
先日、候補にしていたクルマの話は流れてしまい、フランクフルトで見たEクーペに惹かれる中、なんだか、いろいろ振返ってしまいました。
Eクーペ、国内でも見かけるようになり、走ってる姿もなかなかですが、出来すぎちゃってて、刺激が足りない。フランクフルトでの印象はかなり良かったですが、変なクルマばかりの帆世界に戻ってくると、逆に場違い(--;;
あーゆー、フツーのいいクルマのオーナーになれる日が来るのか、いささか疑問です。。。
何度か書いてる気がしますが、これまでの人生で強烈な憧れを抱いて手に入れたのはCorvette C4とFerrari F355の2台。振返ってみると、この2台は強烈にほしい気持ちもあったものの、自分の育った境遇も大いに関係している気がしてなりません。
幼少期、精神的にも締め付けが多い中、育ってきた帆世。少し神経質な子供でした。周りのように、中高で弾け始めることもなく、USにいった大学でも、環境は変われど精神的には急に変われず、なんか弾けなかったのです。振返っても、いわゆる青春らしいことをした記憶はほとんどありません。もし、戻れるなら、思いっきり青春を満喫してみたいです。
そんな学生時代でしたが、1つだけエネルギーを注いでいるものがありました。それは、ほしいクルマを手に入れることへの情熱です。
小学生の頃は、クロカン四駆系が好きだったのですが、中学くらいからは、Corvette C4とFerrari 348は絶対手に入れると心に決めていました。ひたすら、これらのクルマを勉強し、手に入れることにエネルギーを注いだのです。この2台が救いになってくれていた部分はあります。
物理的、環境的には満たされていたかもしれない、でも、気持ち的にはそうではなかった。気持ちを支えてくれたのは、強烈に憧れさせてくれたクルマ達なのです。
貯金もしましたし、親の協力もあって、結果、ハタチの時にCorvette C4、24歳の時にFerrari 355F1を手に入れることができました。最初に買ったCorvetteのほうが、衝撃は大きかった気がします。
初めてオーバー200キロの世界を味わったのも、このCorvetteです。USのフリーウェイで230キロ以上は出したと思います。日本の高速も決して路面が良いとは思えませんが、USはもっと酷く、ア○アラ○ンや新○名で260キロ以上出すよりもはるかに気を遣いました。C4はクルマの性能面でも、スポーツカーと呼ばれるものとは違いましたからね。
人並みに楽しい青春時代を過ごしてきたら、このタイミングでこの2台を手に入れることはできなかったと思います。でも、今思うと、もっと自由に、人並みに楽しい青春時代なんてものを過ごしてみたかった気持ちも強いです。Corvetteではヤンチャに走ってましたが(笑)
比較的早く憧れのクルマを手に入れたことを羨まれることもありますが、人はやはり、その年齢にしかできないことに最大限打ち込むのが正解な気がします。逆に、そういうことのできる境遇にいた人達を羨ましく感じます。Ferrariはもっと大人になってからでも買えますから。
クルマ人生的にも、355F1を手に入れて、最初のピリオドが打たれてしまったような感じがします。
カッコに音、熱くなり、のめり込むドライビング、所有する喜びは最高でしたが、次第に想像以上に気を遣うクルマであることに気付きます。フェラーリ様なんて言われますが、ホントに"様"をつけたくなるような、クルマに対して最大限神経を使わせる一面があるのです。水温、電動ファンがちゃんと2個とも回っているか、結構なスピードで少しリアの荷重が抜け気味になった時とかいろいろです。
長年目標としてきたことを達成し、なんかボォーとしちゃったのと、も少し楽なAMG SL55あたりに安堵を求めたくなるけど、それでは負けという葛藤みたいなので、結構複雑な心境でした。身分不相応なクルマを手に入れる大変さってことです。でも、355は悪くないですよ、最高のクルマです!!
今でも、フェラーリでは一番好きなモデルです!
自分的には、あの音、あの車高、なんか工業製品っぽくないとことか、あれが好きなのです!
その他、憧れ、ほしい気持ちを抱いたのは、時期はマチマチですが、Bugatti EB110GT、Jaguar XJ220、Dodge RAM VAN StarCraft、ランクル80、Mercedes W140 600、アメ車のフルサイズSUV、Ferrari 456GTあたりです。入れ替わりは少しありますが、スーパーカーを除いて乗り尽くした感はあります。
今から15年くらい前は、Bugatti EB110GTもJaguar XJ220も2,500万円くらいで買えたので、355の次はこのどちらかという野望を持っていました。しかし、355で喜びと同時に大変さも知ってしまったので、もっとハイパーなスーパーカーへの気持ちは少し薄れてきていたのも、また事実です。
でも、スーパーカーを手に入れるには、いい時代だったと感じます。
355F1は6年落ちで手に入れましたが、今、6年落ちのFerrariを買おうと思うと、あの時代の倍の金額は用意する必要があります。Bugatti Chironなんて、月100万ローンを30年続けて、やっと買えるかって世界です。桁1つ違います。
がむしゃらになって、3億以上作って、Bugatti Chironを手に入れるのも悪くないですが、今は昔の反動もあって、比較的自由に好き勝手やっているので、あまり、そういうモチベーションも沸いてこない面もあります。楽しく生きることを覚えましたから、そっちのほうが重要です。
Maserati Levante、Bentley Continental T、Trackhawkは、いずれ買うと思いますが、適度に憧れを抱けるクルマってホントなくなっちゃったと思います。355を手にしたときには、いろいろな大変さに負けそうになったこともありますが、経験値も上がり、クルマ遍歴が一巡した感もあるので、最近は逆に、ある程度の刺激がないと、カラダが受け付けなくなってしまいました。もう一度、あの感覚に出会いたい。。。
最近で最も印象の良かったGhibli Sも、なんか買えなかったのです。相場の動きとかもありますが、一歩引いて見ると、刺激という面で。今のクルマの中では、相対的にスペシャル感があり、不安のないクゥオリティに燃費だって悪くない。しかし、355の頃のイタ車のように、エンジンに、クルマに魂こもってる感じがしない。フェラーリでも、この感じはモデナまでかもしれませんが、Ghibliや430以降のフェラーリは良くできた工業製品を一生懸命スペシャル仕立てにした感じがしてしまうのです。355は逆でした。デキの悪いのを一生懸命良くできた工業製品に見せようとしていました。世界一周キャンペーンなんかもやってたと思います。でも、たまにホントの姿が見え隠れし、そこが面白さだったのです。
別の視点で振返ると、簡単には買えないクルマを手に入れるのは、相当なエネルギーを要する旅です。Corvette C4とか355とか、そういうクルマがいてくれた時代と自分が合っていたことは非常にラッキーだったと思います。
もう、クルマを手に入れるために、あそこまでのエネルギーは注げないかもしれませんが、あの頃のクルマ達も大分古くなり、今なのかもしれません。出張生活になってからは距離走るので、そういうクルマは避けてきましたが、多少不便でも、そういうクルマのほうがいいんじゃないかって心境になってきたのです。
出張を冒険にしてくれるクルマのほうが、クルマとのコミュニケーションが親密になるし、充実したカーライフが待っているのではないか、と。
あまりに困らせてくれるようであれば、その時に考えたって遅くないのです!
ヒヤヒヤはいっぱいですが、困らせることはほとんどなかったですからね。
今までは、あまり、自分のことは書いてこなかったと思いますが、なんか刺激ある憧れを抱けるクルマが最近ないなってところから、感情移入し、いろいろ振返ってしまい、書いてみました。でも、若い頃にCorvette、Ferrariに乗れたのは、大きな功績でもあります。
あちこち出張が続き、しばらくはクルマを見に行ってる時間がないのですが、ちょっと離れていたクルマ達に会いに行ってみたくなってきました!
もうああゆう感覚のクルマは過去からしか探せない時代ですからね。
Posted at 2017/09/27 00:34:35 | |
トラックバック(0) | クルマ