ディーゼルと言うと、ポスト新長期規制は切っても切り離せません。
これは新車登録に対する規制ですが、平成21年10月以降にデビューした新型車、継続車種・輸入車については平成22年9月以降、この規制をクリアしていないと新車登録することができません。
W211 E320 CDIやE90 Alpina D3が駆け込み的にデビューしたのは、この規制施行前に間に合わすのが目的だったと言えます。ただし、ポスト新長期規制はあくまで新車登録に対する規制なので、既に登録を済ませたこれらのモデルが突然登録できなくなることは、今のところないと思います。規制前の初度登録の場合、もちろんNOx・PM法はクリアしてる必要がありますが…
ややっこしいのが中古並行車です。
規制施行前の年式の中古車を持ってきたとしても、日本では基本的には新車として登録されます。新車登録となるため、ポスト新長期規制をクリアすることが必須条件となるのです。
ポスト新長期規制は、ヨーロッパの魅力あるディーゼル車に対して、壁となっているのでしょう… 多くのモデルがクリアできるはずですが、リスクなのは事実でしょうから…
ガス検も高いし…
日本のポスト新長期規制と欧州規制の大きな違いは、やはりNOxにあると思います。現在欧州で施行されているEuro 5の場合、NOxは0.18というポスト新長期規制の2倍以上の許容値です。しかし、2014年秋から施行予定のEuro 6では、狙ったわけではないと思いますが、ポスト新長期のディーゼル乗用車とピタリと同じ、NOx 0.08という規制値が発表されています。
EU6に適合していれば、そのままポスト新長期もクリアできるという単純な話ではないみたいですが、MercedesのBlueTec系もBMWのBluePerformance系も、正規輸入されるモデルはEU6クリアしてるんで1つの目安にはなってるようです。
ただし、並行車に目を向けると、EU5以前でも日本のポスト新長期をクリアして登録できてる車種も多々あるようです。ガス検取得して、登録さえできてしまえば、当面は(法が変わらない限り)乗れると思います☆
2015年以降にEU圏で登録される新型車については、EU6が義務付けられるようなので、このまま国内のディーゼル市場が好調を維持すれば、今後数年でディーゼル車の正規ラインアップは増えていくと踏んでいます。
EU5とEU6という意味では、今は様子見フェーズな気がしてなりません。
BMW X5を例に取ると、国内導入されるxDrive35d BluePerformanceは本国仕様のxDrive30d相当… 最近知りました (--;
本国には同じエンジンのチューン違いで、xDrive40d、xDrive M50dがラインアップされているのです。
性能的には、30d/40d/M50dが、241馬力/301馬力/375馬力。
パフォーマンス的には0-60加速が、7.4秒/6.4秒/5.2秒、
最高速222キロ/237キロ/250キロ。
M50dに到っては、E46世代のM3と同一の数値をたたき出しています!
名機S54とは違った世界観でしょうが…
それでいて燃費は欧州複合モードで、16.16km/L / 15.73km/L / 15.73km/Lとほとんど変わらない…
40d、M50dはEU5対応ですが、いずれハイパワーディーゼルも正規で入るようになるのかなって期待してしまいます!
現行ディーゼルモデルの中では、M50dは最も惹かれる車です☆ 入っても高そうだけど… (--;;
そして、3代目へとスイッチされたMercedes Benz ML。
データ見る限り、0-60加速が7.2秒、最高速224キロで、欧州複合燃費が16.58km/Lで、旧型比で20%くらい向上しています。最高速を除けば、今正規で入っている211馬力仕様のE Class BlueTECとほぼ同一!
本国には、2.2LのML250 BlueTECもありますが、欧州の燃費データは不思議と350と変わりません…
スタイルは好きになれないけど、これを味わってからでも遅くないかなって思います。
これが待ちの理由、その①です。
SUVでは、もう一台。
VW Touareg 3.0TDIです。VWは日本市場にはまだディーゼルは入れないと宣言しているので、正規輸入される望みは薄いですが、
データ上は負けていません!
0-60加速が7.4秒、最高速220キロで、欧州複合燃費が16.58km/Lです。
この3台の燃費データをおさらいすると、↓のようになります。
欧州複合 / US EPA HW / US EPA City / JP JC08
X5 xDrive35d B.P. : 16.16km/L / 11.05km/L / 8.08km/L / 11.0km/L
ML350 B.T. : 16.58km/L / 11.48km/L / 8.5km/L / 導入待ち
Torareg TDI : 16.58km/L / 11.90km/L / 8.08km/L / 未導入
US EPAは世界一過酷な燃費テストなので、燃費が落ちるのは仕方ない部分があると思います。JC08や10・15が良かったり、これらと欧州複合の差が小さければ、多段A/Tと高制御で流れている状況であれば、高速でなくても燃費が稼げると思います。逆に言うと、都内の渋滞やガンガン踏んだりとかでない限り、リッター8は切らないでしょうね!
SUVでは、この3台がいろんな意味でバランスが取れてると思いますが、今年のディーゼルの本命はこれらではなく、先日、モデルチェンジしたBMW 320d BluePerformanceだと考えます。
2リッター直4から160馬力/380Nmを出力し、燃費はなんと欧州複合モードで28.91km/Lです!
JC08でも、リッター20超えてくるんではないでしょうか^^
0-60加速が7.8秒、最高速225キロなので、ガソリン320iに負けますが、燃費考えたら十分と感じます☆
このクラスではトップレベルで、これを上回るとなると、例えばゴルフの1.6TDI BlueMotionです。リッター31キロを超えるのでかなりの燃費ですが、CO2排出量が欧州の税制の分岐点0.99g/kmなので、燃費よりCO2狙いのモデルと思えます。でも、加速も遅いので、動力性能との両立という意味では320dのほうが凄みを感じます!
非公式情報では今秋導入だそうなので、少なくても導入される仕様が発表されるまでは待ちと思っています。
待ちの理由、その②です。
そして、待ちの理由その③はMercedes-Benz E-Classです。
MLに新しい3L V6ディーゼルが積まれたということは、近いうちにE-Classにも積まれると予想します^^
E-Classに積まれるとそこそこ速い車になるんではないでしょうか。
そして、も一台意外と面白いと思うのが、ハイエースのディーゼルターボです。
3リッターで144馬力/30.6kg-m。トヨタというとハイブリットですが、クリーンディーゼルも地味に出してます!
このクルマは、カスタムも豊富ですし、チューニングプログラムもいろいろあるので、楽しめそうです^^
そして、ハイエースのメリットは4ナンバー登録可能というところです。
この4ナンバー、ディーゼルについては排気量の上限がなく、3リッターながら税金が安いのです!
でも、ここにも待ちの理由が!
来月にも発表されるという日産のNV350キャラバンです。
2.5リッターディーゼルが積まれると言われており、後発なだけに期待できます☆
今回は今後正規で導入されるニューモデルを中心に書いてみました。
並行車まで視野を広げると気になるクルマがいろいろとありますけどね☆
逆に、今ディーゼルを買えと言われたら、最近値段がこなれてきたW211 旧E Classの320 CDIにします。
BlueTECになる前のモデルですが、0-100キロを7秒以下で加速し、250キロのリミッターまで最高速も出ます!
加速については、W212のBlueTECより、ちょっとだけ速いのです^^
燃費も高速130~140キロ巡航で、リッター12~13キロくらい出るようです。
今の自分の使用用途では、高速をある程度で巡航した際の燃費が重要だったりします☆