンで130キロでフツーに曲がれるようになった!と喜んでいたコーナーを何事もなく150キロ以上で抜けていきますからね。
この辺りは良い悪いというよりも、好みも多分に入ってくるので、どちらがいいという話にはならないですが、ビジネスの移動という意味では、ドイツ車なのかな、と思わせる説得力はあります。
しかし、路面がキレイな新東名も周りへの気遣いやリスクを考えると、アウトバーンのように走れる時間はかなり短いのが現実。ドイツ車だとピントの合う速度域が高いところに置かれ、ハイスピードで走ることになるので、そういう点では、案外アメ車のほうが日本の高速には合ってるかな、と感じる部分もあります。
もうすぐ夏休みで時間ができるので、気になるクルマは見に行ってみようと思います。