第三段は、クロカン四駆からいきます。
日産サファリ(Y61)です。
輸出用のパトロールではなく、国内向けのサファリです (。-`ω´-)
パトロールはランクルと並び、グローバルベンチマークとなるクルマで、本格使用が見込まれる中東や豪州では一定の地位を築いてますから!
この前の世代のY60は、当時の日本のRVブームに乗っかり少しは売れたと思いますが、Y61はさっぱりで2007年にはついに国内市場から身を引くことになってしまいました。
サファリY60とランクル80の時代は、デザインや雰囲気こそ違えど、共にフレームシャシーにコイルサス、4リッターを超える直6エンジンで、どちらもクロカン車に乗ってるというフィーリングで極端な差は感じませんでした。
しかし、サファリY61とランクル100の時代では、共に目指す方向にGAPが生まれ、出来たクルマにも違いが出始めます。「SUV」という言葉が定着し始めた頃で、ランクル100はエンジンも乗用車と同系列のUZ系V8にし、サスもダブルウィッシュボーンに変更されます。開発段階からLEXUSブランドとしても売ることを想定し、SUVの世界で生きて行くことに決めたように写ります。
対するサファリはわが道を行っていた感じがします。Y61はSUVではなく、クロカン四駆と呼びたくなる乗り物でした。エンジンは、Y60のTB系4.2Lを拡大した4.5L直6(後に4.8Lまで拡大)、コイルサス、パートタイム式四駆と内外装こそ丸くなり、現代化されましたが、中身はY60の正常進化版といった形のものでした。開発では、SUVというより中東や豪州のヘビーデューティー使用を第一に置いていたのだと思います。全く軟弱なニオイがしない、ランドローバーディフェンダーのような車といっていいかもしれません。
ランクル100はずいぶんと乗用車的というかセルシオっぽいですが、サファリY61は相変わらずクロカン車って感じで^^☆
国内で乗るには完全なオーバークオリティーで、そこが魅力であったりします。最近の車で、オーバークオリティーのタフな機械に触れてると感じるものはそう多くないですが、このサファリはそうした贅沢感を味わえます。SUVは逆にそういうタフな無骨なフィーリングを消す味付けにしてる車が多いので、逆にプラスポイントだと感じます!
ランクル100は豪州などのヘビーデューティー使用向けに、フロントにコイルリジットサスを入れ、エンジンもFZJを搭載した105系を出してたくらいですから、国内仕様でいうとサファリのほうが頑丈でしょうし、そうした空間にいる雰囲気は味わえると思います。
W140やR129くらいまでのメルセデスは機械的な良さが色濃く残ると言われ、実際自分もそう感じますが、これはECUによる制御に頼らない分、物理的な部品の精度や耐久性が高いからだと思います。Y61までのサファリには、同じようなことを感じます。
そんなサファリY61も、2010年にはInfiniti QX系とベースを共にするY62型に世代交代しSUVに変わってしまいました。
豪州などでは継続販売されてるようですが、このようなフィーリングの車が今後出てくることもないのでは、と思います。
次の一台はMG ZTです。
この車は、中古車の穴場シリーズで紹介しても良かったのですが、こちらで紹介します。
個人的には「くるま何乗ってるの?」って質問に「MG!」って答えが返ってくると、ちょっと「おっ!」ってなります^^
このZTはRover 75の兄弟車なので、純血のMGではなくローバーグループの車なんですが… MGって響きに独特のものを感じます。
スペック的には0-60mph : 8.9秒、最高速: 216km/h、燃費EU複合モード : 11.05km/L。
エンジンはローバー製のV6 2.5L 177ps/24.5kg-mに、JATCOの5速A/Tの組合わせ。
動力性能的には、先日のRenault Avantimeとタメで、EU複合燃費は全然重いAudi Q7 3.0TFSIとタメ!
本国では260馬力仕様の4.6L V8に5速マニュアルを組み合わせたモデルもありましたが、このV6に関しては、スペックシート上のアピールがあるとはいいがたい車です… 信頼性が高いというわけでもないし…
では、何故紹介するのか…?
それは、Rover 75もそうですが、この年代の車としては英国車濃度が濃いからです!
正規輸入が開始されたのは2004年。
この頃の英国ブランドを考えると、ほとんどがアメリカやドイツの資本下に買収されており、なんというかアメリカ人が考えるアストンやドイツ人が考えるベントレーになっていった感じがする… ジャガーのX350なんかも、アルミ技術による軽量化やシャシーの神様、リチャード・パリージョーンズが仕上げた車として魅力あるものの、英国車的魅力かというとなんか違う気がする…
英国資本としては最大の生産台数を誇ったTVRもロシア人実業家に買収されたのが2004年。まぁ、TVRはキャラ濃すぎるんで、どこの国で作ってもTVRとも思いますが… (^^;;
ロータスもエンジンは、世界一つまらない車を作れるトヨタ製に…
ってな感じで周りを見渡すと、マイナーになり過ぎないところでは、英国車濃度が濃い~車が以外とない…
ジャストサイズのボディに、なかなかカッコイイデザイン、雰囲気ある内装とくると、この車がクローズアップされるのです!
たしかに、カタログ見て「おっ!」ってなる車ではないんですが、きちんとした世界感を持つ車なので、雰囲気や乗り味が気に入れば、長く乗れる類の乗り物かと思います。
なんというか、このクルマはセダンのようなセダンであるところに好感が持てます。スポーツカーになりたいセダン、クーペになりたいセダン、ミニバンになりたいセダンと少し行き過ぎたクルマが多い中、セダンとしての正しさみたいなものを感じます。そういう意味ではRover 75のほうが上を行きますが、MG ZTもセダンの範囲に留めたスポーツセダンであり、急激に古臭く見えるようになったり、飽きがきたりせずに乗って行けると思うのです。
MGも中国メーカー傘下を転々とし、現在UKで販売されるモデルはわけのわからん中国車とプラットフォーム共有してるので、このZTのような車は、これで最後になってしまうのでは? という印象を受けます。
人気を考えると、今の中古市場よりもさらに安くていい気もしますが、3万キロ以内の個体が100万そこそこで買えたりするので、気に入ったら、なかなか良い買い物かと感じます。自分も結構欲しいです^^
Posted at 2012/04/16 23:28:52 | |
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